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合格発表から、1か月が経ちました。
今回は、本格的に講座が始める前に、どうして問題が解けないのかについて、もう一度、ふり返り
を行っていこうと思います。
どうして問題が解けないのかが見えてくれば、どうすれば問題が解けるようになるのかも見えてく
るのではないかと思います。
両者は、コインの表と裏の関係ですから。 まずは、皆さんが、本試験で問題を解く際のプロセスを、
認知心理学の知見も参考にしながら「見える化」していきます。
認知心理学による「見える化」
通常、本試験では、まず問題文中の「キーワード」を発見して、その問題を解くために必要な前提
知識を「アタマ」の中から「検索」していきます。
次に、その「検索」した前提知識を、問題文の事例に「適用」(あてはめ)して、効果が発生するか
否かの結論を出していきます。
図解すると、以下のようになります。
これを時間軸の「視点」からみると、前提知識の①「記銘」→②「検索」→③「適用」という順番に
なります。
したがって、問題が解けないという場合、この前提知識の①「記銘」→②「検索」→③「適用」の
どこかで躓いていること(ボトルネックが存在すること)が、その要因として考えられます。
①「記銘」
合格コーチも、今まで、再受験生の方を中心に、数多くの受験生を見てきました が、やはり、問
題が解けない大きな要因は、前提知識の「記銘」にあると思います。
つまり、問題を解くために必要な前提知識が「ない」か、あるいは、前提知識が「ある」けれども、
その精度が低いため、問題が解けないということです。
市版のいわゆる一冊本だけをテキストとして使って勉強している方が、本試験で全く得点できな
いのは、問題を解くために必要な前提知識が「ない」場合が、最大の要因ではないかと思います。
やはり、市販の一冊本では、民法・商法・憲法・一般知識を中心に、本試験レベルの知識量が、
どう見ても足りませんから、何かで補っていく必要があります。
本試験では、法令科目においては、条文と判例の知識が問われて
います。
平成29年度の本試験は、法令科目の約50%が、判例の知識を問う問題でしたから、やはり、判
例の「内容」に関する知識が「ない」と、問題は解けないはずです。
本試験では、過去問と全く同じ問題は、ほぼ出題されません。
したがって、問題が解けなかったのは、過去問や一問一答を何回も繰り返し解いて、正答率を
100%に出来なかったことが理由ではないことは、冷静に考えれば、誰にでもわかることです。
この点に気がつかないと、毎年毎年、不合格という、同じことの繰り返しになってしまう危険性が
ありますので、要注意です。
条文と判例の知識を問う試験において、得点出来ないのは、やはり、条文と判例の知識が「な
い」ことが、最大の要因です。
180点が取れない最大の要因=条文と判例の知識不足
もっとも、知識が「ある」場合でも、その知識の精度が低ければ、問題が解けないのではないか
と思います。
知識の精度が「低い」というのは、
リーダーズ式☆3ステップ学習法(①理解→②集約→③記憶)でいうと、「理解」が不十分である
場合と、「記憶」が不十分である場合を意味します。
その内容を「理解」したかどうかは、通常、その内容を話せるか、書けるかで判断することができ
ますから、もし、その内容を話せない、書けないということは、やはり、「理解」が不十分であるこ
とを意味します。
例えば、平成29年度の行政法の記述式(問題44)は、超Aランク判例である、宝塚市パチンコ条
例事件判決の「理解」を問う問題でした。
この判例のロジックをきちんと「理解」していれば、①行政権の主体、②法律上の争訟、③却下判
決というキーワードがきちんと書けたはずです。
最近の本試験問題は、
判例のロジックをきちんと理解しているかどうかを問う問題が、択一式・記述式問わず出題されて
いますので、今年リベンジされる方は、判例の結論だけでなく、判例のロジックや理由付けをきち
んと「理解」する学習をしてほしいと思います。
一方、「二択まで絞れたのに症候群」などは、「記憶」が不十分な場合の典型例ですので、やはり、
本試験直前期に記憶の時間をきちんと取ったかが重要になってきます。
この前提知識は、最終的には記憶する必要がありますから、個々の葉っぱの識ではなく、過去問
「分析」によって、①グルーピング→②抽象化→③構造化された、いわゆる汎用性のある「使える
知識」であることが望まれます。
この知識の「抽象化」の重要性ついては、代ゼミの英語の第一人者でもある富田先生も、そのご
著書の中で次のように書かれています。
『教育の成功のカギは、どれだけ学習者の抽象化能力を高められるかにかかっていると言っても
