スーパーの入口にピンクや赤のカーネーションがずらりと並ぶ。
そうか、母の日だ。
なんちゃって主婦は自分でカーネーションの鉢植えを買う。
何も母らしいことをせずに息子たちは成人してしまった。
夜、二男から電話が来た。
社会人2年目で色々不満が積もるお年頃。
心の疲れを一気に吐き出す。
以前、長男も同じ頃同じように嘆いていたっけ。
何も役にたてない母だけど、話を聞くことは出来る。
OFFでスマホも持てず、床に転がり1時間、息子の心の声に耳を傾ける。
すっかり薬が切れた頃、息子はちょっぴり明るくなった声で「おやすみ」と電話を切る。
息子からの電話。
何よりのプレゼントだ。