さて、色つきフレームの方は100×100mmで作ったはずが、実寸で105.2×105.2mmくらいに拡大されています。
↑だいたいですけど、105.2mmくらい
この微妙な誤差はなんでしょう? ちなみにフレームはビットマップ画像に変換されています。
スクリーンショットからpx数を見てみると547×547pxとなっています。
↑画像部分のpx数
ん、547px? 547pxはiBooksの左右の有効マージンです。試しにタップしてみると、やはり元サイズはもっと大きいです。
↑上がページ、下がpx等倍
念のため元画像を展開してPhotoshopで確認してみると、100×100mmの150dpiの画像になっています。ということは、実サイズ(100×100mm)の150diでラスタライズされ、ピクセル数が547を超えたため、左右に合わせて縮小されていたということでしょう。
↑epub内に格納されていた画像は150dpi
しかし、ここで重要なのは指定サイズは100mmなのになぜ105.2mm(左右いっぱい)になるのかということ。
実はiBooksでは画像をpx数で判断します。今回のケースでは150dpiの100mmで左右591pxとなり、有効左右幅を越えるため強制的に547pxになり、132dpi換算で105.26mmになりました。
iPad+iBooks上で100mmにしたければ「132dpiで100mmになるピクセル数」にしなければならないということです。150dpiでラスタライズするとすれば、132dpiは88%の縮小になるので88mmの、72dpiであれば、183.33mmの色つきフレームを置いけばよいということになります。
しかし、本来であれば100mmで配置しておいて、タップでpx等倍に拡大したいところですが、iBooksでは画像をコードで絶対値(px、mm)や相対値(%)の指定をしても無視されます(直接でなければ指定は可能です)。
よって、InDesignのepub書き出しオプションにある「固定」と「相対」は、コード上で設定されているのにもかかわらず、iBooksではあまり意味がないわけです(ここ、かなり悩みました)。
また、今回のコードを確認すると、width283pxとなっています。この数値は72dpiでの100mmですので、InDesign内部では72dpiで換算しているようです。
↑CS5.5側はサイズを72dpi換算で100に指定しています
現状のiBooksは直接指定はできませんが、72dpi以外のデバイスで100mmで表示したければ、72dpiとデバイス(iPadは132dpi)の比率を計算する必要があります。
ただし、ページ上では左右マージンを越える105.26mm以上では表示できません。
iBooksのこの辺の挙動はいずれ仕様が変更されるかもしれません。しかし、そうなると同じデータを読んだときに体裁が変わってくることになります。
というわけで、InDesign CS5.5で書き出し後、コードをいじらずにiPad+iBooks上で見え寸指定をするためには、それに対応したサイズでデータを作成しなければならないということです。
テキストと画像の比率が変わってくるので、印刷用のようにレイアウトと同じ比率でつくるわけにはいかないようです。
ずっと絶対値&WYGSYGでやってきたオペレータにとって、このpxとか比率計算での組み立ては理解しにくい所ではないでしょうか。
正直なところ、これがわかったからといって、実務でこれに沿って作ろうという気はありません。印刷用と同じようにデータを作成したら書き出したものがどのように表示されるのか気になっただけでして…。
これ以上やる必要はないかもしれませんが、とりあえず最初の目標どおり、次回は指定通りの本を作ってみましょう。