どんな紙でもその材質や使用場所、製造メーカーなどを鑑定する個人の事務所を開設している、主人公の渡部。紙探偵を神探偵と勘違いした若い女性の浮気調査を依頼されるところから始まる。

ひまな彼は一応調べてみよう思う。手がかりは、彼氏が作っていたプラモデルの写真だけ。プラモデルのことを詳しく知りたいと、知人を介してたどり着いたのが、伝説のプラモデル造形家、土生井。彼の観察から、いろんな情報を得て、SNS等を駆使して、ついに渡部は真相にたどり着く。

その話を聞いて、次に依頼してきたのは、失踪した妹を探す女性。妹が残したジオラマ。土生井に助けを求めて、ジオラマの解明から始まった捜査は、今回は大量殺人未遂事件にたどり着く。

紙探偵とはいえ、紙のことはあまり出てこないが、なかなか面白かった。

後半の犯人を追い詰めていく過程と、渡部と土生井コンビによるジオラマの分析の過程。

これは、宝島社のこのミステリーがすごい!大賞を受賞した著者のデビュー作だが、今はシリーズ化されて、何冊か出ているようだ。機会があれば、読んでみたいな。

台風の影響か、晴れていても、時々強い風が吹いたりして、おかしな天気。風のお陰か、それほど暑さも感じなかったが、涼しいわけでもない。

今日で仕事納め、明日から盆休みの五連休。とはいえ、どこにいくわけでもない。コロナで中止になっていた花火大会が、明日の夜に、職場のそばの揖斐川や、岐阜市内のながらがわであり、交通規制になるらしいが、出掛けないから、影響はないな。

コロナ前に、母がなくなり、以後、コロナの自粛もあり、ずっと来客もない。妹たちもみな、還暦を過ぎ、来そうもないな。

というわけで、五連休は、読書三昧の予定だが、暑さの中で、どれだけ読めるかな。


 仕事帰りに、また市立図書館分館へ。

昨日読み終えた一冊と、先日借りたものの、既読だとわかった一冊の二冊を返却し、新たに三冊を借りた。

今日借りた本


古内一絵

「さよならの夜食カフェ

マカン・マランおしまい」

中央公論新社、2018-2019


辻堂ゆめ

「答えは市役所3階に

2020心の相談室」

光文社、202301


西村健

「バスに集う人々」

実業之日本社、202301


最初のは以前読んだものの、一部しか読んでなくて、いつかちゃんと読みたいと思っていたが、ずっと図書館に戻ってなくて、ようやく手にできた。

あと二冊は正月に出た新刊らしい。ようやく、予約者を一巡して、図書館に戻ったようだ。あと、新刊で読みたいのは、小路さんの東京バンドワゴンシリーズの春に出た最新刊だが、例年、秋以降にしか戻らないから、待つしかない。

これで、市立の本は九冊になるが、少なくとも半分は読みたい。

県立では六冊借りているが、小説以外ばかりだから、どれだけ読めるかな?せいぜい頑張ろう。



あれこれ考えさせられる作品だった。

主人公は、四十才独身の望月ミチル。

老夫婦の営む洋食屋のバイトで生計をたてている。しかし、コロナのせいで、休みや時短営業になったりして、不安を感じる。馴染み客とのおしゃべりが楽しみだった老夫婦も、心が折れそうになり、跡継ぎもないことから、店を閉めることを考えている。

給料も減り、今のマンションに暮らすのは無理かと考えていたミチルは、知人の紹介で、シェアハウスに引っ越すことに決める。木造二階建てのふるいアパート。大家は九十くらいの老女。今は、四十才以上の独身女性だけを受け入れる、シェアハウス、若葉荘。

現在、五十代が二人と、四十代がミチル以外に二人。一階は大家さんと四十代の介護士の二部屋と、共同のリビング兼キッチンと風呂場。

そんな若葉荘で暮らしはじめて、ミチルはあれこれ考えるようになる。

みんなそれぞれ心に傷を持ち、不幸な過去を持つ。暴力から守ってくれるシェルターほどではないが、トラウマや不安を抱える彼女たち。一緒に暮らすことで、互いを知り、触発されていく。

そんな彼女たちを描いた作品で、大変なんだなとは思うが、男性の老人である私には、いまいちわからないところもあるかな。

でもなかなか読ませる、いい作品だった。