節制 |  ◆ R I N G O * H A N

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歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー

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『No.14 節制 ~清純のピラミッド~』
▲クリックするとカラー画像が開きます


以下は『節制』に関するウンチクです。
絵を自由に観たい、感じたいという方は
読まないでおくか、他愛無い呟きと笑ってくださいな。
そもそも絵は出来上がった時点で、
絵描きの物ではなくなるのですから、
観た人の感性の自由です。
たとえ私のウンチクを読んだとしても、
正解不正解などありませんからね~。
だいいち、私の解釈もヘンテコなのです。

さて。

湘南の海まで取材に行った『節制』という絵に、
私は6月に個展を行ったお店・「ベルク」のイメージを
画面の上部に描いてみた。
タロットカードの14番目にあたる『節制』は
文字どおり「節度ある行い」を意味するもので、
「ベルク」という飲食店は
“節度を形にした店”だと思うので。
値段と味、お客同士の譲り合い、そして音楽。
急流すべりに似た猛烈な速度でもって、
人や電車が行き交う新宿駅の一角に、
あれほどの職人技と美意識を保てるなんて、
私は奇跡だと思ってるし、
相当の強い精神力が必要ではなかろうか。
情熱を抱きながらも押さえるところは押さえる、
こういった精神の釣り合いを保てる人を
私は尊敬するし、おそらく
多くの人が目標とするのでは、と思っている。
クールとホットを うまくコントロールすることは
容易いことではないのだから。
そう、純真さを忘れずにお金を稼ぐには
精神面でのコントロールが重要なのだ。

節度ある「ベルク」は私が住む西新宿ではなく、
駅東側にある。私にとって東は
歓楽街であり非日常の土地。
作品『節制』では西にいる者が東を想う形にしてみた。

東と西をつないでいるのは“愚者”のグシャくん。
「くん」と呼んでいるけど、男なのか女のかは不明デス。
グシャくんが持っている二つのカップを
水がゆるやかに、奇跡の形状で渡ってる。
想うに、水こそ生命の始まり、恵みをもたらすと。
そこでクラゲ。漢字で書くと水母。
水の母・クラゲを描こうと決めたのは
湘南の海でプカプカ~☆ と浮かんだとき。
母なる水をクラゲで現してみた。つもり。

グシャくんがとってるポーズは
伝統的な西洋のタロットではよく描かれていて、
私の『節制』も亜流に過ぎない、が、
多くのタロットでは天使が描かれているところを、
私は自分のタロットには
宗教的な「天使」は用いたくないので、
クラゲが背中に停まっているようにしてみた。
ウサギに似たクラゲが海にはいるんですよ。
グシャくんの翼に見えますかね、これ。

では、グシャくんがいるのは西新宿のどこなのか。
それは新宿パークタワーの
ピラミッド型噴水があるところ。
『節制』の副題とした「清純のピラミッド」は
このピラミッド形噴水に由来してみた。

こうして、タロットカードの中で
最大の難関だった『節制』は
試行錯誤の末にようやく完成!
現在開催中の『海洋』展にて展示しております。
『節制』以外にも、タロットのために描いた中から、
「ベルク」でも展示しておりました
『神官』『巫女』『太陽』も観ていただけます。

暑い中ですが、ぜひ『海洋展』へお出かけください。


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