7.第3章 遡上(そじょう)2 | 開運とファンタジーの扉

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ファンタジー編 



惑星神話シバルバ
第7部 ウタ族の大河
第3章 遡上(そじょう)2

 

 

 

 

バシャッ バシャッ バシャッ

 

シュバランケを先頭に

ゴ族の兵士達は

その北の大河に馬を引き入れて進んだ。

 

バシャ バシャ バシャ

バシャ バシャ バシャ

 

北からの川の流れに

逆らいながら、浅瀬を進む。

 

川の流れる音と

ゴ族の馬達が遡上する

水音だけが鳴り響いた。

 

ザー ザー ザー

バシャ バシャ バシャ

 

先頭を行くシュバランケの面が

右へ左へと動いた。

 

 

手に持った長槍を大河の中に刺した。

「テヤッ!」

 

バシャャッツ!

ギエーーッ ギエーーッ ギエエーーッ

 

シュバランケが川から長槍を持ち上げると

その先端には

長槍によって貫かれたウタ族がいた。

 

 

カエルの様な大きな目玉に

頭上には一本の特徴的な角が生えている。

 

小さな子供の様な体格で

背中には甲羅があった。

 

白い体色をしていて裸だが

腰の回りだけ

稲わらを編んだ蓑(みの)を付けて

陰部を隠していた。

 

見ようによっては小柄でかわいいウタ族。

 

 

そのウタ族の1匹が

シュバランケの長槍に貫かれて殺された。

 

シュバランケが大声で

指示を出す。

 

「まだまだ水の中にいるぞっ」

 

「弓の準備をしろ

ウタ族の村に入ったぞっ!」

 

「水面から顔を出した瞬間を射ぬくのだっ!」

 

 

ゴ族の兵士達が馬上から弓を構え

水面から出て来たウタ族達を射ぬいて行った。

ピュン ピュン ピュン ピュン

 

グエッ ギャッ ガハッ

 

あっと言う間にウタ族の一団は

ゴ族の大量の矢の餌食となり

殺され、川下へと流れて行った。

 

シュバランケが叫んだ。

 

「矢を無駄にするなっ!」

 

「一矢一殺を心掛けろ!」

 

「弓矢よりも

なるべく長槍を使うのだ!」

 

「岩陰に潜んでいる所を

長槍で突き殺せっ!」

 

「おおおーーーーっ」

 

大河の浅瀬を進むゴ族の騎馬軍団の

統制は取れていた。

 

 

長槍が水中のウタ族を刺し殺し

顔を出したウタ族は弓矢によって射殺された。

 

大河の中心を遡上するシュバランケ達。

 

ふと目の前にウタ族の集団が

顔を出しているのが見えた。

 

カコウが叫ぶ。

 

「いたぞっ! ウタ族の一団だっ!」

 

 

その声に反応してか?

一瞬にしてその集団は水の中に潜って

北へと逃げた。

 

 

「逃げたぞっ!」

「ウタ族の集団が逃げたっ!」

「我々の進軍を、村に知らせに行ったのだなっ」

「追えっ! 追えっ! 追えっ!」

 

カコウは自分の馬の尻に、鞭を入れた。

 

ピシーーッ バルルルッ

 

 

大河の中、カコウの馬がいなないた。

 

 

 

 

 

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