学校再開ガイドラインで授業はどうなる? | 神戸国語教育研究会カプスのブログ

神戸国語教育研究会カプスのブログ

神戸国語教育研究会カプスのブログです。現代文の副読本、アクティブ・ラーニング、課題解決型学習のテキスト『生き方GET』を制作しています。
公式サイトは「カプス」で検索を!

突然の要請で始まった臨時休校。それに対して、学校再開に関しては比較的余裕のあるタイミングでガイドラインが示された。

 

1. 3つの条件(換気の悪い密閉空間、多くの人が密集、近距離での会話や発声)が同時に重なる場を避けるために「換気の励行」など保健管理の徹底

2. 一斉臨時休業に伴う学習の遅れへの対応

3. 入学式及び始業式等の学校行事における工夫

 

3.は、卒業式のときに、各地の学校で在校生と来賓は参加しない、保護者も参加しない・または人数制限をする、式次第を短縮する、などの対策が取られてきた。

 

2.は、どうしたらいいのか。人混みを避けられる時間に生徒を下校させるなら、放課後の補習が難しい。朝を早めにすることもしかり。土曜日授業? 教員の働き方改革は? 子どもたちの精神衛生のことを考えて運動場や体育館などの開放を要請されたのに、一方で学習の遅れ対応をするというのは、時間的に厳しいのでは?

 

1.は、授業のあり方すら考えさせられる。文を正確に読み取れば、「3つの条件が同時に重なる場を避ける」ことが目的なので、「2つまでなら同時に重なってもいい」「同時でなく、タイムラグを設ければいい」と解釈できてしまう。

 

では、国語の授業はどうなるのか。

 

真っ先に壁に当たるのが「音読」である。教科書の指名読みなら、ひとりずつ読んでいくので許容範囲か。これが、暗誦のための音読となると、クラス全員で声を出したり、ペアを組んで覚え合ったりどいう時間が必要になってくる。「近距離での会話や発声」である。

 

まして、「主体的な学び」の看板の下、アクティブ・ラーニングや学び合い、グループ学習が取り入れられてきた。「近距離での会話や発声」が確実に生じる。

 

これを、教室の窓を常時開放していれば「3つの条件」のうちのひとつが解消されるので、OKと考えて良いのか。

 

……とてもではないが、そうとは考えにくい。

 

より安全にリスク回避、ということを考えるならば、教室の窓は開放、机と机の間隔を空ける(人数の多いクラスでは難しい)、グループ学習は実施しない、全員で発声することはしない、ペアで発声はしない、ということになる。

 

これって、前時代的な講義形式の授業にならざるを得ない。

 

……いや、まてよ。講義形式で教員がしゃべり倒すのも避けるべきでは?

机間巡視も避けるべきでは?

質問対応や理解不足の生徒の指導するとき、マンツーマンでできないのでは?

 

こんなボヤッとしたガイドラインではなく、実際の教育現場を想定したガイドラインを提示してほしい。そうでないと、結局、現場の判断に委ねられ、学校間での差が出て、混乱が生じる。

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

神戸国語教育研究会カプスについては → 公式サイトへ

 

課題解決型学習、アクティブ・ラーニング、現代文の副読本として最適の教材『生き方GET』全4巻+ベスト版 → 詳しくはこちら

 

↓クリックしてランキングアップにご協力ください。

にほんブログ村 教育ブログへ
にほんブログ村