警視庁捜査一課の刑事碓氷弘一シリーズ第六作。

ゴールデンウィーク明けに出勤した碓氷は都内で二件の自殺と二件の殺人事件の報が届く。場所も関係者も関係がない別の事件と思われたが、すべてか前日の夜11時に起きている偶然に少し引っ掛かる。偶然かもしれないが気になる。

そんなときに捜査一課長から、碓氷の所属する第五係員か呼び出される。一課長も気にして、本当にただの偶然かどうかを師らぺルようにと。

警察庁の心理調査官藤森も呼び出され、特命捜査に協力することに。彼女によると、他にも三件の性犯罪が起きていて、不審を持っていたという。

最初はみななんの共通点も見いだせず、五里霧中だったが、被疑者がみな、同じメンタルクリニックに通院していたことかわかる。

催眠術のようなメンタルな方法で、果たして犯罪を犯させることが可能かどうか?

どうすれば実証できるが?

難課題に取り組む碓氷と藤森コンビの活躍を描く。

警視庁捜査一課の刑事、碓氷弘一シリーズの第三作。

とはいえ、今作は異色。これには、今野さんの、警察、伝奇、武道、アクション作品のシリーズの主人公たちが、共同して、捜査にかかわる。

神奈川県警生活安全部少年課の刑事、高尾と丸木。彼らに協力する役小角の転生者である賀茂晶と赤岩、水越。

警視庁の刑事碓氷と赤城、彼らに協力する武道家兼整体師の美崎。

警視庁生活安全部少年課の刑事、富野と、協力する亡者や外道を祓う、お祓い師の鬼龍と安倍。

事件は横浜と西池袋、下高井戸で次々と、非行少年が三人づつ殺される。しかも一見争ったあともなく、外見だけでは死因もわからない。

司法解剖の結果、みな死因は扼殺で、その前に気を失うほどの打撃を受けていた。短い時間にこれができたのは、犯人が武道に堪能なものではないかと思われた。

神奈川県警、警視庁合同の捜査本部に駆り出された碓氷たちだか、本部の捜査には加わらず、それぞれ協力者を得て、独自に捜査を進めていき、互いの成果を持ち寄ることで、犯人の招待に迫っていく。碓氷の協力者の武道家はともかく、他の転生者やお祓い師は、本部にまともに報告もできない状態ながらも、彼らは半ば疑いながらも、各自のやり方で成果をあげ、ついには解決に至る。

なかなか面白かった。


はじめはつまらなくて、中断しかけた。大手印刷会社に勤務する夫。営業として活躍していたが、初歩的ミスで大口顧客を失った責任により、窓際部署に異動し、さらにそこでもミスをして退職を考えていた。妻には何も話さず、減った給料の穴埋めに、同僚から借金し、返すに返せない瀬戸際で、顔見知りの得意先の女性から甘い話を持ちかけられ、ついのってしまい、罠にかかる。借金を肩代わりしてもらったと思い込んで、借金した同僚を訪ねるが、死体と対面、パニックになり、八階の部屋のベランダから落ちて死亡。

所轄書は。金銭トラブルから殺害し、後悔して自殺。そう処理してしまう。

妻は獣医で、実家の病院に勤務。子供はないが、仲良い夫婦で、互いにあまり干渉をしない。

そんな妻は、夫の死を聞いて驚く。左遷されたことも借金も知らなかったものの、人を殺したなんて信じられない。

独自に調べはじめる。誰が真犯人なのか?

最初は五里霧中だったが、夫が書き残した言葉を糸口に、夫の同僚の助けを得て、ついに真相にたどり着くまでを描く後半は一気読みだった。

著者は還暦でデビューしたミステリー作家。他の作品も読んでみたくなる。、なかなか良かった。