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細胞を活かし続ける技術 ~CASを体感して~


こんばんは。
小林鷹之です。

今朝、事務所から出たら雪がすごい勢いで降っていて驚きました。
車窓から見る雪景色はとても幻想的で、最近せわしなかった心が少し落ち着きました。
しかし、永田町はそんな状況ではないようですね。

前原外務大臣の辞任。
辞任は致し方なかったのでしょう。
ただし、その結果が日米関係に与える悪影響は小さくないと思われます。
ワシントンのジャパン・ハンドから聞いたところ、民主党政権になって崩れかけた日米関係の修復の期待が前原さんにかかっていただけに残念だとのことでした。

私が常々訴えさせていただいているのは、政権交代が生じたからといって、外交の中長期的な戦略の軸をそう簡単にぶらしてはならない、という点です。
いわんや、国内の政局に安易に利用することがあってはなりません。
その禁じ手を使ってしまったのが今の民主党政権なわけですが、その中で数少ないまともな外交姿勢を掲げていたのが前原さんだと私は思っていました。
他に代わりがいるのだろうか・・・心許ないというのが偽らざる今の心境です。


さて、今日は流山市にあるアビーという会社を訪問させていただきました
このアビーという会社の開発したCAS(キャス)という技術がすごいんですね。
CASとは、Cells Alive Systemの略で、細胞を生きたままの状態で長期間保存する技術なんですね。

例えば、今日試食させていただいたのは、島根県隠岐郡海士町で採れた岩がきです。
何と2年前!に採れたものなんです。
採れたての牡蠣をCASの技術を使って冷凍保存。
磯の香がしてメチャクチャうまかったです!

それと、麻生元総理も食べたといわれる2001年に採れたコメ。
当時は8年物のコメですが、それから2年が経っていますから10年物のコメを食しました。
これも美味しかった。

この日本という国は、ちっぽけな島だけど、こんなにすごい技術があるんだと誇りに思いました。
アビーの社長の大和田さんは、とても発想がユニークで広大。
紙幅の関係上、詳細は記しませんが、これからの日本の農業、そして千葉県の農業の鍵は輸出にあると主張されてました。
味が旨いというのは当然の前提として、日本の農作物には安心・安全という価値がある。
世界的に見て人口増加と裏腹に耕地面積が減少する中で、いずれ食料と水を奪い合う戦いが起こる。
それを見据えて、農業を輸出産業と捉えて産業興しの活路を見出していく。
CASの技術を利用すれば、日本の農産物が持つ強みを失うことなく海外へ輸送できるわけですからその可能性が更に大きく広がります。

そんな日本の農産物のブランディングが確立されれば、農業でしっかりと生計を立てていくことができ、地方に雇用も生まれる。
そんな環境を整備していくことも政治に課されている大きな役割の一つだと感じました。



鷹之ブログ

2年前に採れた岩がきを生で試食。うまい!

G20(その4)

おはようございます。
小林鷹之です。


ニュージーランドで大地震が起きました。
亡くなられた方々に心からご冥福をお祈り申し上げます。
行方不明になられている多くの方々が少しでも早く救出されることもお祈り申し上げます。

今回の大地震といい、新燃岳の噴火といい、自然の脅威の大きさを感じます。
最近の自然現象に共通することは、予告なしに突然やってくるということ。
特に、人と建物が集まる首都圏において、自然災害が生じた時に被害と混乱を最小限に食い止められるような制度設計がなされているのか、今一度検討しておく必要があると思います。


さて、昨日の続きです。


当初、一回限りと思われたG20首脳会合。
ワシントンで第一回会合が開催された後も、結局は、ロンドン、ピッツバーグ、トロント、ソウルと続いています。
今年もフランスで開催される予定となっています。


こういう会議の器(うつわ)は、一度作ってしまうと、壊すのはなかなか難しいんですね。
特に、これまでメインの国際会合であったG8(財務大臣会合の場合はG7)に入れなかった国々は、G20という器をメインの会合にしたいと考えます。
国威発揚ではないですけれど、国のステータス・影響力が上がるんですから当然ですね。


しかし、アジアで唯一のG8国であった日本からすれば、その逆です。
中国、韓国、インドネシアなども含まれるG20がG8にとって代わるというのは嬉しいことではありません。
メインのフォーラムはG8(G7)としておきたかったんですね。


