朝は冷えて寒かったが、日中はポカポカ陽気。最低と最高の差は10度。服装に困るなあ。


仕事帰り、市立図書館分館へ。

四冊返却し、新たにまた四冊借りる。

今日借りた本


アンソロジー「警官の道」

角川書店、2021


佐々木譲

「真夏の雷菅  道警・大通警察署」

角川春樹事務所、2017


翔田寛

「探偵工女  富岡製糸場の密室」

講談社、2014


「築地ファントムホテル」

講談社、2012



なかなか面白かった。

川崎の廃ビルで見つかった中年男性の死体。警察は事故として、身元もわからないまま処理しようとしたが、ひとり、刑事の滝沢は、殺人の疑いを捨てられなかった。遺体を引き取りに来た葬儀社の若社長御木本は、遺体が父親だと言い出す。葬儀屋として誰からも信頼され、愛された先代社長。還暦時に一度だけ葬儀で、故人の名前をいい間違えたことを苦にして引退していた。こんな自分には、葬儀など必要ないと言っていて、周囲も認めていたのだが。

なぜか?若社長は大々的に葬儀を執り行うといい、周囲の反対もものとせず、執り行うことに。

若社長が遺体を見たときにもらした、殺したか、という言葉。若社長の兄で滝沢の高校時代の同級生が感じた似てはいるが父親ではないという思い。遺体のつけていた腕時計の止まった時間と死亡時間の微妙な違い。それらから疑問を抱いた滝沢は、火葬される前に、なんとか殺人の可能性を見いだすべく、懸命に捜査するも、確かな証拠を得られないまま、葬儀の日を迎える。

司会を買ってでた若社長は参列者に呼び掛けて、なんと変装して隠れていた故人を引きずり出す。

何をしようとしているのか?

世間の人をバカにする発言をして、一線から身を引かされていた名刑事だった、滝沢の父親。そんな父親に反発していた滝沢だが、若社長がしようとしていることに気づいたとき、若社長の代わりに、先代社長のしでかした犯罪を告発すべく進み出る。

立場は違えど、刑事と葬儀屋二組の親子が真に互いを認めることができるようになる。

静岡県浜松中央署管内で誘拐事件が発生。銀行支店長の村木の娘で、少額四年生の千夏が、塾帰りに誘拐され、自宅に身代金要求の電話がある。県警捜査一課特殊班が対策を始める。

要求は一億円、一万円札の束を赤い毛布で包み、荒縄で縛ったものを、村木の妻に運ばせると言う。県警を挙げて、監視の網をかぶせる。犯人は村木の妻に次々とタクシーにのせていく。半月前に夫名で予約が入っていて、待ち合わせ場所の駅前で、妻に声をかけ、次の場所へ送る。受け渡し時間が過ぎてもなんの接触もないと思っていたら、妻の近くにいた別のタクシーが爆破し炎上。火を消し止めたら、トランクないから少女の遺体が見つかる。誘拐直後に殺されていたし、運転手も爆死していた。残虐な殺人者は一億円も手に入れていた。妻が抱えていた荷物の中身がいつの間にかすり替えられていた。

県警の刑事日下らは、そのあとに本格的な捜査に入る。身代金すり替えの謎などとともに、容疑者の捜査。残虐な手口から、村木支店長が過去に行った融資の貸し剥がしによる恨みが一番あやしい。

関係者の過去に遡る聞き込みにより、容疑者が浮かび、容疑者たちの関係もあきらかになっていくが、それにより、十数年前の不幸な事故と、それを引き起こした関係者が明らかになる。

悲しい結末だが、事件は解決する。