児童文学というか、主人公たちは中学生。舞台はアメリカ、オハイオのとある町、クリフ・ドネリー。住民が二万人あまりの小さな町。

町には伝承があるが、その一つに人の願いを叶える井戸、トンプキンス井戸。

偶然、その井戸の底に至る洞穴を見つけたアーネストとライアン。さらに、リジーも加わった三人は、井戸の上に訪れた人物たちがささやかな願いをしていくのを漏れ聞いてしまう。

アーネストはなき祖父から、屋根裏にあるものを整理してほしいと頼まれていた。そして見つけた何でもないものを持ち出したものの、なくしてしまう。しかし、それを手に入れたことがきっかけで、願いが叶ったことを知った少年たち。奇跡かどうかはわからないが、そうした小さな願いが叶うだけでも、周囲が、町が変わることを知る。

いじめっ子だと思われていたトミーは、引っ越してきたインド系のウィンストンと親友になり、アーネストやらいあんはなき祖父の親友だった ヘメルレおばあさんと仲良くなり、それがきっかけで昔消えた貴重な宝石を発見することになる。

心暖まるいい話だった。脚本の評価をしていただけあり、様々な伏線がちりばめられ、最後にはそれらが回収されて、ハッピーエンドに終わる。

全著連、全日本音楽著作権連盟に勤務する橘樹は、上司に潜入スパイを命じられる。楽器メイカーのミカサが運営する音楽教室。そこで使用される楽曲にも使用料をとろうと考えた全著連は、音楽教室に生徒として、社員を送りこみ、利用の実態を把握し、利用曲のリストを揃えて、潜入社員を裁判での証人にすることを画策した。

最近橘は不眠症で診療所に通っていた。悪夢をよく見る。深海のような暗闇に引き込まれる悪夢。彼は五歳から十三歳までチェロを習っていた。長いこと離れていたが、それを知った上司は橘をチェロ教室に入学させる。週一で教室にかよい、二年間潜入予定。

講師の浅葉の指導で、忘れていたチェロの魅力を思いだし、夢中になる。浅葉の他の生徒たちともしりあい、仲良くなる。

二年が過ぎ、裁判が近くなり、やめることをどう切り出すか悩んでいる橘に、思いもよらぬ知らせが。彼の上司とは別の派閥でも、同じスパイを放っていて、フルート教室に通っていた女性が、裁判の証人になると。お陰で、正体を現さずに済んだ橘だが、彼の言動に不振を覚えた浅葉とのいい争いで、橘は正体をあかし、教室をやめる。

職場でも上司と言い争い、閑職へ。チェロをならいはじめて収まった不眠症にむたなやむ橘。

自分から勝手に切った教室仲間との連絡。その一人と、あるチェリストのコンサートで出会い、仲間たちのコンサートに誘われる。そこで浅葉とも再会した橘は、再び教室に通うことに。けじめとして、全著連を退職。


意外と楽しめた。

都内、国分寺で初老の男がなくなった。先日の選挙で市会議員になったばかりの増岡。もとは平凡な教師だったが、担ぎ上げられての選挙。

医者の診断は心不全で、疑わしい状況もなく、ふつうなら警察も呼ばれないが。

新設された国分寺署の刑事卯月枝衣子は、上司に血液検査を提案する。29歳で警部補の彼女は、こんな殺人もないような田舎で朽ち果てたくない、警視庁か、都会の警察署への異動を願っていた。

なんとか殺人事件にできないか?

そんな気持ちで始まった卯月の捜査だったが、これが瓢箪から駒の意外な展開が始まる。

今はおとなしそうな奥さんだが、中学時代は評判の美少女で、ファンクラブまであった。それが台風のなか両親と車で出掛け崖から転落して、両親は死亡し、彼女は片足を膝から先を失った。一転する人生。それが今は母校の教師だった増岡と結婚。かなり政略的なものらしい。そんな彼女を今も見守る、かつてのファンが今も身近にいた。

卯月の努力により、増岡の本格的な捜査が始まろうとしたときに、娘が車で練炭自殺。不審な点はないが、なぜか納得できない。しかも妊娠していたらしい。選挙では積極的に関わり、父のあとを継ぐつもりだった勝ち気な娘。

増岡の部屋に古い盗聴機が見つかったことから、意外な男が見つかる。彼も増岡夫人のファンだった。彼こそが二人の殺人犯だった。