〝何かがおかしい〟 | 好文舎日乗

好文舎日乗

本と学び、そして人をこよなく愛する好文舎主人が「心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつ」けた徒然日録。

A君がB君を連れてやって来て、「先生、Bが悩んでいます。相談に乗ってもらえますか?」と言った。B君とは15日に志望理由書の相談にやって来た〝チャーシュー大王〟の生徒である。

「C先生、ホント勘弁してほしいですよ。『志望理由書と自己推薦書は書けたか』と訊かれたので、『まだ書けていません。自分には小論文も書けそうにないし、到底受かるとは思えません』と言ったら、『なんで20%でも可能性があるのなら、それに懸けようとしないんだ。小論文なんか俺らと話していたら書けるようになるんだよ!』と叱られました。僕は京都の私大に行きたいんです。でも、C先生は僕の意思何かどうでもいいんです。国公立大学合格という実績だけが欲しいんですよ」

「Cさんが20%の可能性と言う根拠は?」

「わかりません。先生は20%も可能性あると思いますが?」

「悪いけど、無い。『小論文なんか俺らと話していたら書けるようになる』なんて有り得ないよ。だったら、去年彼んトコの生徒が合格してるはずじゃないか。昨年の彼のクラスの推薦合格率は学年最低だよ。調べてごらん。志望理由書や自己推薦書の添削は人任せだし、小論文指導も無理。面接対策もまともにやったことない。よく言うよねぇ」

「先生に志望理由書と自己推薦書を見てもらおうと思っていたんですけど、受かる気もない大学のを見てもらうなんて、迷惑かけるだけですから、自分で適当に書きます」

「あのねぇ、迷惑かけてるのは学校なんだよ。生徒の気持ちより自分の実績を優先する奴を担任に選んで生徒を苦しめているんだからさ。僕が書いてやる。それを出しときな」

「いいですよ。先生に迷惑かけられないですから……」

「京都の私大の勉強をやんなよ。無駄なことに時間は割かないこと。いいね?」

「はい、わかりました。有難うございます」

---

AさんがBさんを連れてやって来て、「先生、Bさんが悩んでいます。相談に乗ってもらえますか?」と言った。

「何があったんですか、Bさん?」

「はい。先日、C大の看護学部の校内説明会の日時を忘れたので、進路に訊きに行ったんです。そうしたら、事務のDさんだけだったので、Dさんに訊いたんです。そうしたら、『あんた、ホントにC大の看護、受験する気あるの?』って言われたんです。すごくショックでした……」

「とんでもないオバハンだなあ……」
「まだあるんです。そこへ主任のB先生が戻って来られたんですよ。そうしたら、Dさんが『先生~、聞いてくださいよ~。この子ったらねぇ~。看護学部の校内説明会の日時を忘れちゃったんですよォ』って言ったんです。で、B先生が『信じられませんねぇ。受験する資格なんかありませんねぇ』って。私、金輪際進路へは行きません」
「またBか。困ったオッサンだなあ。わかりました。悪いようにはしません」
「先生、どうするんですか?」
「そのうちわかります。そのうちにね(笑)」
---
〝チャーシュー大王〟も問題ではあるが、それ以上に問題なのがBとDである。誰だって失敗はあるだろう。ましてや相手は生徒である。失敗があって当たり前であって、それを「やる気があるのか」だとか、「資格がない」だとか言って責めるのは、言語道断であろう。

Bよ、だったら、定期試験の模範解答を1度でもまともに作って見ろ!

こいつらこそ進路担当の資格なしである。去年まではこんなことはなかったではないか! 何かがおかしい。まるで〝指導力不足・不適格教師の宝庫〟。いつからこんな学校になってしまったのであろうか。