沓掛時次郎 遊侠一匹 |  ◆ R I N G O * H A N

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歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー





マユミちゃん

隣の家に住んでた幼なじみは
女の子なのに渥美清にそっくり。
小さい頃から太ってて性格はイケズ、
あたしは よく苛められた! (マユミは仮名)


あの~渥美二郎と渥美清って間違えへん?
二郎は「釜山港屁ー♪」と唄っていた演歌歌手、
清はというと、ご存じ寅さんでお馴染みの俳優さん
‥‥というか役者といった方がシックリくるかな。
ちなみに清は故人で、国民栄誉賞 受賞。
どうせなら授与されたあのとき、
同時に『男はつらいよ』シリーズにも
賞をあげてほしかったなと、今だに思う。
渥美清さん以外に寅さんを演じられる人間なんて
この世に いるわけなく、だから渥美さんの死は
『男は~』の終止符になったわけで。
だいたい あの賞って、スポーツ選手以外は
死んでようやく“対象”になるという妙なもの。
創作総指揮の山田洋次監督でさえ
あの世に逝く他、候補にあがることはない、いんや、
すでに 受賞の旬が過ぎてしまったやん。
いやしかし、死んでから貰ってもなぁ‥‥なんて、
あたしのような凡人は思うけど、著名人にすれば、
形はどうあれ、欲しいものなのかなぁ、
死人に口なし真意は謎。であるが思い当たるとイチローは、
世界記録を打ち立てたのに拒否ってたな~国民栄誉賞。
アカデミー賞同様、“内容がない賞”ってことか、
とはいえ清さんのことは多くの人が認めるだろう、
「選ばれた栄誉ある日本国民」だと。
あの芸達者の熱演が、怪演が すごい!

先日観た『沓掛時次郎~』での渥美さんの演技が、
これまた素晴らしく、目が吸い付いて離れなかった。
さすがは浅草演芸のお笑い芸人、
この映画の前半は渥美さんのひとり勝ち。
早々に渥美さんの出番が終了すると、
それが第1幕の終了、幕は閉じ、
照明が点り、お客は休憩時間、ざわめく場内、
背伸びをしたり、トイレへ行ったり‥‥
実際に幕は開いたり閉じたいしないけど、
こういった舞台っぽい構成で、
1幕のあと、2幕、3幕、そして終幕となる。

起承転結、単純明解、これぞ大衆娯楽の良いところ。
主演はキン兄こと、故・萬屋錦之介。
もっちろん、キン兄も魅せてくれる。
歌舞伎出身の人って、とにかく演技が骨太で、画面に栄える。
芝居の基本がしっかりしてるというだけでなく、
性根が すわってるというか、
華をわきまえているというか、毅然としてるというか。
今活躍してる歌舞伎界の中村獅童くんも、
中村勘太郎&七之助(事件があったのは残念~)の兄弟も、
素晴らしい存在感ではないか。あっぱれあっぱれ。
きっと舞台という現場で鍛えられた精神が、
光線を放つのだろうなぁ。

『沓掛時次郎~』は股旅者の無情を
娯楽色たっぷりに描いた快作です。
渥美さん、キン兄の他、池内淳子さんも素晴らしいし、
キン兄と刃を交わす東千代之助さんもいい、
役者を観るための お薦めの1本、ぜひ~。

★★★★★☆☆ 7点満点で5点
第一幕の賭博や出入りの場面で見られる、
役者の額を流れ落ちる玉のような汗が生々しい。
切羽詰まった空気が感じられ、印象に残る。

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相方へ贈ることば
お互い、映画館に足が向かへんなぁ。
今日なんか、せっかくのレディースデーやのになぁ。
そやけどまぁ、病み上がり前の でこ吉くんは、
雑菌が多い映画館は危険ゾーンや、
家で横になって昭和の時代劇とか観てみよし~。

『沓掛時次郎~』は なかなか良いで、
展開が早すぎるところが、味があってまたよろし。

●呪怨のCMに苛ついている相方・でこのブログ