暗闇で光るもの |  ◆ R I N G O * H A N

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歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー

闇にまぎれてヤツは光る。
見よ、ふたつの輪の雄々しさ
我らに希望を与える勇者のごとく。
聞いてごらん、ヤツの声
ジジジジジッ
‥‥ここで問題!

いったい ヤツは何者?


あたしが小学校へ通っていた頃、
学校の体育館や公民館で映画の上映があって、
年に一度か二度 行なわれる「ミニ上映会」を
あたしは どの授業よりも楽しみにしてた。
勉強が大嫌いだった あたしは、
「映画の授業が毎日だったら楽チンなのに」と
常々思っていたけど、
町には映画館が ひとつもなかったので(今もないが)
“その日”のことは あたしだけでなく、
ほとんどの子どもが楽しみにしてた。
といっても、
学校が選んで上映する映画のこと、
文部省選定の教育的指導モノが中心で、
お腹がよじれるほど笑えるコメディーや
正義の味方が活躍するアクションはなかったけれど、
それでも あたしらは ただただ暗闇が嬉しくて、
同じものを みんなで観るという単純な事態にワクワク、
“体育座り”で観る「ミニ上映会」に 大はしゃぎした。

映画がやって来る、これは大事件だった。
ふだんは校長先生やPTA会長さんが立つ舞台に、
臨時のスクリーンが置いてある、もう それだけで
普通の日が「特別な日」に早変わり。あの時の
スクリーンは漂白したみたい白かったっけ。
やがて会場の電気が消され、あたりが暗くなると、
あたしら生徒は白いスクリーンに自分の頭や、
手で作ったハトやウサギを映して、
キャッキャキャッキャと おもしろがって、
そのうちコラッ!と 先生の雷が落ちる、そうして、
どうにかこうにか 映画は始まるのだった。

シーンと静まり返る場内、
暗闇の中でキョロキョロと辺りを見回している
落ち着きのない生徒が ひとり‥‥言わずもがな、
それは あたし。なんと、あたしは映画よりも、
仲良しの友だちが真剣な顔をしてたり、
ポカンと口を開けている様子が、
おもしろくて仕方がなかったという
実にイヤな子だったのだ。
そんな あたしを、後ろからギッと睨むものが‥‥?
ヒャッ? なんやろ? スクリーンに背を向け、
反り返って後ろを見てみると、そこには、
映画をスクリーンに映すための機械があった。
真っ暗な中で そこだけが光を放っていて、
フィルムをクルクル送っている輪がふたつ。
なんや~お化けの目玉みたいや~そう思うや いなや

「ちゃんと映画を観なさい!」
突暗闇からニュッ! と伸びてきた先生の指が
あたしの耳を思いっきり引っぱった! あーびっくり。
映写機 それは、
あたしの「『呪怨』体験」を思い出させるのだ。

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相方へのツッコミ
でことよー! 『唐招提寺展』で買ぉたソレ‥‥
鯉やと思ってたけど、金魚かい!
名を「金魚づくしの内」と申すとな、ほぉほぉ、
チミはその絵のマグネットを、あたしはクリップ、
“おそろ”で金魚グッズを持つなんて、
うちらは とんでもない青春野郎。
あたしゃ、金魚のクリップを見るたび、
楽しかった蒲田の夜を思い出しては涙ぐんでおる。
ん? あの夜、“もう”はパッチを着てたんか!
やっぱり‥‥変にズボンが ごわついてると思っててん。

パッチを着た金魚が!
●下戸でボケ絶好調の相方・でこのブログ