おなじみのヒポクラテスシリーズの第四作。埼玉県、浦和医大法医学教室の教授、光崎の見事な原因究明を描くシリーズ。

テレビ出演で、まずい発言をして世間のひんしゅくを買った光崎。さらになぞの男から脅迫めいた挑戦状が届く。絶対に、自然死にしか見えない形で、一人だけ殺すと。

予算の関係で、異常死をすべて解剖するわけにもいかないところへ、自然死に見せかけての殺人予告。県警は頭を抱えることに。

でも無視するわけにもいかず、一見自然死や事故死にみえる案件に首を突っ込んでいく捜査一課刑事の古手川。それに引きずられる法医学教室の助教、栂野真琴。

そんな二人が連れてきた死体を、冷静に解剖し、真の死因を解き明かす光崎。

こうして、自宅で自然死したと思われた老人、工場内で突然死したベトナム人技能実習生、オートバイの自尊事故死した青年、日射病で亡くなったと思われたフィリピン人女性の、真の死因が突き止められて、犯罪だったとわかる。

最後は光崎が勤める病院の医師の赤ん坊が死んだ案件。解剖を拒む父親の医師と、光崎のかつての恩師の娘である母親。

予告してきた男は、過去の光崎と何か因縁があるのではないか?栂野は、かつての恩師を訪ねて、光崎の過去の失敗談を聞いてくる。それが最後の犯人と結び付く。

なかなかよかった。

九州から四国を経て、紀伊半島南海にある台風は、なぜか、その後北上すると予想されていて、岐阜県をかすめて日本海に行くのか、まともに来るのか?ともかく、岐阜に近づいた頃には熱帯低気圧になり、暴風の心配はなさそうだが、所々で暴雨になるらしい?


土日の休み、暴風がないだけありがたい。

自宅にこもり、読書三昧かな。ただ、市立で借りた単行本で、休み明けに返すものを先に読みかけたが、三冊は挫折した。ホラーっぽいのが二冊と、社会は推理めいたもの一冊はまともに読めなくなり、あきらめた。無理に読むこともないだろう。

代わりに、来週末が期限の県立の図書館本のうち、小説である三冊を読むことにした。小説でない二冊は読まずに返すことになりそうだ。

西武新宿駅に裏通りにある酒場、いっぱい、には、近所に住む人々が安らぎを求めて客が訪れる。千円札一枚で、ビールか焼酎、串揚げ四本か味噌おでんという安いが、うまくて腹ごなしになる料理が食べられる。串揚げも東京では珍しく、辛味がある味噌カツで、はじめてだと躊躇するが、食べたら病み付きになる。

店主は室井諒三郎という、一見こわもての大柄な男。その前身を誰も知らず、常連でさえ聞かされていない。

第一話は独り暮らしの四十代の化粧品店主理代子。夫をなくし、息子は都会を嫌い、長野の大学へ。孤独で、諒三郎に引かれ、常連に。ふるさとの幼馴染みと出会い、一夜を共にしたことで、ストーカーされ、結婚を迫られる。諒三郎が見事にストーカー男を睨み付け、さらに故郷の家庭料理を食べさせることで解決する。


第二話は、年下の男とつきあい、一緒に酒場を開くのを楽しみにしていた三十代の里美。八王子で買った店の改装が完成するのを待っていたら、実は男に騙されていた。彼氏を諒三郎の店でとっちめたが、諒三郎のとりなしで、やり直すことに。


第三話は、独り暮らしの老人が公園で見かける女子高生に恋をする。やくざに狙われた彼女を守ろうとする老人と常連仲間。そんな彼女を助けたのは諒三郎。その時、やくざの兄貴分が、諒三郎に見覚えがあるという。彼の過去に何があったかは、最終話で明らかになる。


そんな人情話か八話。なかなかよかった。池永さんは昔、「珈琲屋の人々」シリーズを読んで以来だが、悪くはないが、前ほど感動しないかな?