いい。抽象化とは「表面が違って見えるものの、中身に共通性を見出す」ことだ。』
また、受験コーチの池田氏も、勉強で結果を出す最大のカギは「抽象化」であると、その著書の中
で書かれています。
『やったことのあることはできる。やったことのないことはできない。初見の問題に対して、めっぽう
弱かったのです。しかし、試験というのは、当然ながら初見の問題を たくさん出てきます。』
何が問題なのか。どうすればいいのか。
『私の出した結論は、「今目の前にある問題が解けることが大事なのではなく、今目の前にある
問題から、他の問題にも通用する原理原則を学ぶことが重要なのだ」ということでした。
1つの具体的な問題を見るのではなく、そこから抽象的な原理原則に目を向ける。つまり、1つの
具体的な問題を「抽象化」することができれば、ありとあらゆるどんな問題にも対応できる力が身
につくということです』
したがって、問題を解くために必要な前提知識を「記銘」していく段階では、テキストや過去問の
単なる知識を、どれだけ「抽象化」できるかを意識していく必要があります。
知識の「抽象化」=知識の「使える化」
① グルーピング
↓
② 抽象化
↓
③ 構造化
「使える知識」は、図解化、あるいは、図表化していくと、記憶しやすく、結果として精度の高い正
確な知識になっていきます。
知識の抽象化の重要性については、以下の記事もご参照ください。
↓
結局、本試験では、 こういう出題の「ツボ」について、手を変え、品を変えて、何度も繰り返し聞い
てきます。
したがって、再受験生の勉強の中心は、
このような出題の「ツボ」=「使える知識」を、どれだけ「アタマ」の中にストックすることができるか
ではないかと思います。
そのために求められるのが、過去問「分析」であって、過去問をただ
何回も繰り返し解いても、使える知識にはなりません・・・
ただテキストを何回も繰り返し読んだり、ただ過去問や一問一答をただ何回も繰り返し解いても、
なかなか合格点である180点が取れない理由は、このあたりにあるのではないでしょうか。
②「検索」
実は、問題を解くために必要な前提知識は「アタマ」の中に入っているにもかかわらず、問題が解
けない場合も、かなりあるはずです。
例えば、あとで解答を見て、
「ああ!あの話のことね!」というようにわかる場合などです。
毎年、本試験の終了後、カウセリングを行っていますが、そのカウンセリングの際に、受験生の皆
さんに、本試験の問題冊子を持参してもらっています。
受験生の皆さんの問題冊子を見ると、その方がどのようなプロセスで問題を解いていったのかが
よくわかります。
特に、その問題を解く際に気づかなければならない「キーワード」に、きちんとアンダーラインやマ
ーキングが出来ているかを見るだけで、その方の成績がだいたい分かってしまいます。
実は、「キーワード」というのは、
その問題を解くために必要な前提知識を「アタマ」の中から「検索」する際のインデックスになるも
のです。
その意味では、問題文中の「キーワード」に気づくかどうかが、問題を解くうえでも、かなり重要な
要因になってくると思います。
したがって、再受験生の勉強の中心は、
問題文中のこの「キーワード」を見たら、この前提知識を「検索」していくという、自分なりの「検索」
パターンを作っていくことだと思います。
いわゆる、キーワード反射です。
問題を解く時間が遅く、模試などでも時間が大幅に足りなくなる方は、この前提知識の「検索」が
上手く出来ていないのが、ひとつの要因です。
ゼミなどで、受講生の皆さんと双方向の講義をやっているとよくわかるのは、知識がある受験生
ほど、正解を導くのとは全く関係がない「ワード」に反応してしい、全く違う前提知識を「検索」して
しまう方が多いということです。
その「ワード」はスルーしていいのに・・・という方が多いです。
さて、ここまでお話してきて、勘のいい方なら、本当の「アウトプット」というものがどういうものなの
かが見えてきたのではないかと思います。
インプット=入力
アウトプット=出力
つまり、アウトプットというのは、インプットした知識を外に出すこと=「検索」することを意味します。
受験業界では、
通常は、問題を「解く」ことがアウトプットと云われていますが、本当は、問題を「解く」こと自体が重
要なのではなく、その問題を解くのに必要な前提知識をスムーズに出力すること、すなわち、「検
索」することができるかが重要なのです。
したがって、問題を沢山解かなくても、アウトプットの練習はいくらでも出来るはずです。
《記憶のプロセス》
(1)符号化(記銘)
(2)貯蔵(保持)
(3)検索(想起)
