『スター・ウォーズ EP3』と『ホテルワ』 |  ◆ R I N G O * H A N

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歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー

シス・ドン

ドン・チードル演じるシス


約2ヵ月ぶりに映画館へ。
観たのは もう そろそろ旬も過ぎ、
公開終了間近、秋の香りが漂う『SW3 シスの復習』。
映画が“滅び”を描いているので、
大陽燦々の夏休みに観るより、
翳りのある今頃が相応しいように思う。

観終わった感想。
『SW3』を観るのは6回目という
強力ナビゲーターと共に観たこともあってか、
『SW1~3』の中では一番共感できる内容だった。
(ちなみに『SW1』は爆睡、『SW2』は うつらうつら)
私は間違いなく“SW世代”なんだけど、
『SWシリーズ』を観ずして育ったものだから、
この度の『SW3』がシリーズ最終章ということについても、
特に感慨深いというわけではない、なのに、
物語が終幕、そして
新たな序章を匂わせてエンドロールに突入したとき、
「ああ、ルーカスの夏が終わったなァ」と
深い溜息をつき、脳ミソも一息ついた。
そうして、お馴染みのテーマ曲が高らかに鳴り渡り、
祭りの最後にしては あまりにあっけらかんと、
とんでもなく吹っ切れているのが哀く響いた。
一方で この無邪気さこそ、
『スター・ウォーズ』なのだと納得しているけれど。

哀しいといえば
壮大なるルーカス・ファンタジーに
現在のアメリカや
日本の在り方を重ねずにはいられないこと、だ。

アナキンは何故、ダークサイドへ寝返ったか?
シリーズの最大の謎であり呼び物の、
その理由はふたつあって、
私が原因として大きいと思ったのは
疎外感であり、ストレスの蓄積。
「自分だけ しいたげられている」とか
「優遇されている隣人を妬む」とか、
ようするに嫉妬心であり、誰の心にも潜んでいる孤独が
あるきっかけを境に加速し、闇へと転落する。
堕ちていく人間、悪に魅入られたアナキン青年が、
どんどん魅力的に輝いていったのは、そら哀しい。
“人の闇”が盛り込まれているからこそ、
私は『SW3』を受け入れたのだと思う。

といっても『SW3』は こういった人の けがらわしさや、
いやらしさを なるべく あっさり描いて物語を結ぶ。
だからこそ「夏休み作品」として成立するのだけど、
もしも私が同じテーマで何かを作るなら、
心の変容を執拗に もっと じめじめと描くだろうなー。

もうひとつ。私は『ES3』を観ながら、
まだ観ぬ『ホテル・ルワンダ』でも描かれているのであろう
“人の闇”のことも想った。
ツチ族とフツ族、ふたつの対立する民族も
そもそもは嫉妬やストレスの蓄積が原因ではないかと。

「自分たちより あいつらの方が潤っている」

ダークサイドへ堕ちていくアナキン青年の姿は
こわいほど美しすぎて、
その姿は孤立して生きることの愚かさを際立て、
ジンワリと胸へと迫ってきた。やはり、
幸福とは人が歩く道と自分の道を比較して、
どちらが良いかと判定して得るものじゃない。
自分に合った道を自分自身が楽しんでいるか、
それは早さでもないし、見栄えでもない、
と改めて我が想いを強くした。

祈る! 争いを描き続けた『SWシリーズ』が
当たり前に日本で公開されるように、
ルワンダ大虐殺を題材にした『ホテル・ルワンダ』も
どうぞ、そんな晴れの日が
当たり前に やってきますように。

    こぶりん

久々に採点ごっこ。
『スター・ウォーズ エピソード3 シスの復習』
★★★★★☆☆ 7点満点で5点

●『ホテル・ルワンダ』の公開を求める会サイト



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