まあ、本格ミステリーのたぐいなんだろうが、やはり面白くはなかった。

定職にもつかず、日々をだらだらと過ごす十九才のフリーターの主人公は、同じような年上のいとこに誘われて、知性の窓という怪しげな能力研究団体に、超能力者として潜入。団体のシンボルが主人公の幼馴染みだった。山奥にある研究所には、超能力者をじしょうするものや研究者など十人ほどが共同生活をしている。

その主宰者が自室で、首をチェーンソーで切断されて死んでいるのが見つかる。部屋にはいるキーは娘の未来しか持ってない。警察に知らせれば、主宰者とシンボルを失い、団体がたちいかなくなる。生け贄の容疑者にされかけた主人公は、自らで真犯人を突き止めると宣言したものの、素人探偵では、話を聞いて回るしかできない。しかし、最後にはとっぴな推理を述べて、すでに死んでいた少年が犯人だと指摘する。誰も納得はしないものの、結局は研究所存続のために、すべてを隠蔽することに。

その後社会に戻ったいとこが、自首を勧めてきたために殺害、さらには主人公までが殺されて終わり。

なんかなあ、楽しくはないな。面白くもない。

磯貝探偵事務所シリーズ。

もと警官で探偵業を営む磯貝のもとに、旧知の小樽の料理旅館の女将の青河文から、依頼が来る。彼女の幼馴染みで、今は人気女優の西條真奈の姉の失踪を調べてほしいと。

商社勤務から北海道知事の特別秘書になっていた姉、紗理奈。数ヵ月前に、辞職を申し出てやめ、住んでいた部屋も引き払い、以後連絡がとれなくなっていた。

調査を引き受けたものの、はじめはまるで手がかりがなく、五里霧中。真奈は二歳の時に母親に死に別れたと聞かされていたが、実は違っていた。三十年前に、ファッション店の店長だった母親は、仲間とフランスから帰国した羽田空港で失踪していた。しかも、その後に薬物の運び屋の疑いで、警察か来ていた。結局失踪したまま。

その母親が使っていたスーツケースのことを紗理奈が友人に聞いて調べていたことがわかる。似たスーツケースを見たことがあるらしい。それがどうやら雇い主の知事らしい。薬物を運んでいたのは昔の知事か?真奈の母親は同じスーツケースを持っていたために、間違えられてさらわれ、始末されたのか?

とんでもない事件が浮かび上がるも、いまさら証拠もなく、迷う磯貝だったが。

頭がいいと言われていた姉だし、もしかして失踪ではなく、自ら身を隠した可能性もあると考えた磯貝は、ついに姉を見つけ出す。

公には知事の悪事は暴けないが、次の知事選では現在の知事を引きずり下ろして、自らが立候補すると宣言する姉。

まあ、あり得ない話だが、なかなか面白かった。

間借り鮨まさよ、シリーズ第二作。

やっさんシリーズのやっさんのようなまさよ。自分の店を持たず、他人の店の昼時だけを間借りして、握り寿司を開くまさよ。

今回最初の話は、ベトナム人の母親と二人暮らしする小学五年生の舞依。本国に帰った母親が予定通りに戻らない上に連絡とれず困っていた。偶然入った子供食堂で間借り鮨を開いていたまさよと知り合う。心配したまさよがあれこれと面倒を見る人情話。

第二作は、今は落ち目のロックスターの最後のツアーに同行して、鮨を握るまさよ。ひとりよがりなスターを襲う困難に首を突っ込み、彼の再生の手助けをするまさよの活躍。

第三作は、まさよが修業時代の先輩が故郷の山梨で開いた鮨店。息子夫婦があとを継いだものの、脳梗塞で倒れ、間違った方向に進もうとしてもそれを止められず、まさよに頼ってきた。みかねたまさよは、二階に間借りしなから、寿司屋の本分に目覚めさせるために、若夫婦を再教育して手助けする話。

まるでやっさんと同じだが、それでも楽しめた。