なお、この「検索」(想起)の重要性については、精神科医の和田先生もご著書の中で書かれてい
ますので、ご参照ください。
例えば、平成28年度の民法の記述式(問題45)のような、テーマ未表示型の記述式の場合、何の
テーマの話なのかを、民法の全体構造(フレームワーク)の中から検索していく力が必要になって
きます。
森から木、木から枝、枝から葉へ
こういう思考のための雛型(フレームワーク)がアタマに入っていないと、知っている問題や見たこ
とがある問題は出来るけど、そうでない未知の問題については、全く出来ないという結果になって
しまいがちです。
基本書フレームワーク講座、合格スタンダード講座では、
民法の全体構造(フレームワーク)から考えることで、本試験だけでなく、実務でも使える思考のた
めの雛型(フレームワーク)を伝授していきます。
③「適用」
知識優位型の問題であれば、前提知識の①「記銘」と②「検索」がきちんと出来れば理論上は、解
答を導けるはずです。
ところが、現場思考型の問題の場合、最後のステップである、③「適用」(あてはめ)が上手に出来
ないため、解答を導くことができないケースが多々出てきます。
民法が苦手な方の多くは、やはり、③「適用」(あてはめ)が出来ていない場合が多いのではない
かと思います。
③「適用」(あてはめ)が上手に出来るようになるためには、やはり、ある程度の「トレーニング」が
必要になってきます。
といっても、このあてはめにも、一定のパターンがありますので、あてはめのパターンを習得した方
が近道です。
2018年対策の講座では、新規開講する、解法☆ナビゲーション講座の中で、この適用(あてはめ)
の「トレーニング」について行っていきます。
お楽しみに!
以上のように、問題が解けるようになるためには、前提知識の①「記銘」→②「検索」→③「適用」と
いうプロセスが重要になってきます。
皆さんも、日頃の勉強をする際には、是非、このプロセスを意識しながら学習を進めてほしいと思
います。
基本書フレームワーク講座・合格スタンダード講座においても、この問題を解くプロセスを意識しな
がら、講義を進めていきます。
≪法律初学者向け講座≫
≪再受験生向け講座≫
資格試験の勉強において、その方法論である勉強法はとても重要に
なってきます。
したがって、180点が取れないのも、この勉強法が確立していないこ
とが、一つの要因ではないかと思います。
以前、ご紹介した、柳川範之著『東大教授が教える知的に考える練習』の中でも、膨大な情報を
頭の中で、どう知性に変換すればいいのか?という答えとして、ものごとを抽象化して構造をとら
えるクセをつけることを挙げています。
抽象化→構造化
そして、抽象化の方法として、次の3つを挙げています。
① 幹をつかむ
② 共通点を探す
③ 相違点を探す
このように、知識を抽象化していく勉強法というのは、再現性が高く汎用性のある使える勉強法
ですので、是非、皆さんも、日頃の勉強の中に取り入れてみてください。
≪再現性が高く汎用性のある勉強法=知識の「抽象化」≫
① グルーピング
↓
② 抽象化
↓
③ 構造化
受講生の皆さんには、
すでに、民法の講義の中で、この再現性が高く汎用性のある勉強法について、具体的に問題を
使いながらお話しています。
再現性が高く汎用性のある勉強法=帰納法的思考
受講生の皆さんは、講座を受講する中で、是非、この思考法を修得して、過去問や肢別本を、
ただ何回も繰り返し解く勉強法から、早く脱却してほしいと思います。
また、合格コーチの担当するゼミでは、出題予想問題を使いながら、①グルーピング→②抽象化→
③構造化という、再現性が高く汎用性のある勉強法に基づいて、実践的な出題パターン及び解法パ
ターンを、ゼミ形式で伝授していきます。
合格コーチの担当した、昨年のリーダーズゼミ3期生の合格率は、大阪が60%、東京が62.5%
という高い合格率になっています。
大阪クラス 合格率60%
東京クラス 合格率62.5%
ゼミ生の多くの方が時間のない社会人の方ですので、このように、知識を抽象化して、出題パター
ン及び解法パターンを抽出していく勉強法は、時間のない社会人の方が、資格試験に合格するた
めの方法論としても有効なのではないかと思います。
時間のない社会人のための知識集約化ゼミ
時間のない社会人の方で、再現性が高く汎用性のある勉強法に基づいて、効率的に行政書士試
験に合格したい皆さんのご参加をお待ちしております!
今年も、昨年と同様に、ゼミの中で、この再現性が高く汎用性のある勉強法についても、詳しくお話
していきますので、是非、一生役立つ思考法を、身に付けてみてください!
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