学校再開後にやってくる教員の過重労働 | 神戸国語教育研究会カプスのブログ

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先日の当ブログで、休校期間中であっても教員が多忙であることを書いた。

 

全国で緊急事態宣言が解除されていき、それにともなって学校の活動も段階的に再開されつつある。

 

やれやれ、よかった。休校で課題の発送や、機材に制限のある在宅ワークよりも、日常が戻ってきた方がよほど楽だ。

授業一つとっても、動画の授業は作成時間がとてもかかるし、双方向のオンライン授業も問題点が多々ある。

 

……などと言っていられない。

 

学校が再開されると、かつてない以上に多忙極まりない教育現場が待っている。

 

まずは、「新しい生活様式」。学校内でも、新型コロナウイルスの第2波に備え、クラスターが発生しないように考えないといけない。

 

登校したら、まずは健康チェック。教室の机と机の間隔は広く取る。

ここ数年、文科省が推し進めてきた対話的・協働的な学び(アクティブ・ラーニング)は、密接・密閉がつきものなので、リスクが高い。

音楽の合唱や笛の演奏、家庭科の調理実習、接触を伴う体育の種目もリスクが高い。また、実技で使う道具は共有する者が多い。仮に、1人1個レンタルしたとしても、別のクラスの授業で使うときには消毒が必要になる。

国語・英語の一斉音読もリスクが高い。

黒板消しも、複数人の生徒が使わないように、教員が黒板を消すか、生徒が消す場合もその日に黒板消しを使う生徒は固定しないといけない。

 

トイレはどうする? 男子の小便器にずらっと並ぶのは密接。そもそも、トイレの空間が密閉。となると、トイレの使用人数に制限をかける。大便器も、使うたびに便座の除菌をするように指導しなければ。だから、トイレを使う生徒の整理をするため、休み時間に教員を配置しないといけない。

 

昼食も、食べているときは会話をしないように気を配る

 

使用したティッシュやマスクを廃棄する際には、これまでのように「丸めてポイ」ではなく、各自でポリ袋に入れて口をしばってからの廃棄。その指導もいる。

 

廊下・階段も密集しないように。学校の建物の構造によっては、複数箇所ある階段を、あるところは昇り専用、またあるところは下り専用と分ける。

 

万が一、発熱した生徒がいたり、体調不良で欠席する生徒や家族が体調不良で念のために欠席する生徒がいたりすると、そこから「コロナ差別」にならないよう、ホームルームでの指導を考えるべきだ。

 

何より、生徒が下校したら、教室や廊下などの共用部の消毒が必要になる。

 

3カ月、授業ができていなかったので、それをカバーしていく。かなり厳しい授業になるだろう。当然、夏休みや冬休みの短縮は考えられる。どうやって回復運転するのか、カリキュラムの練り直しを求められる。

 

学校再開当初は、教室内の密集を避けるため、1クラスを2~3つに分割している学校が多いだろう。そうすると、それだけ授業の数が増えることになる。教員の数は変わらないのに。

 

こんなふうに、今までの学校にはなかった教員の仕事がたくさん舞い込んでくる。

 

休校期間が3カ月も続いたので、生徒全員が平常心で登校再開できるとは考えにくい。生徒指導面でも、何かと問題は出てくるだろう。

 

これから、肉体的にも、精神的にも、疲労感の増す教育活動が始まるのだ。

 

覚悟を決めておかないといけない。

 

答えのない学習。課題解決型学習。課題発見型学習。新学習指導要領で叫ばれてきたことを、教員自身が、「コロナウイルス対策」として実践していかねばならない。

 

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