映画 アナと雪の女王を見たSHIROBAKO視聴者の感想 | アラサー、サッカー、オタク。

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今更感が強いですが、今だからこそ、いろいろと感じるものも多かったです。

ホント、タイミングなのですが仕事終わりにちょうど発売された

アニメスタイル006

を読み、SHIROBAKOがいかにして魅力的なコンテンツになったのかに
触れることが出来ました。

それを踏まえてみた、アナ雪は姉妹の愛の物語だけではなく、物語のもつ
別の側面を感じたので、それをつらつらまとめていきます。

まず、アナ雪だけではなく、ディズニー作品ではよくマスコットキャラクターが
登場します。今回であればオラフという魔法によって生み出された雪だるまですね。

同様にSHIROBAKOでも、主人公のあおいちゃんの脳内に存在する、という設定で
ミモジーとロロが登場しています。

元がファンタジーな世界でオラフが登場させるのは、視聴対象年齢を考えても、
ごく自然な流れですが、現実的な内容を扱っているSHIROBAKOではなぜマスコットが
必要だったのでしょうか。

安直に考えれば、現実を描く為、どうしてもシリアスになりがちな作品の雰囲気を
柔らかくする、効果が間違いなくあったでしょう。
あおいちゃんの現実逃避や置かれた状況の客観視を補助する役割もあったでしょう。

しかし、私が今回強く感じたのは、マスコットだからこそ、観ている人に訴えかけられる
演出がある、という事でした。

アナ雪でいえば、エルザの魔法で心が凍りそうなアナをオラフが助けようと、暖炉に
火を灯すシーンです。

雪だるまであるオラフが自分が溶けてしまうのを顧みず、アナを助けようとする、
人ではなく、愛らしいマスコットが身を呈して助けようとする姿は胸を打つものが
ありました。
ただ、それだけではなく、エルザの元にアナたちを導いたり、マスコットならではの
自由度の高い行動を作中で取らせることで、物語のテンポの良さを生み出してくれた
存在だったように思います。
シンドバッドのジーニーのようにわかりやすく魔法を使えたりしないオラフでしたが、
その存在があった事で、作品の世界を下支えしてくれていたのではないか、と感じます。

翻ってSHIROBAKOでは、ミモジーとロロは困った状況に陥ったあおいちゃんの
状況を解説してくれるシーンが印象的だったように思います。

そこでの効果、と言えば、アニメ現場を詳しく知らない視聴者の理解を、
作中の自然な流れで補完してくれました。

ここで何が生まれたかというと、やはり作品のテンポの良さだったのではない
でしょうか。
作品のシリアスさを和らげつつ、視聴者を作品の世界観に繋ぎとめつつ、業界の
内容を説明し、かつあおいちゃんの脳内にいる存在であった事で、場所を選ばずに
登場させる事が出来た。

SHIROBAKOは最初から最後の最後までドラマチックな展開でしたが、そんな展開が
続いても、視聴者が作品についていくことが出来たのは間違いなくミモジーとロロの
存在があったからだったんだと、アナ雪を見て感じました。

今のアニメが置かれている環境は視聴者の奪い合い、とは言いませんが、これだけ
多く生み出されれば、視聴者の取捨選択の中で生き残る必要があります。
SHIROBAKOが数ある作品の中から、高い評価を得て、愛される作品になったのは、
現実的な作品の中にマスコットを取り入れる、というアニメならではの発想だった
のではないでしょうか。