歯科の前提条件は、間違っている#03天動説でも人工衛星を打ち上げられる。 | こばやし歯科医院 web分院

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歯医者に関すること、庭で咲いた花のこと、鬘の話etc.etc.
役に立たない話が多いですが、気楽にお読みくださいm(_ _)m。


私は過去に前提条件が間違っていてそれを改められた例をいくつかあげました。



コペルニクスの地動説。
ダーウィンの進化論。
ウェゲナーの大陸移動説。
メンデルの遺伝法則。etc.etc.



学問の前提条件の間違いが是正された結果、その学問は進化し、我々はその恩恵を享受しております。



カーナビのお陰で迷子にならないのは、元を辿るとコペルニクスの地動説に至ります。
品種改良された桃や葡萄などの農作物が食べれるのは、ダーウィンの進化論やメンデルの遺伝法則が関係ないとは言わせません。スマホから地震速報が鳴るのは、ウエゲナーの大陸移動説がプレートテクニクス理論を生んで、地震の仕組が開明されたおかげです。



これらの諸説が立証する前のその学問で問題が起きなかったかというと、それほど問題じゃなかったんです。理由は簡単です。大概の人は困らなかったからです(^^;。
地図にない街を探すには、最初に地図が必要なように、今の生活が不便だと知るには、便利になったものを知らなければいけないのです。



たとえば天動説ですが、太陽が地球の周りを廻っているのと、地球が太陽を廻っているのでも、日常生活では困りません。暦を作るとか、天体観察をする人には大いに問題でしょう。ですが、それはごく一部の人たちです。当時の知的階級の数を考えると、9割以上の人が困らなかったと断言できます。研究者の間でも、トップを走る人以外は、それほど困らなかったのでしょう。



更に言えば、地球と月との間だけなら、天動説が成立します。
我々が日常生活で肉眼で見えるのは、太陽と月です。勿論星々も見えますが、日常生活でそんなに影響がありません。太陽と月だけわかっていれば、潮の満ち引きとか、暦の計算なんかはある程度の精度までできます。というより過去の観測結果から導き出せます。
天動説だと惑星の軌道について説明がつかないので、星占いをしている人は困ったかもしれません。しかし、世間一般ではその程度の影響しかないでしょう。更に言うと、そのような状況ですから、稀に現れる彗星なんかは不吉の前兆と思われたのでしょう。



つまり、望遠鏡の発明以前は、天動説でも天体観測にそれほど不自由せず、説明がつかない問題は、トップレベルの人たちの悩むだけで済んでいたのです。



第1回で、天動説のまま人工衛星を打ち上げるという話をしましたが、天動説のままでも人工衛星を打ち上げることはできると思います。地球と月との間だけなら、天動説が成立するからです。



実際は、人工衛星の軌道計算でも地球と月の関係だけを考えるのと、その上に地球が太陽の廻りを公転しているというパラメータを組み込むと、計算結果が変わってきます。
他にも天動説と地動説では、考慮すべきパラメーターの数が違います。だから、天動説で人工衛星を打ち上げること自体はできても、長期に運用しようとすると色々とトラブルが出るだろうことは、想像に難くありません。



それどころか、複数の人工衛星を運用するとか、惑星探査宇宙船とか考えると、どのような軌道計算をすれば天動説でそんな真似ができるか私には想像もできません。
きっとボイジャーもはやぶさも明後日の方角へ迷子になることでしょう。
アポロ11号は月へ辿りつけたのでしょうか?



前提条件の間違いは、科学が発達する過程で是正されるものです。
言い換えると、前提条件が間違っていると様々なことが説明できません。
たとえば、天動説では惑星の軌道が上手く説明できません。色々と頑張ったようですが、結局上手く説明できず、地動説が生まれたわけです。



これと同じように、たとえば今の歯科では患者さんによく聞かれる疑問を説明できません。
その一つがこちらです。



『一生懸命歯を磨いているんですが、どうして虫歯になるのですか?』



今の歯科の基本的な答は『磨き残しがあるから』です。
実は、どんなに一生懸命歯を磨いても、歯ブラシだけでは50%ぐらいの磨き残しがあることが分かっています。歯間ブラシなどを用いても30%ぐらいの磨き残しがあります。



……質問の答になっていないという意見は、ごもっともとお返しします(^^;。



基本的にこれ以上の説明はできません。解決策は以下の3つです。



①もっと歯を磨く。
②歯間ブラシなどの器具を使う。
③もっと歯医者に通って奇麗にしてもらう。



……これだけやっても虫歯はできるときにできます(^^;。



他にフッ素コート等幾つか方法がありますが、それらの処置をしても現時点では虫歯の完璧な予防法は存在しないのです。このため、歯磨き指導は技術論にとどまらず、精神論へ陥りがちです。歯磨きをネタにしたスポ根漫画が生まれても不思議ではないと思います。



