第2問
(1)【YのZに対する求償請求の訴えに対して、XのZに対する貸金債権の存在を肯定して、XのYに対する請求を認容した確定判決がどのような影響を及ぼすか】
この問題を考えるには、確定判決における主文中の判断について拘束力を生じさせる(民事訴訟法114条1項)既判力が第三者に及ぶ場合を検討する必要がある。既判力は、訴訟の当事者間においてのみ生じ、第三者には及ばないのが原則である(民事訴訟法115条1項1号)。これは、当事者間でのみ判決の効力を認めれば紛争解決に十分であり(紛争解決の実効性)、訴訟に関与する機会を与えられなかった第三者に判決効を及ぼすことは、その者の裁判を受ける権利(憲法32条)を奪う結果となる(手続保障の観点)からである。
これに対して、例外的に第三者に対しても判決の効力が生じる場合が民事訴訟法では規定されている(115条1項2号,3号,4号)が、保証人はこれらの列挙事由にはあたらない。だが実定法上保証債務は主債務に付従する(民法448条)。そこで、明文なき場合にも判決効を第三者に拡張できないか否かが問題となる。
この点について、学説では、当事者と特殊の関係にある第三者に、当事者間の既判力の拘束を及ぼす反射効の考え方を肯定して、紛争の統一的・実効的解決を図ろうとする見解がある。だが、反射効という明文なき概念から既判力を拡張することは法的安定性を害する以上、この見解は妥当ではない。また、実際に、反射効を明確に認めた最高裁判所の判例もない。
(1)【YのZに対する求償請求の訴えに対して、XのZに対する貸金債権の存在を肯定して、XのYに対する請求を認容した確定判決がどのような影響を及ぼすか】
この問題を考えるには、確定判決における主文中の判断について拘束力を生じさせる(民事訴訟法114条1項)既判力が第三者に及ぶ場合を検討する必要がある。既判力は、訴訟の当事者間においてのみ生じ、第三者には及ばないのが原則である(民事訴訟法115条1項1号)。これは、当事者間でのみ判決の効力を認めれば紛争解決に十分であり(紛争解決の実効性)、訴訟に関与する機会を与えられなかった第三者に判決効を及ぼすことは、その者の裁判を受ける権利(憲法32条)を奪う結果となる(手続保障の観点)からである。
これに対して、例外的に第三者に対しても判決の効力が生じる場合が民事訴訟法では規定されている(115条1項2号,3号,4号)が、保証人はこれらの列挙事由にはあたらない。だが実定法上保証債務は主債務に付従する(民法448条)。そこで、明文なき場合にも判決効を第三者に拡張できないか否かが問題となる。
この点について、学説では、当事者と特殊の関係にある第三者に、当事者間の既判力の拘束を及ぼす反射効の考え方を肯定して、紛争の統一的・実効的解決を図ろうとする見解がある。だが、反射効という明文なき概念から既判力を拡張することは法的安定性を害する以上、この見解は妥当ではない。また、実際に、反射効を明確に認めた最高裁判所の判例もない。
(ところで、本問においては、XのYに対する保証債務の履行を求めた前訴で、ZはY側に補助参加し、XのZに対
する貸金債権の存在を争っている。この点につき、Zには民事訴訟法46条の「効力」が及ぶ。そこで、この46条の「効力」につき、判決主文中の訴訟物の判断にのみ生じる既判力であるのか、判決理由中の判断にも拘束力を生じる特殊な効力であるのかが問題となるが、判例・通説は、46条の「効力」が単に訴訟告知を行った場合にも生じる(民事訴訟法53条4項)ことを根拠に、既判力とは別に、信義則の観点から、被参加人とともに手続保障が与えられた参加人に対し、敗訴責任を分担させようとする特殊な効力であると解している。 )
→時間がかかるなら、なくてもよい。最後に付け足すのもあり。
また、本問のYのZに対する求償請求においては、前訴で争われたXのZに対する貸金債権の存在が前提となって行われたものであり、前訴で手続保障が与えられたZが、後訴において前訴の判断と矛盾する判断がなされるのは既判力の積極的・消極的作用の観点からも妥当ではない。
したがって、YのZに対する求償請求の訴えでは、XのYに対する保証債務の履行請求訴訟の基準時(口頭弁論終結時)におけるXのZに対する貸金債権の存在を前提に(積極的作用)、基準時後における債権変動等を考慮しつつ本案判決をすることが求められる。また、Zは前訴の基準時における訴訟物の存否の判断に反する主張・立証をすることができない(消極的作用)。
(2)はまた明日。
【解答後の反省点】
・補助参加人の効力と、既判力の作用を比較検討して、後者を先に記述するべきであろう。
・補助参加人の効力と、既判力の作用を比較検討して、後者を先に記述するべきであろう。