国際仔魚学会:その2 | COPE (KU Plankton Lab)

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こんばんは。主宰です。

 

国際仔魚学会の第2弾です。

さて5日間という学会がスタートしたのですが、ちょっとした予想外のことがありました。海外の宿泊施設は国内のよりも一般的に高額で、特に観光地として有名なケベックシティの宿泊施設は、所属大学の旅費規程ではとうてい支払えない金額でした。そのため、離れた場所にコンドミニアム型の宿泊施設をとりました。キッチンもついているので、自炊して食費を抑えるためにも有効だからです。ここの宿泊施設でも旅費上限を超えるものでしたが、私の調査では一番安かったのでここに決めました。徒歩30分くらいだし。ただ、現地に行ってみてなぜ安いのか納得しました。学会の会場となったホテルや観光地となっているところは、私の宿泊施設からかなり高いところにあるのです。グーグルマップでかなり確認していたのですが、この点については見落としてました。

こちらがどうしても避けて通れない階段。ビルの高さで7~8階ほどあります。

これが、階段を登ったところからホテル方面を見下ろした風景。こんなに起伏のあるところとは思ってませんでした。ここで終わりではなく、さらに15分くらいかけてこれ以上の高さの坂道を登ります。

こちらがホテル近くの公園から見下ろしたセントローレンス川。そうなんです。国際学会の会場は、この街で一番高いところにありました。毎日、これの往復なんでかなり疲れました。

初日の開会時には、実行委員長のドミニク・ロバート教授(ケベック大学リムスキ海洋研究所)がご挨拶されました。彼はたいへんな親日家で、何回も日本に滞在して研究されいた経験があり、なんと奥さんが日本人だったのです。わざわざおふたりからご挨拶をいただき、恐縮しました。我々のやっている研究内容(黒潮パラドックス・資源変動ジグソーパズル)にも関心を持っていただき、たいへん有難かったです。

この国際仔魚学会では、私は以下のような発表をしました。

 

Toru Kobari, Yusuke Manako, Airi Hara, Kaori Yamanoue, Takafumi Azuma, Ryuji Fukuda, Yi-Chen Wang, Masafumi Kodama and Gen Kume

Why can fish larvae appear so abundantly under the oligotrophic Kuroshio? (Poster presentation)

 

 

Toru Kobari, Ayane Taniguchi, Manami Hirata, Gen Kume, Mutsuo Ichinomiya, Tomohiro Komorita, Masafumi Kodama, Fumihiro Makino and Junya Hirai

Fish larvae supported by multiple trophic sources and pathways in the Kuroshio and its neighboring waters (Oral presentation)

 

 

いずれも、すでに著名な国際誌で発表したばかりのネタだったし、学生さんたちが一生懸命やってくれた珠玉の研究成果なので、自信をもって研究成果を紹介しました。個人的な感想かもしれませんが、かなり反響はあったとおもいます。たくさん質問があったし、基調講演のかたにもよかったよと言ってもらえたので。頑張ってくれた学生さんたちに、せめてもの恩返しができたかなとおもいます。

この学会では役員・委員などの組織運営が全くなく、朝から晩まで学術に没頭できる最高の時間でした。私くらいの年齢になると、こういった時間がいかに稀有で有難いことか、今回ほどそれを感じたことはなかったなぁと思いました。これからはこういう機会は減るだろうとおもいますが、何とかしてこの至福の時間を作りたいとおもいます。