静岡県浜松中央署管内で誘拐事件が発生。銀行支店長の村木の娘で、少額四年生の千夏が、塾帰りに誘拐され、自宅に身代金要求の電話がある。県警捜査一課特殊班が対策を始める。

要求は一億円、一万円札の束を赤い毛布で包み、荒縄で縛ったものを、村木の妻に運ばせると言う。県警を挙げて、監視の網をかぶせる。犯人は村木の妻に次々とタクシーにのせていく。半月前に夫名で予約が入っていて、待ち合わせ場所の駅前で、妻に声をかけ、次の場所へ送る。受け渡し時間が過ぎてもなんの接触もないと思っていたら、妻の近くにいた別のタクシーが爆破し炎上。火を消し止めたら、トランクないから少女の遺体が見つかる。誘拐直後に殺されていたし、運転手も爆死していた。残虐な殺人者は一億円も手に入れていた。妻が抱えていた荷物の中身がいつの間にかすり替えられていた。

県警の刑事日下らは、そのあとに本格的な捜査に入る。身代金すり替えの謎などとともに、容疑者の捜査。残虐な手口から、村木支店長が過去に行った融資の貸し剥がしによる恨みが一番あやしい。

関係者の過去に遡る聞き込みにより、容疑者が浮かび、容疑者たちの関係もあきらかになっていくが、それにより、十数年前の不幸な事故と、それを引き起こした関係者が明らかになる。

悲しい結末だが、事件は解決する。