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1 フォロー講義
前回の講義で、パワーポイント「第4章人権総論⑲」を使って、判例を読み解く
ための三段階審査の「フレームワーク」をご紹介していきました。
今までの憲法では、①保護範囲と②制約とをあまり区別せずに議論してきまし
たが、最近の三段階審査では、①と②を区別して判例を読み直しています。
判例は、ただサビの部分と結論(合憲・違憲)を「記憶」するような勉強だと、
すぐ忘れてしまうのが関の山です。
三段階審査の「フレームワーク」に沿って、ロジカルに「理解」する勉強をし
ていけば、忘れにくく、同じロジックであれば、他の判例にも、応用すること
が可能になります。
フレームワーク思考☆
憲法は、問題数が少なく配点も低い(28点)ので、あまり時間をかけることが
できない科目ではないかと思います。
そこで、受講生の皆さんは、憲法の勉強時間を短縮していくためにも、是非と
も、三段階審査の「フレームワーク」に沿って、判例を、ロジカルに「理解」
する勉強を心がけてみてください!
このように、フレームワーク思考でロジカルに「理解」していく勉強法が、ま
さに、時間のない社会人のための大人の勉強法です。
時間のない社会人のための勉強法
ただ知識を「記憶」していく勉強法だと、無数の葉っぱの知識を記憶しなけれ
ばなりませんが、フレームワーク思考だと、記憶する量が激減していくはずで
す。
憲法は
過去問をただ何回も繰り返し解いても、過去問の知識だけでは、1問も得点す
ることができない年もありますので、まずは、過去問未出題判例も含めて、判
例を、三段階審査の「フレームワーク」に沿って、理由付けやロジックまで含
めて、よく理解してみてください。
フレームワーク思考☆
なお、憲法判例の分析の方法論については、
以下の無料公開講座の動画も、是非、参考にしてみてください。
2 復習のポイント
① 法の下の平等(1)
まずは、総整理ノートp43で、尊属殺重罰規定違憲判決の判例について、もう
一度、事案→判旨の順に読み込んでみてください。
判例は、
①二段構え(立法目的と立法目的達成手段)と②「時の経過」のロジックで判
旨を組立てていますので、皆さんも、このロジックに沿って判例を理解してみ
てください。
①二段構え(目的→手段)
②時の経過論
次に、総整理ノートp45で、国籍法違憲判決について、もう一度、事案→判旨
の順に読み込んでみてください。
憲法14条について、 判例は、「事柄の性質」に即応して合理的根拠に基づくも
のでないかぎり、差別的な取扱いをすることを禁止する趣旨と解すべきとしてい
ます。
「事柄の性質」
この「事柄の性質」については、判例は、①重要な法的地位、②区別事由の性
質を問題としています。
憲法学読本p106に、この国籍法違憲判決事件の「事柄の性質」に関する詳細
な記載がありますので、もう一度、よく読んでおいてください。
なお、この「事柄の性質」については、平成24年の国籍法違憲判決の過去問で
も出題されていますので、過去問と憲法学読本との照合作業も行ってみてくだ
さい。
過去問と憲法学読本を照合させることで、各判例の出題のツボが見えてくるの
ではないかと思います。
② 法の下の平等(2)
まずは、総整理ノートp46で、婚外子法定相続分差別規定違憲判決について、
もう一度、事案→判旨の順に読み込んでみてください。
ここでも、「事柄の性質」が重要になってきますので、憲法学読本p112を、
もう一度、読んでおいてください。
憲法14条は、本試験でも頻出していますので、判例の理由付けやロジックまで、
きちんと掴んでほしいと思います。
次に、憲法学読本p113、総整理ノートp47で、女性の再婚禁止期間規定一部
違憲判決について、もう一度、判例のロジックを、三段階審査の「フレームワ
ーク」に沿って整理しておいてください。
女性の再婚禁止期間規定一部違憲判決は、
①二段構え(立法目的と立法目的達成手段)と②「時の経過」論のロジックで
審査を行い、民法733条1項の規定が、婚姻をする自由(憲法24条1項)に対
する「直接的な制約」であることから、審査密度を高く設定して、一部違憲と
しています。
キーワードは、「直接的な制約」ですね!
また、この婚姻をする自由の「保護範囲」については、憲法学読本p86にも記
載がありますので、要注意です。
ところで、法律を勉強する際に気をつけなければならないことは、事実は同じ
でも、価値判断は、人や時代とともに変わるということです。
昔は合憲だった法律が、時代とともに違憲になるように、価値観が多様化して
いる現代においては、自分の中の「正しい」・「間違い」という価値観だけで
モノゴトを決めつけるのは危険です。
自分以外の多様な価値判断が存在することを理解した上で、そういう多様化な
価値観を尊重していく、それが個人の尊重であり、憲法の最も大切な理念(憲
法13条)ではないかと思います。
③ 思想・良心の自由
まずは、憲法学読本p119、パワーポイント(第7章思想良心・信教の自由①)
で、4つの精神的自由(思想・良心の自由、信教の自由、学問の自由、表現の
自由)の関係をしっかりと理解してみてください。
次に、憲法学読本p120、総整理ノートp64で、思想・良心の自由の「保護範囲」
について、知識を整理しておいてください。
最後に、憲法学読本p122以下、パワーポイント(第7章思想良心・信教の自由
②)、総整理ノートp66~で、ピアノ伴奏拒否事件と国歌斉唱起立拒否事件の
「制約」の程度に着目して、両判例を比較の視点から、そのロジックを理解して
おいてください。
キーワードは、「間接的な制約」ですね!
パワーポイント(第4章人権総論⑲)の三段階審査の「フレームワーク」に沿
ってみていくと、両判例のロジックの違いがよくわかるはずです。
ピアノ伴奏拒否事件と国歌斉唱起立拒否事件でも、平成20年度の多肢選択式の
問題と同様に、三段階審査の「制約」が問題となっています。
このように、判例は、同じテーマのものを比較していくことで、ひとつひとつ
の判例の位置づけがよく見えてくるのではないかと思います。
思想・良心の自由については、
平成21年度に出題されていますが、この最新の重要判例は未出題ですので、要
注意かもしれませんね。
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