海洋観測乗船実習2~その1~ | COPE (KU Plankton Lab)

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こんばんは。主宰です。

11月1日~11月8日まで、鹿児島大学練習船かごしま丸において海洋観測乗船実習2が実施されています。今回は、実習の様子をお伝えしたいとおもいます。

鹿児島大学練習船かごしま丸は、洋上教育研究のプラットフォームとして全国の教育研究機関から共同利用される施設です。そのため、この実習は鹿児島大学水産学部だけでなく九州大学農学部の実習科目でもあり、鹿児島大学水産学部と九州大学農学部の学生さんたちが一緒になって実習を行っています。単なる体験型実習ではおもしろくないので、大きな目的・課題を設定しています。それは、「貧栄養な黒潮生態系では本当に生物生産力が低いのか?」という疑問を設定し、海洋観測や生物標本を採取してその疑問を解決する実習です。今年は、海況や天気に恵まれたので、予定どおりに進めることができました。

昼飯の様子。かごしま丸ではラーメン・うどん・そばなどの麺類も出ます。司厨長の配慮とおもいますが、出港して間もない昼飯には、辛めの麺類だと少々の船酔いでも食べられます。私は麺類が好きなのでとてもありがたいです。

昼飯にはスイーツがついてきます。女子学生だけでなく、最近では男子学生もスイーツ好きが多いので、かごしま丸のご飯は人気があります。後でゆっくりと食べたい時には、必ず名前を書いて冷蔵庫・冷凍庫へ。そうしないと誰かに食べられてしまいます。

CTD観測後には、各水深から採取した海水を採水ボトルに採取します。測定対象の物質が混入しないように、配慮しながら丁寧に採水します。

動物プランクトン標本は、検鏡・測定・分析に供するために様々な標本を作製します。この実習にはプランクトン研究室に配属された新卒論生が参加していたので、先輩から手順を教えてもらいます。

だいぶ要領がよい娘たちだったので、教えてすぐに習熟できたようです。今後の南星丸・かごしま丸の実習ではだいぶ活躍してくれることでしょう。

大型のリングネットで採取された標本から、ウナギ目の仔魚(レプトセファルス幼生)、その他の魚類の仔魚、動物プランクトン(優占分類群)を識別分別しているところ。初体験だったとおもいますが、実習生のみなさんは対象生物をきちんと識別し、余計なものが混入しないように丁寧に分別してくれました。

船が揺れる中で、とても微小な生物を目で追いかけるので、どうしても船酔いすることがあります。はじめの数回では具合が悪くなる人もいましたが、中盤からは楽しそうに会話をしながらやっているのが印象的でした。

飯の画像ばかりですみませんが、美味かったものでつい。鳥天丼でした。本日のスイーツはチョコレートケーキ。疲れがたまってきた中盤のケーキはとても嬉しい。

各水深から採水した海水は、植物プランクトン現存量を測定するため、海水を濾過してクロロフィル色素を抽出する標本を作成します。流れるような連携プレーで、協働において自分がどんな役割を果たせばよいかというのを十分理解しているようです。コミュニケーション能力はよく対話能力と理解されることがありますが、こういうのもコミュニケーション能力の1つです。