やはり佐伯さんの時代小説はいいね。
全三冊を一気に読んでしまった。
美濃国苗木藩を妻と二人逃げ出して浪人となった小此木善次郎は、二年かけて江戸についた。妻が出産したためにそれだけかかった。一切に満たぬ息子と三人、なぜか神田明神下にたどり着き、宿を探しているときに出会ったのが、一口長屋の差配義助。小此木の人柄を認めた義助は空いたばかりの長屋のひとつを小此木一家に提供。神田川を見下ろす高台の途中にある長屋は、普通の長屋にはない絶景が見られ、広い敷地に長屋が一棟だけと、住みやすい長屋だった。
剣の腕だけは人並み優れていた小此木は、やがて、大家である米問屋越後屋が裏の稼業にしてる金貸しの取り立ての用心棒を頼まれる。表の稼業の得意先に頼まれて始めた金貸し。相手は旗本や大名。文政期のその頃には大商人が江戸を牛じて、おいそれと返金がされないし、武士であることから逆に脅してきて、返済をしないものがほとんど。そんな相手に立ち向かう小此木。
やがて、彼は神田明神社や、中村座の用心棒まで勤めるようになり、暮らしも楽になる。
近所にある旗本の子弟が通う神道流、青柳道場で客分師範を勤めることにもなる。
一口長屋は昔から陰では噂になっていた。なぜこんなに恵まれた立地の地に、普通ではあり得ない長屋がたてられたのか?お宝が埋まっているとか?
大家も気になっていて、小此木にその謎解きを依頼していたが。
全三冊で完結といいながら、最後までなぞは残ったまま。なんか気になるんだが。