単行本二冊分、600ページあまりの長編作品。
ここ数日、少しづつ読んで、ようやく読了。
八代将軍の時代、世間を騒がせた大盗、雲霧仁左衛門。人を殺さず、知らぬ間に盗みに入り、大金を盗む。なんのあとも残さず、捕まったことがない盗人。
対するは、火盗改めの旗本、安倍式部。
もと雲霧の手下で、今は火盗改めの手先になっていた留次郎が殺され、さらには、尾張名古屋の豪商の盗みを止められないなど、はじめは後手に回っていた火盗改めだったが。
今までは長い期間を得て、準備をして行っていた雲霧が、名古屋では急ぎ働きをして、どうにか逃げ出せたものの、少し不安が見えてきた。最後の盗みを目前にして、焦りが出てきたか。
最後の盗みのための資金作りに、江戸に戻り、盗みの準備を始めた雲霧一味だが、今回は偶然をきっかけにして、火盗改めは、はやくから、端緒を得て、慎重に雲霧一味を追い込んでいく。
そして、ついに盗みの夜、侵入前の一味を取り囲み、一網打尽にする。
仁左衛門はあいにく取り逃がしたものの、後日別の盗人宿で、仁左衛門を名乗る老人を捕まえ、火盗改めでは、最後まで、偽物とは気づかぬまま、処刑する。
仁左衛門は伊勢国、安濃津の、藤堂家の家来だった。京都へ赴任した兄が、あらぬ罪を着せられ、処刑されるところを救いだした仁左衛門は、いつしか盗賊となり、有名になった。彼が目論む最後の盗みは、実は藤堂家の城内にある金蔵だったらしい。その夢は潰えて、兄が身代わりてなって、盗人として処刑されたらしい。
原作ではこれだけだが、私が再読のきっかけになったテレビドラマのシリーズでは、さらに先に進んだストーリーになっているようだ。原作の雰囲気を残して、新たに作られたものだろう。
その点、原作はいくぶん物足りないが、しかし、やはり読みごたえがあり、なかなかよかった。
火盗改めを主人公にして、新たにかかれたのが、長谷川平蔵シリーズなんだろうな。また、読んでみたくなるが、しかし、時間があるかどうか?