「法と経済学」の視点から~文系院生の生活記録~ -2ページ目

なぜ小さな本屋には岩波文庫が置いて無いのか

岩波書店の本は、売れ残った場合引き取ってくれないのです。つまり、リスクを書店が負担しなければならないのです。だから、それに耐えられる規模の書店しか岩波文庫を置けないのですな。

投資銀行

  ウチの大学、経営戦略論の先生がいないので、各先生が分担して、毎回の授業をしています。


 昨日は、証券会社の投資銀行業務にたずさわっておられた先生が講義をしました。


 今の、中国はシャレにならんほど凄い。一方で、また、さらなる成長をとげるための技術力を欲していると。


 三角合併が解禁されれば、技術力のある日本の中小企業が狙われる可能性がある・・・。


 なかなか、シビアな時代ですな。


大杉謙一『企業買収防衛のあり方』商事法務1723号(2005)

中央大の大杉教授のポイズンピルについての論文ですね。


企業体の価値を守るための買収防衛策としてのポイズンピルを評価した上で、

それが濫用されないかチェックすべき役割を担うべきは司法であるとしています。


確かに、日本の場合の社外取締役には、経営陣からの独立性が欠けているこ

とは、常々指摘されていますよね。


彼等に判断を任せると、おそらく経営陣よりの判断になるでしょう。また株主が

判断すべきという人々もいますが、果たして株主が、長期的な視野から判断を

下せるかも微妙なとこですよね。そこで司法の判断を仰ぐべしという結論に至る

けですな。

学校帰り

近所のバーで、久しぶりに飲みました。ここんとこ急がしかったので・・。ウイスキーが美味い!シメにチャンポン食って帰宅しまーす。

出口正義『株主権法理の展開』文眞堂(1991)

 少し古い本ですが、ナカナカ味のある本です。 
特徴としては「株主の誠実義務」というものを
扱っている点ですね。
義務といっても、株主には権利行使にも
限界があるのでは?
といった意味の消極的なものですがね。

 そもそも、社員権論争において、

社員権肯定派(鈴木竹雄、大隅健一郎)

も否定派(田中耕太郎、松田二郎)

共益権の行使は、

会社の利益を侵害してはならない」
という点には一致しています。

 この会社の利益に反するか否かという点が
権利行使の限界点となるわけです。

さらに、多数派株主が少数派株主の利益を
圧迫するようなことが行われた様な場合に
権利の濫用」とという視点でとらえてしまえば、
範囲が狭くなってしまいます。
これを「義務」という新しい視点からとらえる
ベきだと著者は主張しているのです。
 まぁ、株主は有限責任が基本なのですが、
まとまった株式をもっている株主には
他の少数株主や会社自体の利益にも
配慮しなさいということでしょう。
 ただ、自己利益と、会社・株主全体の利益が 
相反する場合に後者の利益を優先させる・・。

ここらへんは「自己利益の最大化するような行動をとる」

と仮定する経済学ではうまく説明できない点ですね。

中村直人「財務重視ののM&A」企業会計56号(2005)

日本放送事件で、ライブドアに敗けた弁護士さんですね。


論文の内容としては、M&Aで最適な事業ポートフォリオをつくりましょうとか、合併対価が柔軟化によりどの対価が一番有利なのかを考えましょうとかとか・・。


なんどかこのセンセの書いたモノを読んだことがありますが、いつ読んでも、書き方が粗い。

しかも、この論文、財務重視とタイトルについてるのに、あんまし財務のことが書かれてない・・・。

鉄は国家なり

 先日、外部講師として、新日鉄の方が来られて、経営戦略の話を聞かせていただきました。


 ミタルがアルセロールに対して敵対的TOBを行い、それを傘下に収めたことで、超メガスチールが誕生したわけです。これにより、世界鉄鋼業界が再編の動きを強めています。また、中国やロシアといった新興プレイヤーも力を付けてきていますね。


 一方目を国内に向けると、新日鉄とJFE(川崎と日本鋼管)の二巨頭体制が確立されており、これ以上の再編は独占禁止法上望めません。


 そのため、国内鉄鋼メーカーは戦々恐々としているわけです。


 日本に残された選択肢とは、一つは守りの戦略、具体的には、今盛んに議論されている、企業防衛策の導入です。


 そして、もう一つ攻めの戦略として海外へのマーケティング戦略を強化し、海外への投資を行うべきだ。


 というのが趣旨でした。


 確かに、来年、三角合併が解禁されれば、脅威は現実のものとなるかもしれませんね。

田中亘「敵対的買収に対する防衛策についての覚書」民商法雑誌131号(2005)

こいつは超長い論文です。読むのに骨が折れまくり。


しかし、「従業員の信頼」を守るために防衛策をとることができるかという箇所は一読に値しやす。まず会社と従業員には「暗黙の契約」が結ばれているとします。どういうことかといえば、「頑張ったら、将来むくわれるよん」ということですな。しかし、敵対的買収が成立し、大量解雇がおこなわれると、信頼が裏切られるわけですな。そうすると従業員はヤル気をなくしてしまいますわな。つまり、人的投資への誘因が過小となってしまうわけです。これを根拠に事前に株主の同意を得ている状態ならば、従業員保護のために買収防衛策を取ることができると論旨を展開しています。

これを読んでて北越製紙事件をおもいだしました。北越の労働組合は一貫して、王子製紙の買収提案に反対でしたね。今回の明星事件においても、スティールパートナーズの公開買付届出書をみる限り従業員のことは触れられてないのですよ。企業がヒト、カネ、モノ、情報の集合体とするならば、肝心のヒトがついてこない様な買収はうまくいかないのでしょうね。※最後の言葉は僕の言葉でなく、師匠の言葉です(笑)。

今日は最低

朝、会社に行き、パソコンを開くと、先輩からの理不尽なクレームメールが入っている。


昼の従業員食堂のメシが不味い。


夕方、いつもの店に行けば、仲良しだった店員のお姉さん(←かなり大好きだった)が、辞めたことを伝えられる。


夜、気分を変えるために、バーにいくも閉まってる。


全く超サイテーな日だ。こんな日は早く寝るに限りますな。明日はよい日でありますように!では、おやすみなさいませ。

メルビン・A・アイゼンバーグ「アメリカにおける会社法制の改革」民商法雑誌130号(2004)

今話題のJ-SOXそんでもって、内部統制。本場のアメリカはど~なってんのと考える際には、この論文は手掛りになります。


まず、エンロンやワールドコム事件の背景になにがあるのかを二つ分析している。一つ目は役員報酬がストックオプションに移行したことにより、粉飾決算により株価を高めガッポリ報酬を得ようとするインセンティブが働いたとします。二番目に、会計事務所が監査以外のお仕事に手を出した点。具体的には経営コンサル業務にも手を出したことと分析しています。確かに、相談相手とチェックするトコが同じってのは、オカシイですよね。これが粉飾を助長させたとしています。

そこて登場したのがサーベンス・オックスリー法(SOX法)というわけです。会計、情報公開、企業統治に関して規制してます。その目玉こそが内部統制報告書ってわけですな。


 ひとことだけ言わせていただければ、余りにも細かすぎません?企業の負担が増えすぎます。メンドクサクなった企業が、MBOして上場を廃止したり、上場する取引所をロンドンに変えたりしているってことが現実におこってきてますね。