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1 フォロー講義
前回の講義中にもお話しましたが、行政法は、問題文の選択肢がどれも短いので、
結局は、「キーワード」に瞬時に反応できるかが勝負になります。
昔出題したキーワードテストです。
答えのキーワード(定義)がパッと出てくるでしょうか?
1 ( )とは、法律が、行政機関に独自の判断余地を与え、一定の活動の自由を
認めている場合のことをいう。
2 ( )とは、義務の存在を前提とせず、行政上の目的を達するため、直接身体も
しくは財産に対して有形力を行使することをいう。
3 ( )とは、私法上の法律関係に関する訴えの中で、行政庁の処分・裁決の効力・
存否が前提問題として争われる訴訟をいう。
4 ( )とは、行政行為の効力の発生・消滅を発生確実な事実にかからしめる制
度をいう。
5 ( )とは、行政庁が、法律に基づき、公権力の行使として、直接・具体的に国民
の権利義務を規律する行為をいう。
6 ( )とは、行政の一体性を保持するために出される命令をいい、それが書面化
されたものを通達という。
7 ( )とは、本来的自由に属しない特権ないし特別な能力を行政庁が私人に付
与する行為をいう。
8 ( )とは、行政行為の適法な成立後、公益上の理由が生ずるなどの後発的な
事情の変化により当該行為を維持することが必ずしも適当でなくなった場合に、こ
れを将来的に無効とすることをいう。
9 ( )とは、一定期間を経過すると、私人の側から行政行為の効力を争うことが
できなくなる効力をいう。
10 ( )とは、国または公共団体等により、直接公の目的のために共用される個々
の有体物をいう。
11 ( )とは、法律があることを前提として、当該法律を具体的に実施するために
必要な事項を定める命令をいう。
12 ( )とは、それが違法であっても直ちに無効とはならず、一定の手続を経ない
限り有効なものとして扱われる効力をいう。
13 ( )とは、行政上の権利義務を負い、自己の名と責任において行政活動を行
う法人をいう。
14 ( )とは、警察官・収税官・自衛官などの実力行使を担う機関をいう。
《キーワード反射》
① キーワードの発見
↓
② テーマ検索
↓
③ 前提知識の適用
①キーワードの発見→②テーマ検索が瞬時に出来るようになるためにも、まずは、
パワーポイントのスライド集の各テーマの「フレームワーク」をアタマに入れること
が大切です。
例えば、 パワーポイント「第6章-②」で、行政立法のツリーの内容が、何も見な
いで答えることができるようになることが大切です。
①定義→②分類(基準)→③グルーピング
受講生の皆さんは、他の科目以上に、「キーワード」と「フレームワーク」を意識した
行政法の学習をしてほしいと思います。
2 復習のポイント
① 行政立法(1)
まずは、パワーポイト「第6章-②」で、行政立法の「フレームワーク」ときちんとア
タマの中に入れておいてください。
講義の中でもお話したように、①定義→②分類(基準)→③グルーピングという視
点は、択一式・多肢選択式・記述式を問わず、行政法では重要な視点になってき
ます。
平成27年度の問題(パーファクト過去問集問題16)も、この視点からの出題でした
が、皆さんの正答率は、あまりよくありませんでした・・・
行政立法は、平成19年度以降、行政法総論の中では、超頻出重要テーマとなって
いますので、過去問分析をするときは、櫻井・橋本「行政法」との照合を行ってみて
ください。
アウトプット(過去問)→インプット(基本書)☆
次に、櫻井・橋本「行政法」p60以下、総整理ノートp9で、①誰が、②どのような命
令を制定することができるのかを、なるべく早めに「アタマ」に入れてみてください。
このあたりは、過去問を、①グルーピング→②抽象化していけば、誰でも、ひっか
けのツボがわかるはずです・・・
資格試験の勉強をするときには、常に、①何を、②どのように記憶していけば、得
点できるのかという視点から、学習を進めてみてください。
また、パワーポイント「第6章-⑤」で、法規命令の体系について、法律→命令の
視点から知識を整理しておいてください。
この視点は、平成27年度に直球で出題されていますが・・・
最後に、パワーポイント「第6章-⑥」、櫻井・橋本「行政法」p63以下で、委任命令
について、委任する法律側で問題となる点を、最新判例とともに理解しておいてく
ださい。
また、櫻井・橋本「行政法」p64以下で、委任命令について、委任された命令側で
問題となる点を、最新判例とともに知識を整理しておいてください。
もっとも、このテーマは、平成26年度に直球で出題されていますので、しばらくは
お休みからもしれませんが・・・
ただ、総整理ノートp12の最新判例は、未出題です。
② 行政立法(2)
まずは、櫻井・橋本「行政法」p66以下で、行政規則の問題状況について、法律に
よる行政の原理から、もう一度、よく理解してみてください。
キーワードは、内部法の外部化
次に、「行政法」p67以下で、行政規則の種類について、講学上の概念と実定法
上の概念に区別して、概念を整理しておいてください。
行政書士試験は、大学教授が問題を作成していますので、こういう概念の区別等
も過去問には出題されていますので、要注意です。
最後に、総整理ノートp13以下の2つの通達に関連する判例を、もう一度、よく理
解しておいてください。
通達については、平成22年度に直球で出題されていますが、問題は、行政法総
論+事前手続+事後手続という総合問題として出題されています。
知識と知識の「つながり」☆
このように、行政法総論のテーマを問う場合、本試験では、事前と事後の「視点」
とリンクさせながら問題が作られています。
時間的に余裕のある方は、行政法総論部分と行政事件訴訟法と国家賠償法を、
クロスリファーさせながら、読み進めてみてください。
③ 行政行為(1)
まずは、パワーポイント「第7章-①」、総整理ノートp15で、他の行政作用とは異
なる行政行為の特色を、よく理解しておいてください。
行政行為は、講学上の概念で、実定法上は、「処分」という概念が使われていま
すので、この2つの概念を、櫻井・橋本「行政法」p267とリンクしておいてください。
行政行為≒処分
次に、パワーポイント「第7章-④」、「行政法」p76以下で、二重効果的処分(三面
関係)の基本パターンを、p280も参考にしながら、「アタマ」の中に入れておいてく
ださい。
この三面関係パターンは、行政事件訴訟法の訴訟類型や訴訟要件を検討してい
く中で、重要な基本パターンとなります。
民法の頻出パターンと同じように、行政法も、頻出パターンで知識を集約化してお
くと、記憶しやすいのではないかと思います。
事例のパターン化
最後に、パワーポイント「第7章-⑤」以下で、行政行為の分類について、区別の
「実益」を考えながら知識を整理しておいてください。
区別の「実益」 本試験でも、単なる区別ではなく、その「実益」を聞いていますので、
日頃の勉強でも、区別の「実益」を意識してみてください。
資格試験の勉強をするときも、常に、その勉強の「実益」を考えながら、勉強して
いくと無駄なことをやらずにすむのではないかと思います。
区別のための区別ではなく、区別の「実益」を強調する、櫻井・橋本「行政法」は、
この意味でも、本試験向けの教科書と云えます。
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