

ちなみに、内容は推理小説じゃなくて、編集者と小説に関わる人が登場人物である短編小説

作品自体の話をすると、個人的に一番良かったのは小説誌、次に最終候補、一番歪笑したのは、夢の映像化のオチ(笑)
あと同作品の一部分に、糸辻竹人なる誰がモデルか丸分かりの人が出てきて、貶されちゃう訳ですが、
仲悪いのかこの2人(^^)w
あと編集者に必要な「3つのG」というのは、上手く考えたもんだなぁと思った(^^)
以下は、気に入った部分の引用。
プロ作家の中には、先のことも考えずに書き出す者もいるらしいが、素人がそんなことをしてうまくいくわけがない。
登場人物についても、個性がかぶらないよう配慮し、一つ一つの行動が不自然にならないよう気をつけた。強引な展開は徹底的に排除し、リアリティを追求した
「だけどやっぱり冒険です。会社勤めをしながら、何年かに一度、趣味のつもりで本を出すというのが無難ではないでしょうか」
「模範解答を読むようだ、というのが全員の一致した意見でした。文章は教本通り。構成は基本通り。すべてが定規から一歩も出ておらず、新奇性も実験精神も感じられない」
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・連載小説を単行本にする時、書き直す人が多い。
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「新人作家とか、これまでなかなか売れなかった作家がヒット作を出すと、どうしてもその作品に縛られちゃうわけです。せっかく獲得した読者を離したくないと思うんでしょうね。…何か新しいことをやろうと思って、自分で作った枠から出ようとしないから、いつも小手先の変化で終わってしまう。それでは作品のクオリティは上がらないし、自分でも納得できない。悪循環です」
「枠から出ることです。無論、全然違うものを書けば、ファンは失望するかもしれない。だけど構わんのです」(205-206頁)
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しかし、だからこそ解放感を味わえる。自分が小説に求めているのは、ハラハラやドキドキではない。徹底した安心感だ。心が解放される感触だ。(320頁)