『虫』展(伊丹ミュージアム)で、
腹の虫、病の虫だけでなく呪術に使われる虫についても展示されていました。
世界最強、最凶といわれる蠱毒(こどく)。
それは、古代中国で用いられた呪術。
ヘビ、ムカデ、カエルなど百種の虫を器の中に入れます。
器の中で互いに喰らわせ、必ず1つの生き物が他の全ての生き物を食べるので、最後に残った一種を留めます。
これを採取して飲食物に混ぜ、人に危害を加え、呪うもの。
蠱毒(こどく)は、喰われたものたちの怨念がこもっていると信じられています。
それは日本にも持ち込まれ、養老律令で禁止された危険な呪術です。
最近、映画や漫画などで呪術を題材にしたものをよく見かけるようになってきましたが、この最凶の蠱毒(こどく)まで題材にしたものが急に出てきた感があります。
蠱毒(こどく)の呪いと陰陽師の安倍晴明を題材にした映画「陰陽師0」
短編ホラー映画『蠱毒(Poison)』
タイトルが蠱毒(こどく)そのままです
短いのであっという間に見終わりますが、公開1ヶ月で14万回再生。
最近の呪術ブーム。
スピリチュアル、ミステリー、呪い、
といったキーワードが現代の私たちになにかハマるものがあるんでしょうか。
虫を使った毒薬は、危害を加える恐ろしい毒のようですが、古来より、毒薬で使われる虫がとても貴重でした。
有毒昆虫で猛毒を持つツチハンミョウ(土斑猫)を使用した芫青(ゲンセイ)や蜥蜴(トカゲ)など。
治療薬、漢方の原料として大変貴重で重宝されながら、触れると危険なため、暗殺用毒薬として使われてきた歴史があります。
(本草綱目四十一 二巻)
蠱毒を使ってかけられた呪いを解くには、
サソリ、ムカデ、ヘビなどの蠱毒の種類を特定すること。
蛇であれば蛇蠱など、どの蝦蟇(がま)か特定して煎じて飲むことだそう。
「毒は毒を持って制す」
ですね。
まず、そもそも呪いをかけないことだと思います

身分制度や差別で言いたいことも言えず、呪術に頼った時代は、呪術が癒しになったのかもしれません。

