年度の終わりに近づくと、どこのクラスでも来年の話になってくる。そして、「来年もこのクラスのメンバーがいい」という声が聞こえてくる。「担任の先生も今のままが良い」という、教師としてはありがたい意見も出てくる。
が、私はそういった声が出れば出るほど、それを否定する側に回る。
「そりゃ、このメンバーで来年も過ごせたら楽しいだろう。お互いわかり合っているから。でも、今、仲の良い人同士でも、来年になったら大げんかをするケースを今までたくさん見てきた。その時に、固定されたメンバーとしか過ごせていなかったら、どこにも自分の居場所がなくなってしまう。今のメンバーでいると楽しいというのは、『楽(らく)』がしたいだけだ。人間的な成長は見込めない。成長をしたければ、いろんな人とつき合って、いろんな価値観があることを知り、自分の視野を広げることだ。学力面での成長もそう。このメンバーの中でトップにいても、それは井の中の蛙状態。上には上がいる、ということを知るのも大切だ」
生徒は、今の状態しか見えていない。長期的な視野に立つのは無理だ。
だからこそ、教師側が長期的な視野に立ち、それを生徒に意識的に示してあげなければならない。いろんな生徒にもまれて、ときには対立して、でもそこら学ぶことで、成長できる。それを教師は言い続けるべきだ。
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