研究論文紹介(Kobari et al. 2003) | COPE (KU Plankton Lab)

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論文紹介の続きです。

Toru Kobari, Akiyoshi Shinada, Atushi Tsuda (June 2003)
Functional roles of interzonal migrating mesozooplankton in the western subarctic Pacific. Progress in Oceanography: 57 (3-4), 279-298.
https://doi.org/10.1016/S0079-6611(03)00102-2

北海道区水産研究所でアルバイトしていた時にまとめた論文です。親潮域で優占するカイアシ類の摂餌生態・生産生態・物質輸送について調べたもので、これらカイアシ類の個体発生に伴う鉛直移動が、かなりの物質を海洋中深層へ輸送していることが明らかとなりました。現在の東大副学長で当時私の雇い主だった津田さん、北海道立総合研究機構の研究員で私の後輩である品田さんのデータを合算して発表した論文で、かなり濃い内容の力作です。当初は期待していなかったのですが、計算してみると驚愕的な値になってたので、間違いがないかを何回も確認してから投稿した記憶があります。今になって振り返ると、私の研究人生の転換点となった論文かもしれないとおもっています。