単行本二冊分、600ページあまりの長編作品。

ここ数日、少しづつ読んで、ようやく読了。

八代将軍の時代、世間を騒がせた大盗、雲霧仁左衛門。人を殺さず、知らぬ間に盗みに入り、大金を盗む。なんのあとも残さず、捕まったことがない盗人。

対するは、火盗改めの旗本、安倍式部。

もと雲霧の手下で、今は火盗改めの手先になっていた留次郎が殺され、さらには、尾張名古屋の豪商の盗みを止められないなど、はじめは後手に回っていた火盗改めだったが。

今までは長い期間を得て、準備をして行っていた雲霧が、名古屋では急ぎ働きをして、どうにか逃げ出せたものの、少し不安が見えてきた。最後の盗みを目前にして、焦りが出てきたか。

最後の盗みのための資金作りに、江戸に戻り、盗みの準備を始めた雲霧一味だが、今回は偶然をきっかけにして、火盗改めは、はやくから、端緒を得て、慎重に雲霧一味を追い込んでいく。

そして、ついに盗みの夜、侵入前の一味を取り囲み、一網打尽にする。

仁左衛門はあいにく取り逃がしたものの、後日別の盗人宿で、仁左衛門を名乗る老人を捕まえ、火盗改めでは、最後まで、偽物とは気づかぬまま、処刑する。

仁左衛門は伊勢国、安濃津の、藤堂家の家来だった。京都へ赴任した兄が、あらぬ罪を着せられ、処刑されるところを救いだした仁左衛門は、いつしか盗賊となり、有名になった。彼が目論む最後の盗みは、実は藤堂家の城内にある金蔵だったらしい。その夢は潰えて、兄が身代わりてなって、盗人として処刑されたらしい。

原作ではこれだけだが、私が再読のきっかけになったテレビドラマのシリーズでは、さらに先に進んだストーリーになっているようだ。原作の雰囲気を残して、新たに作られたものだろう。

その点、原作はいくぶん物足りないが、しかし、やはり読みごたえがあり、なかなかよかった。

火盗改めを主人公にして、新たにかかれたのが、長谷川平蔵シリーズなんだろうな。また、読んでみたくなるが、しかし、時間があるかどうか?

台風七号は、西よりのコースを取り、直撃は免れたものの、雨が時々ひどく、雷もあり、ありがたくない天候。

盆休み明けの三日間は、コンテナが毎日。気温はいくぶん低いが、蒸し暑い。あせまみれになる。


仕事帰り、市立図書館分館へ。

盆休みに読み終えた五冊を返却。

新たに三冊借りた。

今日借りた本


森沢明夫

「ロールキャベツ」

徳間書店、202305


寺嶌曜

「キツネ狩り」

新潮社、202303


摩耶雄嵩

「化石少女と七つの冒険」

徳間書店、202302


三冊とも新刊らしい。

高円寺の商店街に事務所兼住居を構える銀田探偵事務所。所長は母親の獅乃。五年前に少年の失踪事件に関わった父親龍一が、そのオカルト的な発言をもとに非難され、バッシングを受け、探偵を引退。今は主夫に。代わりに、母親がペット専門の探偵として、生計を立ててきたが、コロナ以降依頼が少なく、家計は火の車。

長女の凪咲は定職もなく、長男で高校生の瞬矢はゲーム三昧で、成績は落ちるばかり。

そんなある日、父親かかつて依頼された失踪事件の再調査を、凪咲が、引き受けて、一人調べ始める。やがて、瞬矢も協力して、怪しい人物にぶち当たる。そこで、母親に見つかり、話し合い、別行動で探索しようとした二人は、捕まり監禁されてしまう。

犯人が、父親にかけてきた電話の背後に聞こえる音を調べることで、龍一はついに犯人らの居所を突き止め、二人は助け出された。失踪した少年もやがて記憶喪失した状態で現れる。

結局、真相は少年と依頼主である、彼の幼馴染みの二人による狂言だったらしい。龍一はそれに気づいていながら、彼らのために汚名を被ったらしい。

ばらばらになりかけた銀田一家は、これをきっかけにまとまり始める。