中国のメディア戦略の一例(米債務上限引き上げについて)
こんばんは。
小林鷹之です。
台風26号により、尊い命が奪われ、また、多くの方々が被害を受けました。心よりお悔みそしてお見舞い申し上げます。
私の地元においても、道路冠水、住家の一部破損、床上浸水、車両水没などの被害が生じました。今回の件も踏まえ、災害に強い街づくりを進めていかねばなりません。
そうした中で、昨日、第185回国会が召集されました。12月上旬までの短い会期の中で、30本以上の法案そして多くの条約を審議しなければならないタイトな国会になりそうですので、気を引き締めて臨んでまいります。
先日の党政調会の人事異動にて、新人ではございますが、外交部会の副部会長を拝命いたしました。微力ではありますが、政府・与党一体となったオールジャパンの外交体制の構築に貢献できるように頑張ります。
外交と言えば、先日のブログやビデオレター3号(http://www.youtube.com/watch?v=NMOQREUvbOw)でも、アメリカの連邦債務上限の引き上げ期限が迫っていることに対して、日本政府としても外交ルートで働きかけていくべきとの意見を申し上げました。
その後、先日ワシントンで開催されたG20財務大臣・中銀総裁会合のコミュニケでも、“The U.S. needs to take urgent action to address short‐term fiscal uncertainties.”(アメリカは短期的な財政の不確実性について緊急に対応する必要がある)と各国から名指しで懸念が表明されました。
そして、ここまで来ると、さすがに一部格付け会社が格下げを示唆し始めるなど、マーケットも反応し始めています。
そうした中で、日本と同様、米国債の最大のホルダーである中国は、フィナンシャル・タイムズに清華大学の李教授のコメントを大きく掲載させています。
タイトルは、
“Beijing should cut back its lending to Washington”
(北京はワシントンへの貸し出しを削るべきだ)
要旨は、
・これまで中国が米国債を購入してきたのは、為替介入の結果生じた外貨の運用先として他に選択肢がないと多くの人々が思い込んできたからだ。
・しかし、この思い込みは誤り。例えば、現在保有している米国債を半分売却した上で、その資金を、①中国で活動する多国籍企業の株式、②ドイツやオーストラリアなどAA以上の国債、③公的企業(電力会社など)の株式、といった3つのエリアに分散投資すべき。そうすれば、中国の米国債への依存度は大きく下げられる。
・たとえ、今回デフォルトが回避されたとしても、また、米国債を通じて米中はつながっているが、分散投資すべきとの声に中国政府が抵抗できる保証は無い。
・そして、米国との同盟を享受しながらも既に米国債を手放し始めている日本のように、中国も経済的な利益を追求しなければならなくなるかもしれない。
以上、アメリカに対して意図的に強いプレッシャーをかける内容です。
「世論戦」「心理戦」「法律戦」
中国が掲げる三戦です。
こうしたメディアの「使い方」を見ていると頷けます。
我々も、戦略的な外交を展開していかねばなりません。
米国政府機関の閉鎖
しかし、我々が気にしなければならないのは、10月中旬に迫って
中小企業の底力
今日は、朝、京成津田沼駅で活動をした後、地元千葉市にて世界最先端の技術で勝負している中小企業を視察させていただきました。
解体機メーカーの坂戸工作所です。
水素ガスを使い、水の中で鋼鉄を切断する作業を含め、すべての製造工程を拝見しました。
まず、驚いたのが殆どの作業が手作業ということです。
中小企業がモノづくりで生き残るためには独自性を追求するしかないということで、どの企業よりも硬くてしなやかな部品を作り続けています。
そのために、材料の鉄鉱石へのこだわりもさることながら、鉄の微妙な温度管理や表面に傷を作らないことに徹底的にこだわるため、ロボットだと無理とのことでした。
火花が飛び散る職場での作業は危険も伴うでしょうし、肉体的にも辛いはずですが、職員の方々の真剣な眼差しが印象的でした。
そして、坂戸誠一社長が仰っていたのは、
「大抵の解体機は5年で壊れる。壊れるように作られているんだ。そっちの方が企業も商社も儲かるからね。でも、ウチは壊れない機械を作ることにこだわっている。だから20年経っても十分使える。お金儲けじゃなくて、仕事をするんだ。」
ふと工場の壁を見ると、特別支援学校の名前が記されたボードが並べられていました。毎年、各学校の生徒達が描く絵画などを会社として表彰しているとのことです。
坂戸工作所の工場で働く職人の中には、障害を有する方が数多くいらっしゃいました。最初の5年~10年は工場でもなかなか作業がうまくいかないらしいのですが、じっと見守っていると、皆、立派な職人へと成長していくとのことでした。
日本の中小企業の底力を肌で感じた視察でした。
会社から出ようとした時、門の隣に大きな文字が書かれていました。
「銭を追うな 仕事を追え」