安楽椅子探偵ミステリー。

名探偵は、ミステリー好きな、もと校長先生。しかも、現在はレビー小体型認知症で、時々記憶をなくしたりするが、元気なときは、鮮やかに事件の話を聞いただけで、鮮やかに真相を見破る名探偵になる。彼には孫娘がいる。母親である娘は孫が腹にいるときに、ストーカーにより刺されて死亡。のちに、孫娘までストーカーして脅してきて、結局は警察に逮捕されたものの、後半では無罪放免となり、再び孫娘を襲うが、彼女を好きな男性が身代わりに刺されて、ストーカーを逮捕させた。

ミステリー好きとあって、名探偵は推理の過程で、孫娘とさまざまなミステリー作品をあげて話すので、ミステリー好きにはたまらないかもしれない。昔の私だったらそうだったが、今の私はあまり好きではないかな。そんな点で、途中で読むのが嫌になったりもした。事件も、サンタクロースとか、劇団員の自殺とファンの後追い自殺とか、なんか現実離れの気がして、つまらなく思えたが。なんとか最後まで読めた。ラスト近くのストーカー犯の事件の展開が気になったからかな。

両親の離婚で、母の故郷にきた中学生の洋。クラスになじめず、一人でいることが多い洋は、近所の用水路で、捨てられた熱帯魚を見つける。父親が熱帯魚好きだったことで、多少知っていた洋は、それを救い出し、自宅に持ち帰る。しかし、翌日死んでしまい、その回りにもやのようなものがただようのをみつけ、折しも夏休みだったので、自由研究として、その観察を始める。その正体は何らかの微生物らしい。その後、その水に触れたものを健忘症に似た症状にする毒素を持つことを知る。

自分や母親にとって厄介なものに飲ませて、おとなしくさせた洋は、クラスメイトの女子に使わせて、ライバルを追い落とす手助けをしてしまう。そのライバルがやくざの娘だったことから、やくざに脅され、すべてを知られ、微生物がいる水も奪われてしまう。

やくざはそれを培養して、奇跡の水としてネットで販売する。

洋の近所の犬が突然痴ほう症になったことが気になった、掛かり付けの獣医は、微生物の研究者に相談して、原因を調べていく。その研究者が参加するネットゲームの仲間の一人が、近頃ネットで評判の奇跡の水の効能がにていると言い出す。実は彼は警視庁のサイバー犯罪の捜査官だった。

そして、彼らの捜査線上に洋がうかび、洋はすべてを話す。それにより、やくざも逮捕されたものの、肝心の水は廃棄されたあとで、容疑の証拠はない。しかも、洋までが痴ほう症になりかけ、…。

なんともしまらないラストで、救いがない点で、楽しくはないな。

しかし、タイトルはどういう意味なのかな?優しい?誰にとって優しいんだろう?

やはり佐伯さんの時代小説はいいね。

全三冊を一気に読んでしまった。

美濃国苗木藩を妻と二人逃げ出して浪人となった小此木善次郎は、二年かけて江戸についた。妻が出産したためにそれだけかかった。一切に満たぬ息子と三人、なぜか神田明神下にたどり着き、宿を探しているときに出会ったのが、一口長屋の差配義助。小此木の人柄を認めた義助は空いたばかりの長屋のひとつを小此木一家に提供。神田川を見下ろす高台の途中にある長屋は、普通の長屋にはない絶景が見られ、広い敷地に長屋が一棟だけと、住みやすい長屋だった。

剣の腕だけは人並み優れていた小此木は、やがて、大家である米問屋越後屋が裏の稼業にしてる金貸しの取り立ての用心棒を頼まれる。表の稼業の得意先に頼まれて始めた金貸し。相手は旗本や大名。文政期のその頃には大商人が江戸を牛じて、おいそれと返金がされないし、武士であることから逆に脅してきて、返済をしないものがほとんど。そんな相手に立ち向かう小此木。

やがて、彼は神田明神社や、中村座の用心棒まで勤めるようになり、暮らしも楽になる。

近所にある旗本の子弟が通う神道流、青柳道場で客分師範を勤めることにもなる。

一口長屋は昔から陰では噂になっていた。なぜこんなに恵まれた立地の地に、普通ではあり得ない長屋がたてられたのか?お宝が埋まっているとか?

大家も気になっていて、小此木にその謎解きを依頼していたが。

全三冊で完結といいながら、最後までなぞは残ったまま。なんか気になるんだが。