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いよいよ、明日から9月ですね。
鈴虫が泣き始めると、なぜか時間の経つのが早く感じるようになるので、1日1日を大切にして
ほしいと思います。
さて、今回は、答練・模試の時期ということで、どうして問題が解けないのか?について、もう一度、
ふり返りを行っていこうと思います。
どうして問題が解けないのかが見えてくれば、どうすれば問題が解けるようになるのかも見えてく
るのではないかと思います。
両者は、コインの表と裏の関係ですから。
まずは、皆さんが、本試験で問題を解く際のプロセスを、認知心理学の知見も参考にしながら「見
える」化していきます。
認知心理学による「見える化」
通常、本試験では、
問題文の指示にもあるように、条文と判例に照らして解答していくわけですから、まず、各大問の
「テーマ」と、問題文の「キーワード」から、その問題を解くために必要な条文と判例の知識(前提
知識)を「アタマ」の中から思い出していくはずです。
次に、その思い出した前提知識を、問題文の事例に「適用」(あてはめ)して、〇か✕かを判断し
て、結論を出していきます。
図解すると、以下のようになります。
これを時間軸の「視点からみると、前提知識の①覚える(記銘)→②思い出す(検索)→③あて
はめる(適用)という順番になります。
したがって、問題が解けないという場合、この前提知識の①覚える(記銘)→②思い出す(検索)
→③あてはめる(適用)のどこかで躓いていること(ボトルネックが存在すること)が、その要因
として考えられます。
これから得点を伸ばすための3つの視点!
問題が解けない場合、この問題の解ける化のどの段階で躓いているのか、まずは、皆さんなり
に、自己分析を行ってみてください!
(1) 「記銘」(覚える)
合格コーチも、今まで、数多くの受験生を見てきましたが、条文と判例の知識を問う試験で、問題
が解けない最大の要因は、やはり、条文と判例をきちんと覚えていないことにあると思います。
記述式で書けないのは、ほとんどが、条文と判例のキーワードをきちんと覚えていないからでは
ないかと思います。
つまり、問題を解くために必要な前提知識が「ない」か、あるいは、前提知識が「ある」としても、そ
の精度が低いため、問題が解けないということです。
まずは、前提知識が「ない」場合
皆さんもすでにご存知のように、 行政書士試験は、過去問のストックが少ないため、過去問の
知識だけでは、合格点はおろか、記述式を除いて、240点中120点以上を取ることが難しい
のが現実です。
つまり、記述式が採点されないレベルです。
したがって、インプット用のテキスト等も使って、本試験レベルの前提知識(条文・判例)を補って
いく必要があります。
本試験では、過去問と全く同じ内容の問題は、ほとんど出題されないため、過去問が解ける=
本試験の問題が解けるということには、必ずしもなりません。
過去問で問われたのと同じ条文と判例の知識を問う問題なのに、少し問われ方を変えられると、
突然解けなくなるという現象です。
条文と判例の単純な知識を問う試験において、合格点が取れないのは、やはり、条文と判例の
知識が「ない」ことが、最大の要因であり、過去問の知識だけでは、合格点を取ることができない
行政書士試験では、なおさらです。
180点が取れない最大の要因=条文と判例の知識不足
これから得点を大きく伸ばすためにも、まずは、記述式を除いて、240点120点以上(5割)を
確実に得点できるだけの条文と判例の知識を、きちんとアタマに入れていくことが重要です!
次に、前提知識が「ある」場合
もっとも、知識が「ある」場合でも、その知識の精度が低ければ、問題が解けないのではないかと
思います。
知識の精度が「低い」というのは、
リーダーズ式☆3ステップ学習法(①理解→②集約→③記憶)でいうと、「理解」が不十分である
場合と、「記憶」が不十分である場合を意味します。
①「理解」が不十分である場合
通常、その内容を「理解」したかどうかは、その内容を話せるか、書けるかで判断することができ
ますから、もし、その内容を話せない、書けないということは、やはり、「理解」が不十分であるこ
とを意味します。
例えば、平成29年度の行政法の記述式(問題44)は、超Aランク判例である、宝塚市パチンコ条
例事件判決の「理解」を問う問題でした。
この判例は、2年前にも、択一式で、大問として出題されていたにもかかわらず、①行政権の主体、
②法律上の争訟、③却下判決というキーワードがすべて書けていた方は、わずか10%でした。
令和2年の記述式もそうでしたが、
最近の本試験では、判例のロジックをきちんと「理解」しているかどうかを問う問題が、択一式・
記述式問わず出題されています。
今年リベンジされる方は、判例の結論だけでなく、判例のロジックや理由付けまで、きちんと「理
