動物警察、通称TAPは、動物愛護のために、東京都に実験的に設置され、東京都福祉保健局の管轄下に置かれた。動物愛護センターにはない、警察の全面協力が得られ、捜査権と逮捕権が与えられた。虐待されていた動物を保護し、虐待者を調べ、逮捕することもできる。ただし、容疑者が逮捕に抵抗した場合、強制連行権がないため、警察に協力を求める。

逮捕した容疑者を説得して、改心させられたら解放する。できないときは警察に引き渡して任せる。

そんなTAPに勤務するりりは、もと動物医療の専門学校にかよい、動物病院で看護師をしていた。そんなりりは、後輩の涼太とともに、事件に立ち向かう。その事件簿。近くの交番に新任した警察官の天野も協力する。

最初の事件は憂さ晴らしに、近所の公園でペットの犬にペンキを吹き掛けていた中年の主婦がターゲット。

第二の事件は、犬好きの有名俳優への虐待疑惑。太らせないために、食事を制限していた彼を、虐待容疑で逮捕し、犬を保護する。

第三の事件は、犬を誘拐し、身代金をTAPに求めてきた動物虐待団体と名乗る犯人。上司には報告せず、身代金をりりたち三人でかき集めたものの失敗。犯人の意図を疑ったりりが意外な犯人を見つける。なんと前回の俳優のファンによる異種返しだった。

第四の事件は、妻の死後、ペットに救われた老人が多頭飼育を始めたが、その後放置して虐待した事件。息子の訴えで捜査したりりたち。

最後の事件は、ペットショップの店主による虐待事件。通報がいくつかあったが、彼の父親が、TAPの上部団体の役員と言うことで、捜査からはずすことを求めるりりの上司。しかし、動物愛がはんぱないりりは、退職覚悟で突っ走り、虐待されていた動物を保護し、店主を逮捕。さいわい、父親は動物愛があり、りりたちはほめられた。

警視庁捜査一課の女性刑事、花房京子シリーズ最新作。

今回、京子が相手にするのは鉄の女と呼ばれる犯罪評論家で、テレビの報道番組のコメンター、角松麻由子。辛口の歯を着せぬ発言で有名な女性。

今は使われていない自動車修理工場で爆破事件が起こり、死亡者がひとり、巻き添えのホームレスが怪我をする。

現場に残されたパソコンに、声明文があり、テロリストが爆弾製造中の事故かと思われ、テロリストの捜査に公安部主導で始まる。

しかし、京子は現場の遺留品から疑問を抱き、一人別行動をとる。被害者はダンス留学で渡米したが、覚醒剤の販売に関わったことから逮捕され、カリフォルニアの刑務所に十年あまり服役し、帰国したばかりの男、田中精一。

その男が電話した相手が角松。京子は何を感じたのか?最初から彼女に的を絞り、捜査を進めるが、なんの証拠もなく、二人の関係もつかめない。

そんなときネット報道で、角松と田中の関係をすっぱぬくニュースが流れるも、角松はそれに反論して、事態を逆転させる。

世間で噂が静まるも、京子は角松を追う。そして、彼女が秘密にしたかったこと、その証拠となる物をついに探しだし、角松を自供に追い込み、事件を解決する。

なかなか痛快でよかった。

北海道警札幌大通署シリーズ。

最初は単なる交通事故と思われたトラックにひかれた男。詳しく状況を調べると、被害者は止まっていた車の後部座席から降りて、ふらついて車道に出たために事故に遭った。拉致されて、解放されたかにも見える。機動捜査帯の津久井は、調べ始める。

盗犯係の佐伯は、弁護士の事務所嵐の通報を受け、捜査を始める。交通事故でなくなった被害者が相談のために訪れる予定だったとわかるが、捜査本部には入れてもらえない佐伯は、独自に捜査を進める。なんの相談をしようとしていたのか?

少年係の小島百合は、旭川の先の町から、父親に会いに来た九歳の女児を保護する。父親から話を聞いたとき、何かをいいよどんだことが気になって、あとで問いただすと、前に勤めた地元のブラック企業で見聞きしたことを気にしていた。

三人の別々の捜査が交わり、犯人グループが浮かび上がったとき、事件の意外な背景が明らかになる。

山林の盗伐と被害者への脅しと殺人を行ったブラック企業と、その手先となった半グレたち。

認知症気味の父親を妹から引き取り、同居したものの、将来に不安を抱える佐伯。その結果がどうなるかは、最新作をすでに読んでいるので、わかっているが。それに佐伯たちの馴染みのジャズバーのマスターはすでに75歳。店を続けるのに不安を抱えている。だから、ああなったのか、とこちらもよくわかる。

シリーズは10冊あまりだが、まだ半分も読んでいない。次は、初めの二冊を読もうかと思う。北海道警察なんて、なんか別世界のような気がして、読んでいなかったが、違っていた。王道の警察小説だ。ただ最初に北海道警察の不祥事に関わるエピソードが書かれたから、取っつきにくい気がして読んでなかったが、登場人物を知り、親近感を抱くと、全部読んでみたくなる。