……そんな奇特な作品があったら、是非読んでみたいですが(^^;。



私の答は簡単です。
『虫歯の原因は複数ある。歯磨きでは、全ての原因を潰していない』です。
複数の原因があるのに、全ての原因を潰すことができなければ、完全な虫歯の予防ができなのは、当然です。



後で詳しく書きますが、現在判明している虫歯の原因は3つあります。歯ブラシではそのうち2つしか潰せません。そして、私の主張する前提条件の間違いの一つが、発見されていない4つ目の虫歯の原因の可能性が高いです。




この他にも、開明も説明もできないことが幾つもあります。
どんなに丁寧に処置しても痛みが消えない虫歯、どんなに処置をしても腫れてくる歯周病、すぐに合わなくなくなる入れ歯etc.etc。



今の歯科治療で困難とされているものが、歯科の前提条件が間違っているため、考慮すべきパラメーターを無視していることが一因なら、どうなるでしょう?



ここまで書くと、『そんなに問題があるなら、歯医者は何故追求しなかったのか?』と思われる方も居ると思います。実は、歯科には解決策があるんです。逆を言えばこの解決策があるから、前提条件が間違っていることに気づいていないのだと思います。



それは、抜歯です。



トラブルの原因が判らない歯は、抜いてしまえば問題が解決します。
そんなことでいいのかと思うかもしれません。



歯医者の仕事は歯の研究は、主目的ではありません。
歯のトラブル解消が目的であり、歯の研究はその目的達成のための手段なんです。
しかし、トラブルの原因を突き止められなくても、トラブルが解消されれば目的は達せられます。



何より、歯科が最初にできたころの痛くなった虫歯の対処法は、抜歯一択でした。
歯を抜かなくても治療できるようになったのは、つい最近なんです。



抜歯は歯医者にとっては当たり前の手段です。
いわば歯のトラブルの解決策の王道なのです。
それなので、抜歯の前にある些細な問題など、『細かいことはいいんだよ』とばかりに、誰も気にしなかったのです。



……これは問題の解決ではなく、消滅だという意見には、首肯します(^^;。



抜歯はついこの間まで、歯科治療のスタンダードであり、ファーストチョイスでした。
たとえば、昭和の時代の歯槽膿漏の治療は、抜歯でした。歯槽膿漏は一言で言うのなら、歯周病の末期段階です。当時は歯周病という言葉すら普及していませんでした。



歯槽膿漏になったら、ドンドン歯を抜いて総入れ歯にしましょうが、当時の歯槽膿漏治療のスタンダードでした。もちろん、今はそんな治療はしていません。歯をなるべく残す方向で技術が発達しました。この他にも、様々なケースで抜歯がファーストチョイスだったのです。



世間一般では過去の技術や慣習でも、特定の業界では昔の伝統や技術が現役で使われているなんて例は、幾らでもあります。たとえば、ある工場ではMS-DOSとフロッピーディスクが現役だったりします。歯科はその意味では、過去の伝統から脱却できていないのです。



今の歯科の状況は、天体望遠鏡が実用化して今までよりも詳細なデータが取れているのに、誰も天動説に疑問を持っていないという状況です。抜歯という解決策があるため、本来なら疑問に感じる計測結果も、計測対象外としてほとんど考慮されていないのです。
最初から視界に入っていないので、得られたデータの矛盾に気づかず、コペルニクスもガリレオも出てこないのです。



自分をかの偉人と並べる気はありません。何故かというと、私が気がついたことは、ウエゲナーが世界地図を見て気づいたことと同レベルだからです。いやウエゲナー以前の世界地図を見て、思い付きで大陸移動説を提唱した人達の一人でしょう。
そして、そは現在の歯科では誤差として切り捨てられているものの中にあります。
それは、しなびた大根の葉っぱのように、ゴミ箱に放り込まれているのです。



つまり、私のしていることは、しなびだ大根の葉っぱを炒めておかずにしたようなものです。定食屋のおかずの一品ならまだしも、それでレストランを開けば三ツ星が貰えると主張したら、正気を疑われるでしょう。



……まぁ、普通誰もまともに扱いませんよねぇ(^^;。



色々と書いてきましたが、次は私が見つけた前提条件の間違いの一つ、虫歯の4つ目の原因についてお話ししたいと思います。






写真は、庭で咲いた姫睡蓮です。
姫睡蓮は3株ほどあるのですが、今年は一株しか咲きませんでした。
来年はもっと咲いてくれると嬉しいです。



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