スローンプログラムで学べること | @Stanford Sloan "Change lives. Change organizations. Change the world."

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2012年7月よりStanford Graduate School of Businessへ留学中です。組織、社会に変化を起こせる人間へ成長すべく奮闘する30代オヤジの1年間を綴りたいと思います。

一年間のプログラムの半分が終わり、だいぶ環境にも慣れて色々分かってきた。

いつも英語が大変な話ばかり書いていてもなんなので、スローンプログラムでどんな勉強しているかを書いてみたいと思う。


プログラム卒業には、全部で56単位が必要で、そのうち33単位はコアと呼ばれる必修科目であり、後は選択科目を自分なりにチョイスすることとなる。

コアでマネージャーに必要な知識を幅広く身につけ、選択科目では自分の好きな分野で専門性を深めるなり、更に広い分野に取り組むなりするイメージである。


一年間で学ぶコアは次の通り。

夏学期
 Strategy Beyond Markets
 Organizational Design
 Statistics/Micro Economics
 Negotiations
 Ethics

秋学期
 Global Strategic Management
 Accounting
 Organizational Behavior
 Generative Leadership

冬学期
 Finance
 Strategic Marketing Management

春学期
 Operations


これで合計33単位。
夏、秋学期はコア中心、これから冬、春学期は選択科目中心となっている。


これらの科目は、今後どのように役立つのだろうか?
日本でも、MBAの意義については色々な意見が有り、私自信も来る前は半信半疑だった。
(スローンプログラムは厳密にはMBAではなく、学位はMSM (Master of Science in Management)であるが、分類で言えばEMBAに近いと思う。)


これまで学んだコアの中いうと、ハードスキル系は分かりやすく役立ちそうな気がする。
Statistics/Micro Economics、Accountingなどがこれにあたる。

これらの科目はいわゆる勉強であり、日米でそんなに違いが有る訳ではない(会計基準は若干違うが)。

スローンプログラムには、いわゆる理系出身の人が結構多く、ビジネスを全く勉強したことの無い人も多いため、コアは本当に基礎から始まる。
但し、その後猛烈な勢いで授業が進み、最終的には、短期間で日本の学部レベルより(多分)高度な内容を学ぶこととなる。

例えば、Accounting(会計学)では、勘定の仕分けからはじめ、財務諸表の作り方、売上げとコストの認識、売掛金、棚卸資産、固定資産、無形固定資産、法人税、株主資本、金融証券などを学んで行く。
特に、棚卸資産のLIFO Reserve/LIFO Liquidity、法人税のDeferred Taxあたりは、理解するのにだいぶ苦労した。

Statistic/Micro Economics(統計/ミクロ経済学)なども、かなり細かいことまで勉強した感じだ。

これらのハードスキルはビジネスの基本となる部分であり、基礎の部分から徹底的に勉強したことは、きっと今後の財産となるだろうと思う。


一方、ソフトスキル系は、正直言って英語力がないとなかなか難しい。また文化の違いなども出てくるので、日本でそのまま使えるかというと、そうではないものも多い。

ただ、今まで学んだ限りで言うと、英語のハンデさえなければ、そこまで難しいことを学んでいる訳ではないと思う。

特にソフトスキル系の内容は、これまで積み重ねてきた経験の中で既に理解しており、言われて見れば当たり前という内容も多いのが事実である。
但し、その無意識に当たり前となっていることを、体系立てて勉強する機会はなかなか無いので、そういう意味では貴重な機会である。