情熱大陸 |  ◆ R I N G O * H A N

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歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー

後ろ姿

「十二社通りを行く」
photo by Iwa-chan

背中で何か語ってるんでしょうか。


テレビの前にトンと座ることはまずないけど、
毎週日曜日夜の『情熱大陸』だけは、
必ずといっていいほどみてる。30分番組なので…。
どうやら30分がテレビ前の鎮座は限界みたい。

で、今週の『情熱大陸』はタイガースの金本選手。
ドキュメント番組としては、
もうちょっと“追って欲しかった内容”だったけど、
思うところはたくさん。

金本選手は後ろ姿で語られる人だという。
後ろ姿というと哀愁を帯びた…とかなんとか、
孤独を背負った美学の持ち主と捉えたりなんかする。
多くを語らず、やることをやる人、
つまり無口な漢ってところかな。

気になったのは、じゃぁ私の後ろ姿は…?

私自身では見たこともない「私」。
後ろ姿が写された貴重な写真を見ても、
これが自分とはとても思えない。
「小さいなぁ」「頼りなげだなぁ」それだけ。
きっと、私が後ろ姿の自分を見かけたとしても、
私は私に気付かず、声もかけられないだろう。
鏡に映されることはない自分の姿を見るにつけ、
「赤の他人」とは私自身なんだと思い知る。

でも、他人にいたっては
私の後ろ姿を普通に見ているわけで、
後ろ姿を見かけて声をかけてくれる人はいるはずで、
だからたぶん、そうなんだ、
弱気になった時、
常に誰かに相談してきたのは、
「私の知らない私」を知っている人間に
背中を押してほしかったから。

スポーツ選手のドキュメントを見ると、
いつも「引退」について考えさせられる。
金本選手は40歳。
「引退」とは背中合わせ。
常に彼は引退とのせめぎ合いだと想像するけど、
連続試合出場を更新中なのは賞賛のひとこと。

一方、私の職業である絵描きに引退はない。
自分の意志が続く限り永遠に続けられる。でも、
「引退宣言」したら潔くてカッコイイとも思う。
はたして、私に引退はあるのか…?

今年、華々しく開催された北京オリンピック。
でも私はほとんど興味を持つことはなかった。
年々、勝ち負けにこだわるスポーツには、
興味が薄らいでいる。なのに、
『さよなら。東京』開催中のある日、
西宮から観にきてくれたワシオさんと夜中に卓球試合をしたところ、
たかがボーリング場の片隅でのお遊びなのに、
「勝ちたい!」と無性にがんばる私がいた。
「スマッシュ!」とか張り切ったりして、
次の日は疲れてグッタリだったけど、
グッタリしてる自分を知って、
「スイッチが入ったら遮二無二なる私がいる」と実感。
まだまだ勝ち負けにこだわってるんだー、私。

青い。まだまだ青い。
金本選手の『情熱大陸』を見て、
熟れる前の自分を思い知り…。ようするに
『情熱大陸』という番組の内容以前に
タイトルにドキドキしてるんだ。
情熱がある限り「引退」はない、たぶん。
自分で自分の後ろ姿を見られるようになったりしたら、
その器用さを覚えた日が引退かな、と。

金本選手の来シーズン、注目したい。
とーぜん、私自身にもっ。
ちなみに卓球の試合は私の勝ちでした。やったー!

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クローバー MBS放送『情熱大陸』
ベルクアートラッシュを追っても面白いだろうなぁ。

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