海洋観測乗船実習1:その1 | COPE (KU Plankton Lab)

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こんばんは。主宰です。

 

何だか時間がなくて、ブログ更新できてません。ごめんなさい。

6月10日~25日まで、かごしま丸で行われる乗船実習(海洋観測実習1)に参加しました。この乗船実習は、国内だけでなく海外の研究機関からも研究者が来て、世界最先端の海洋科学が行われます。前半戦(レグ1)はトカラ海域での乱流観測、後半戦(レグ2)は東シナ海陸棚縁辺域で係留観測です。

前半戦は、ワシントン大学・東京大学・東京海洋大学から研究者が来て、海の中の乱流(飛行機に乗っているとガタガタするやつ)を測定する観測でした。とっても高額な観測機器を惜しみなく大量投入し、未だに謎が多い乱流を解明する観測です。ワシントン大学から来られたレンチ―さん・エリックさんは世界的に超有名な研究者で、こういう方々と一緒に観測できるなんて夢みたいなことです。また、海洋大から来られた長井さんは日本の乱流研究の第一人者といえる研究者で、寝る間を惜しんでの観測には圧倒されました。こういう研究者たちと一緒に海洋観測をできる鹿大水産学部生は、とっても幸せなことだとおもいます。他大学でもこういった経験はなかなかできないものです。

この観測での様子を画像においていきます。

世界的に超有名なエリック・クンゼ博士。乱流を測定する漂流フロートの投入をするところです。数値計算をなさるかたなのであまり観測現場に来られないとおもうのですが、この観測では投入を担当しました。この乗船実習中に誕生日を迎えられ、みんなでお祝いパーティーをしました。

乱流を測定する漂流フロートを、まさに海中に投入するところです。1台数百万もする観測機器ですが、これを8台も投入しました。中には浮上しないものもあって取り損ねるところでしたが、最終日に乗船者全員で探し出し、全て回収に成功しました。砂漠に落ちた百円玉を探すくらい難しいことですが、これを成し遂げるかごしま丸はすごい能力です。

ワシントン大学の技術者であるエイブリー。漂流フロートの先端には何十万もするセンサーがついているのですが、これに触らないように海中のフロートに紐をひっかけて吊り上げます。揺れる舷でこの作業はとても危険なのですが、ささっとやっちゃうのがすごい腕です。彼は、機器の整備(故障も含めて)、データ管理なども自分一人でやります。この能力を活かして、今は自分で会社を経営してるとのことです。

観測中に採取されたデータを使って、この実習のレポートを作成します。どういうデータ解析をして、どういうレポートを作成すればよいのかを説明しているところです。実習では甲板での作業だけでなく、こういったデータ解析もやります。

海洋大の曳航観測の様子。船尾から何百万もする観測機器を入れて、船を走らせながら観測します。右舷では乱流を観測し、左舷では栄養塩などの生態系データを採取します。カメラもついていて、どんなプランクトンがどこの深度にいるかという調査もやっており、自動画像解析・生物判別をするそうです。私は、これのためのデータを提供しています。

コロナ禍が収束しつつあるのと、後半戦では別の研究者たちが乗船するため、那覇に寄港しました。1日ちょっとの時間があり、仕事の合間にダウンタウンまでふらっと出かけました。ソーキそばが好物なので、市場の中にあるお店にいきました。柔らかいお肉が美味かった~。

沖縄在住の卒業生に会ってきました。ふたりは学生時代からのおつきあいで結婚して、子供たちも大きくなりました。我が家と結婚・出産が同じくらいの時期なので、こうやって今でも家族ぐるみのつきあいがあります。この日は、とある海岸にサメの歯の化石を探しにいきました。