でもそうはなりませんでした。
G20に含まれている新興市場国の強い意向もありますが、それに加えて、フランスのサルコジ大統領や世界銀行のゼーリック総裁らが、「G拡大論」を声高に主張し始めたわけです。
もはや先進国だけでは、グローバルな課題を解決できなくなっているという理屈です。
そして、決定的だったのは、新たに誕生したオバマ大統領がその路線に乗っかったということなんですね。


「G2」

アメリカと中国を指す言葉がありますね。
アメリカとしては、将来自国に匹敵する可能性を持った中国に、権利を主張させるだけではなくて、義務も負わせたい。
そのためには、中国を国際社会にどんどんエンゲージ(≒関与)させていく必要がある。
オバマ大統領はそう考えたんですね。


この結果、G8首脳会合の存在感は薄れ、G7財務大臣会合にいたってはインフォーマルなものになってしまいました。
デメリットは日本のステータスや影響力が落ちたことだけではありません。
スピーディーにその時々の国際的な課題を解決するためのフォーラムが影響力を失った。


G20がそのようなフォーラムとしての役割を務めることができないのは、既に申し上げました(今年のG20首脳会合も、来年大統領選挙を控えたサルコジ大統領の政治的得点を稼ぐためのパフォーマンスはあるかもしれませんが、実質的に何か大きなことが決まるとは思えません)。

であるとすると、考えられるのは、
G20の中で、影響力のある国を更に絞って、フォーマルであれ、インフォーマルであれ、新たなフォーラムをつくること。
例えば、
「米、EU、日、中のG4」
といったようなフォーラム。


今の中国の勢いを考えれば、中国が参加しないことは考えられない。
中国を排除したフォーラムは、それだけで意義を失うほど、今の勢いはすごい。


だから、今日本が気をつけなければならないことは、新たに設けられるかもしれないフォーラムから抜け落ちないように立ち振る舞うこと。
日本が中国に取って代られるのが最悪のシナリオです。


国内の政局でガタガタしている場合ではないんです。

(終わり)

G20(その3)

こんにちは。
小林鷹之です。
今日は2月22日ですね。
アヒル(2)が3つ並んでます。
毎晩風呂で3羽のアヒルさんと戯れている娘を思い出しました。
どうでもいいですね(笑)。
今日も頑張っていきましょう!

さて、昨日までの続きです。

今回のG20でも、世界的不均衡の是正を含め、コミュニケ(共同声明)は中途半端な内容となりました。
これはG20という会合の性格上、仕方ないんですね。

そもそも、この会合は、アジア通貨危機の教訓を踏まえ、先進国と新興市場国とが意思疎通を図り、協働する場として設けられました。
しかし、そこには限界があったんですね。

数の限界です。

当然ですが、参加国(地域)数が多くなればなるほど、意見の集約・合意への到達が難しくなるわけです。
比較的共通点の多い先進国だけが集まったG7でも共同声明の作成はとても難しいのですが、ましてや、経済の発展度合が異なる新興市場国が加わるのですから、その難しさたるや筆舌に尽くし難いんですね。

私も実際にG20を担当していた時期がありました。
会合に出ると、とにかく意見が出るわ出るわ。
それまでG7に入れなかった新興市場国は、鬱憤を晴らすかのような勢いで思いの丈を口にします。
したがって、議論をまとめて、何か実質的なことを決めようとする雰囲気にはならないんですね。

誤解を恐れずに言えば、先進国から見れば、新興市場国のための「ガス抜き」の会合だったんです。


それが、サブプライム問題に端を発した金融危機とオバマ大統領の誕生により、状況が変わってきたんですね。

まず、リーマンショックの影響が大きかった。
私もこの危機の震源地におりましたが、毎朝、株式市場が開いた直後の株価の動きを見るのが怖くて仕方ありませんでした。
CDS(クレジットデフォルトスワップ)や証券化という言葉が一時期流行りましたね。
簡単に言えば、全世界にリスクが分散された結果、誰が抱えているリスクが顕在化するか、誰もが把握できず、誰もが不安に感じた。
そのため、全世界のマーケットが崩壊しかけ、先進国のみならず、全世界的に対応しなければならない必要があった。
それも、緊急性が高かったので、財務大臣よりも高いレベル、首脳レベルで即座に行動する必要があった。

それで、それまで財務大臣(・中央銀行総裁)レベルの形骸化したG20が首脳レベルに引き上げられたわけです。
そして、当初は、この会合は未曽有の金融危機に対応する一時的なものと考えられていたんですね。

でもそうはなりませんでした。

(続きは次回へ)