解」する学習を心掛けてほしいと思います。
なお、令和2年度の本試験では、法令科目の約50%が、判例の知識を問う問題でしたから、判
例問題対策は、時間をかけて行ってほしいと思います。
判例対策として、以下の動画もご参照ください。
現在配信中の重要判例分析講義では、 憲法と行政法の重要判例について、各9時間で、判例
のロジックや理由付けまで含めて、お話していますので、こちらも、是非、参考にしてみてください。
≪行政法☆重要判例分析講義≫
講師:山田斉明
時間:9時間
本講座では、
行政法の重要判例について、『判例フォーカス行政法』と、『判例☆肢別ドリル行政法』を活用し、
判例の理由付けやロジックまできちんと押さえることで、本試験で得点することができる行政法
判例の『理解』を目指していきます。
≪憲法☆重要判例分析講義≫
講師:山田斉明
時間:9時間
本講座では、
『憲法判例50!(START UPシリーズ)第2版』と、『判例☆肢別ドリル憲法』を活用し、基本的な
分析手法に則り、本試験で得点することができる憲法判例の『理解』を目指していきます。
なお、今回の講義で取り扱う判例は、 憲法判例50!(START UPシリーズ)に掲載されている
50の判例とプラス20判例を予定しております。
➁「記憶」が不十分である場合
一方、二択症候群などは、「記憶」が不十分な場合の典型例ですので、やはり、本試験直前期に
記憶の時間をきちんと取ったかが重要になってきます。
この前提知識は、
最終的には記憶する必要がありますから、一つ一つのバラバラな知識ではなく、①グルーピング
→②抽象化→③構造化された、いわゆる汎用性の高い「使える知識」であることが望まれます。
したがって、問題を解くために必要な条文と判例の知識を覚えていく段階では、テキストや過去
問の単なる知識を、「使える知識」として、どれだけ抽象化=パターン化できるかが勝負になって
きます。
知識の抽象化=パターン
「使える知識」は、
比較の視点から図表化したり、横断的な視点から図解化していくと、本試験でも頻出している
典型的パターン問題(図表問題)で落とさなくなり、結果として、合格点が取りやすくなります。
本試験では、通常は、ひとつの知識をバラバラに聞くよりも、その出題テーマの中で関連する
ものを、比較の視点や横断的な視点から芋づる式に聞いてきます。
比較の視点や横断的な視点!
したがって、これから問題が解けるようになるためには、まずは、各テーマごとに、「使える知識」
を、どれだけ「アタマ」の中にストックすることができるかではないかと思います。
そのために求められるのが、
各テーマごとに、5つの肢で何を聞いているのか、その出題の「ツボ」を、過去問「分析」によって
抽出していくことです。
ただテキストや基本書を何回も繰り返し読んだり、ただ過去問や肢別本をただ何回も繰り返し解
いても、なかなか合格点である180点が取れない理由は、このあたりにあるのではないでしょうか。
≪直前総整理マスター講座≫
直前総整理マスター講座では、
今年の本試験に出題が予想されるAランク及びBランクのテーマについて、記憶用ツールである
総整理ノート(セレクト版)とセレクト過去問集を使って、出題の「ツボ」=使える知識を、網羅的に
伝授していきますので、
直前期の知識の総整理及び直前期の記憶用ツールとしても、上手にご活用ください。
(2) 「検索」(思い出す)
実は、問題を解くために必要な前提知識は「アタマ」の中に入っているにもかかわらず、問題が
解けない場合も、かなりあるはずです。
例えば、あとで解答を見て、
「ああ!あの話のことね!」というようにわかる場合などです。
毎年、本試験の終了後、カウセリングを行っていますが、そのカウンセリングの際に、受験生の
皆さんに、本試験の問題冊子を持参してもらっています。
受験生の皆さんの問題冊子を見ると、その方がどのようなプロセスで問題を解いていったのか
がよくわかります。
特に、その問題を解く際に気づかなければならない「キーワード」に、きちんとアンダーラインや
マーキングが出来ているかを見るだけで、その方の成績がだいたい分かってしまいます。
実は、問題文の「キーワード」というのは、
その問題を解くために必要な前提知識を「アタマ」の中から思い出す際のトリガー(きっかけ)に
なるものです。
その意味では、問題文の「キーワード」に気づくかどうかが、問題を解くうえでも、かなり重要な
要因になってくると思います。
したがって、これから直前期の勉強では、 答練・模試などの新作問題を使って、この「テーマ」で、
この「キーワード」が出てきたら、この前提知識を思い出して、こういう処理手順で解いていくと
いう、自分なりの思い出し(検索)パターンを、アタマの中に作っていくと効果的です。
例えば、
問題文の柱書きに、「他人物売買」という「テーマ」が出てきたら、選択肢のどの「キーワード」に
着目して、どの前提知識を思い出す必要があるでしょうか?
