未利用資源探査調査@南星丸 | COPE (KU Plankton Lab)

COPE (KU Plankton Lab)

絶滅危惧研究室の営みをつづるブログです

こんばんは。主宰です。

 

6月1日~2日にかけて、南星丸において未利用資源を探査する調査航海を南星丸で行いました。ハダカイワシ科魚類に代表される中深層性魚類は、漁獲が困難であると同時に人間が体内で消化できない脂肪を有することが多いため、食料資源として利用されていません。しかし、世界中の海洋に分布しており、食料資源としての漁獲量をはるかに上回る資源量が存在すると報告されています。鹿児島湾は閉鎖的な内湾ですが非常に深いために、こういった魚類が分布しています。これらの資源量はどれくらいあって、それを持続可能な水産資源として利用するための研究を行っています。

これが採取された中深層性魚類の一部です。ハダカイワシ科魚類は非常に脆弱なので遊泳している標本を採取するのは困難ですが、我々は特殊な網を使っており、かつ採取してすぐ見れるので遊泳している姿を見ることができます。ハダカイワシとは漁獲中に鱗がとれてしまってハダカになっていることから名づけられていますが、私たちはまだ鱗がある状態で採取できています。

こういった魚類がどの環境に分布しているのかも調べるため、センサー類を使って環境調査もします。この一環で、乗船した3年生には採水・濾過のお手伝いをしてもらいました。

私と久米さんの研究室における知識・技術ではとても達成できないので、関心をもってくれた研究者の方々と一緒に共同研究しています。そのうちのおひとりが、北海道大学水産学部の安間さん。計量魚群探知機を使って、鹿児島湾内に分布する中深層性魚類の資源量を推定してもらっています。今回はもうおひとりに参加してもらっており、北里大学海洋生命学部の池田さんです。

魚類の細胞培養に関する研究をなさっており、採取する機会の少ない中深層性魚類の細胞培養をやってもらっています。

深夜の調査なので、体力が必要です。この日には司厨長が頑張ってくれて、美味しいトンカツ+豚汁をご馳走になりました。

普段自宅では滅多にお目にかかれない豪華メニューだから、乗船したみなさんは嬉しいことでしょう。

今回の航海では、ちょっと珍しいものが見れました。こちらは、東京の島嶼方面に運航している客船らしいのですが、この客船を貸し切りにして私立の小学校が修学旅行しているのを見れました。世の中には豪華な修学旅行があるものだとおもいましたし、こんな感じでうちの練習船も使ってもらえたらいいかもともおもいました。

こちらが乗船メンバーです。深夜の作業でしたが、みなさんがんばってくれました。ありがとう。