荻原浩著「笑う森」読了。
神森で行方不明になった5歳のASD児、真人。
1週間後、無事に保護されたが、空白の時間、森で何が起きていたのか?
ソロキャンプのYouTuber、
自殺寸前だった教師、
殺人を犯した女、組から逃げているヤクザ、
同じ時に森に迷い込んだ4人の訳あり男女との邂逅、
母親への育児放棄扱いのバッシング…
救い、救われ、許し、赦される罪深き人間たちを通して、
“世間”もまた、深い森のように感じた。
誹謗中傷に晒された母親が、震えながらも踏ん張り、
対峙する中で、どんどん本来の強さが露わになっていく。
その姿に、そして少年の成長から溢れたラストに、
胸が熱くなった。