テーマ
↓
キーワード
↓
前提知識(条文・判例・図表)
問題を解く時間が遅く、模試などでも時間が大幅に足りなくなる方は、この前提知識の思い出し
が、瞬時に、かつ、正確に出来ていないのが、ひとつの要因です。
さて、ここまでお話してきて、勘のいい方なら、本当の「アウトプット」というものがどういうものな
のかが見えてきたのではないかと思います。
インプット=入力
アウトプット=出力
つまり、アウトプットというのは、
インプットした知識を外に出すこと=思い出すことを意味します。
受験業界では、 通常は、問題を「解く」ことがアウトプットと云われていますが、問題を「解く」こと
自体が重要なのではなく、その問題を解くのに必要な前提知識をスムーズに思い出すこと、す
なわち、「検索」することができるかが重要なのです。
したがって、問題を沢山解かなくても、目次学習など、アウトプットの練習はいくらでも出来るは
ずです。
結局、これからやるべきことは、
本試験で、問題の「テーマ」と選択肢の「キーワード」を見て、あの条文ね!あの判例ね!あるい
は、あの図表・図解ね!というように、アタマの中から、その問題を解くための前提知識(条文・
判例)を、きちんと思い出せる状態にしておくことではないかと思います。
テーマ
↓
キーワード
↓
前提知識(条文・判例・図表)
以前、司法書士試験科講師の松本先生との勉強法の対談を行いましたが、その最後にご紹介
した本の中に、「検索訓練」という項目がありました。
「検索練習と呼ばれるこの方法は、記憶に関する最近の文献によく取り上げられ、時には他の
学習法を50%ほども上回る効果を上げている。」
「ある有名な実験では、被験者グループが文章を4回読む。別のグループは1回しか読まない
が、思い出す練習を3回行う。研究者が数日後に2つのグループを追跡調査したところ、思い
出す練習をしたグループのほうがはるかによく文章を覚えていた。」
「つまり情報を繰り返し読んだ被験者より思い出す試みをした被験者のほうが、はるかに習得度
が高かったのだ。」(アーリック・ボーサー著「Learn Better」p160)
記憶のプロセスにおいては、
覚える(記銘)と思い出す(検索)は、車の両輪とも云えますから、単に「覚える」だけでなく、「思
い出す」練習をしていくことが、知識を長期記憶化させていくためにも効果的なようです。
≪民・行☆解法ナビゲーション答練≫
9月3日からは、
民・行☆解法ナビゲーション答練の配信が始まります。
民・行☆解法ナビゲーション答練では、民法・行政法各200肢ずつ、今年の本試験で出題が予
想される重要問題を出題していきます。
受講生の皆さんは、
問題文の「キーワード」から、その問題を解くために必要な前提知識を、あの条文ね!あの判例
ね!あの図表ね!というように、瞬時に、かつ、正確に思い出せるかどうかの最終確認を行って
ほしいと思います。
(3) 「適用」(あてはめる)
知識優位型の問題であれば、前提知識の①「記銘」と②「検索」がきちんと出来れば理論上は、
解答を導けるはずです。
ところが、現場思考型の問題の場合、最後のステップである、前提知識を、事例に「適用」(あて
はめる)することが上手に出来ないため、解答を導くことができないケースが多々出てきます。
民法が苦手な方の多くは、やはり、③「適用」(あてはめる))が出来ていない場合が多いのでは
ないかと思います。
この「適用」(あてはめる)は、大前提を小前提にあてはめて結論を導き出す、法的三段論法そ
のものですから、この法的三段論法が理解出来ていれば、それほど難しくはないのですが・・・
公式(大前提)を事例(小前提)にあてはめていく数学と同じ思考プロセスですね。
この「適用」(当てはめる)が上手に出来るようになるためには、やはり、ある程度の「トレーニン
グ」が必要になってきます。
といっても、このあてはめにも、一定のパターンがありますので、あてはめのパターンを習得した
方が近道です。
民・行☆解法ナビゲーション講座では、
肢別ドリルを使って、この「適用」(あてはめる)の「トレーニング」についても行っていますので、
「適用」(あてはめる)の参考にしてみてください!
民・行☆解法ナビゲーション講座の詳細
なお、現在、会社法☆解法ナビゲーション講座(6時間)の配信が始まっています。
≪会社法☆解法ナビゲーション講座≫
本講座では、
過去問のストックが少ない行政書士試験の過去問の他に、司法試験・予備試験・司法書士試験
の過去問も入った肢別ドリルを使いながら、アウトプット→インプット同時並行の実践型講義で、
会社法で頻出している、①出題パターンと、②解法パターンを伝授していきますので、是非、商
法を得点源にしてみてください。
なお、商法総則・商行為については、 商法総則・商行為☆解法ナビゲーション講座(2時間)を、
9月3日~無料公開講座として、web配信いたします。
商法では、5問中3問程度は得点したいところです。
以上のように、問題が解けるようになるためには、前提知識の①覚える(記銘)→②思い出す
(検索)→③あてはめる(適用)という、問題の解ける化のプロセスを意識してほしいと思います。
覚える!と思い出す!
まだまだ、やるべきことやっていけば、得点は上がっていきます!
勉強の中心も、
いよいよ、知識の使える化フェーズから、問題の解ける化フェーズへ
突入ですね!
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