「空海を語る」と題した、元高野山大学学長の高木訷元先生(島根県大田市ご出身)の講演を聴かせていただきました。
講演会場に足を踏み入れた途端、ご年配の方が多いなと思ったのですが…、
書道用具の専門店、翠祥堂島根店さんの開店40周年を記念しての講演会ということで、
聴講者のほとんどが、現在、書を習っている生徒、または教えている先生だったようです。
いちばん驚いたお話が、「弘法筆を選ばず」というのは誤りで、実は、「弘法大師ほど筆を選んだ人はいない」のだそうです!!
(仕方なく、ある筆で書いても素晴らしい字なのですが、できることなら、合う筆で書きたいということ)
一番弟子の眞済(しんぜい)が空海の言葉をまとめた『性霊(しょうりょう)集』の中に、「能書は必ず好筆を用う」とあるのです。
高木先生、御年92歳だそうですが、杖をついていらっしゃったものの、滑舌は決して悪くないし、ジョークも織り込まれ、素敵な90代をお過ごしだと憧れました。
最後に、この度「書道」が、新設された「登録無形文化財」に指定されたと聞いて、嬉しくなりました。
これまで「重要無形文化財」に指定されていない文化財のうち、特に保存や活動が必要なものを、これから「登録無形文化財」としていくそうです。
書道を教える先生がいて、生徒がいるからこそ、「書道」が後世へと受け継がれていきます。
その輪の中に自分がいることが、なんだか嬉しいです。
私の祖父は、6人の子供全員に、弘法大師の「弘」か、真言宗の「真」をつけたほどの空海の大ファンでした。
私ももう少し、空海のことを学びたくなりました。
本日も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。