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1 フォロー講義
前回の講義で、パワーポイント「UNIT1-①~③」を使って、法律を学習する際の
基本的なアタマの使い方である法的三段論法についてお話していきました。
法的三段論法
=大前提である法規範に、小前提である事実をあてはめる。
パワーポイント「UNIT1-③」は、平成15年度の本試験の過去問ですが、この問
題文が小前提、民法109条が大前提となります。
パワーポイント「UNIT1-③」は、民法109条の要件①を満たさないために、表見
代理が成立せず、本人Yには契約上の効果が帰属しません。
このように、民法のアタマの使い方が、法的三段論法であることがわかれば、民
法の学習において、何を、どのように記憶しておけば本試験で得点することがで
きるのかが明確になってくるのではないかと思います。
要件→効果
最近の記述式の問題でも、民法の条文に書いてある、要件と効果をそのまま書
かせる問題が頻出しています。
また、条文上の要件・効果が、抽象的で一義的でない場合には、その部分を裁判
所が、条文の解釈=判例によって補っていきます。
行政書士試験においても、
民法では、条文の知識を問う問題とともに、判例の知識を問う問題が数多く出題
されるのもこのためです。
リーダーズ式☆総整理ノートには、
このような最近の民法の出題傾向に合わせて、最新判例も含めて、判例の知識
をかなり多く入れてあります。
受講生の皆さんは、重要な制度に関する要件と効果を記憶していくとともに、その
要件と効果に関する重要判例についても、きちんと知識を整理しておいてください。
2 復習のポイント
① 大村基本民法の体系
「基本民法」シリーズは、 ①債権総論と各論を入れ替えて、②債権総論と担保物
権を一緒に講義するなど、民法を現実の社会で「機能的」に使えるように再編成し
ています。
基本民法Ⅰは、民法総則・物権総則など、抽象的な規定が多いため、「体系的理
解」がとりわけ重要な分野です。
したがって、基本民法p19以下と「内容関連図」をリンクさせながら、基本民法Ⅰの
地図(森)を皆さんの「アタマ」の中にしっかりと創ってみてください。
何かを「学ぶ」ときのつまずきの第一歩は、「アタマ」の中に、これから歩いていく
地図(森)が作れないことです。
地図がないと、ほとんどの場合、どこかで迷子になってしまいます。
皆さんは、民法の森で迷子にならないように、「内容関連図」をコピーするなどして、
いつも地図を手元に置きながら学習を進めてみてください。
② 意思表示(1)
まずは、総整理ノートp24で、心裡留保の要件・効果を確認した上で、「代理人の
権限濫用」において、もう一度、心裡留保が登場することを覚えておいてください。
パーフェクト過去問集問題10(行政書士試験平成22年度)では、心裡留保に関す
る選択肢が正解となっています。
講義でもお話したように、心裡留保に関する知識(要件・効果)があっても、問題文
のキーワードから、心裡留保という「テーマ検索」ができない限り、問題は解けません。
平成27年度の記述式の問題でも、
同様に、嫡出否認の訴えに関する知識があっても、問題文のキーワードから、嫡
出否認の訴えという「テーマ検索」ができないと、親子関係不存在確認の訴えとい
う答えを書いてしまいます。
《問題を解く3段階プロセス》
①記銘→②検索→③適用
問題文を読んで、きちんと「テーマ検索」ができるようになるためには、やはり、そ
のテーアに関連するキーワードも、同時にアタマの中に入れておく必要があります。
そのテーマについては、きちんと学習したはずなのに、上手に「テーマ検索」がで
きないため、全く違うことを書いてしまう方は、日頃の勉強の中で、キーワードを
意識した学習を心がけてみてください。
受講生の皆さんは、
問題10の問題の作り方(問い方)をよく分析しながら、本試験当日までに、どのよう
な勉強をしていく必要があるのかをよく検討してみください。
次に、総整理ノートp25以下で、虚偽表示の要件・効果を確認した上で、パワーポ
イント「UNIT3-④」で、虚偽表示の典型事例(強制執行事例)を確認しておいてく
ださい。
民法は、具体的事例の中で考えながら学習を進めていくと、イメージが湧いてくる
科目ですので、日頃から、具体的事例で考えるようにしてみてください。
最近の本試験問題は、
長文の事例の中からキーワード(論点)を発見させる問題発見型の問題が多くな
っています。
大村基本民法には、具体的事例が、「たとえば~」という形で数多く書かれていま
すので、講義で触れなかった所もよく検討しておいてください。
なお、虚偽表示については、ここでは基本的事項のみで、この後で、本丸(第三者
保護・94条2項類推適用)が登場します。
③ 意思表示(2)
まずは、総整理ノートp28、p30で、錯誤・詐欺の要件・効果について知識を整理し
ておいてください。
次に、パワーポイント「UNIT4-③」で、第三者詐欺について、知識を確認した上
で、その知識がどのように問われるのかを、パーフェクト過去問集問題8、問題10、
問題12で検討しておいてください。
民法は、条文や判例の知識があっても、問題が解けない方が多くいる科目ですが、
やはり、大切なのは、その知識が、どのように問われるのかという出題パターンを
掴むことではないかと思います。
過去問は、
ただ何回も繰り返し解くものではなく、このように、その知識がどのように問われる
のかという出題パターンを抽出するためのツールと云えます。
基本書フレームワーク講座では、
講義の中で、過去問を検討しながら、出題パターンを伝授していきますので、受
講生の皆さんは、復習の際に、きちんと知識と問題のリンクを行ってみてください。
次に、パワーポイント「UNIT4-④」で、「意思表示理論」の構造について理解した
上で、具体例を使って、「動機の錯誤」と「通常の錯誤」との違いを理解してみてく
ださい。
その上で、パワーポイント「UNIT4-⑦」の静的安全と動的安全の調和の視点か
ら、総整理ノートp29で、判例の結論をきちんと書けるようにしておいてください。
民法には、
条文(制度趣旨)や論点(A説・B説)など、静的安全と動的安全の「視点」が問題
となっているものが数多くあります。
ものごとを学習するときに大切なことは、どこに光を当てながら内容を見ていくの
かという「視点」や「切り口」を持つことだと思います。
民法で言えば、「要件→効果」という「切り口」や、その背後にある静的安全と動的
安全という「視点」(目玉マーク)が重要になってくると思います。
基本書フレームワーク講座では、
受講生の皆さんに、こういう「視点」や「切り口」という思考の「フレームワーク」を提
示しながら講義を進めていきます。
受講生の皆さんも、細かい知識を頭に入れていく学習ではなく、「大きな視点」か
らものごとを考える習慣を、是非、身につけてみてください。
森から木、木から枝、枝から葉へ
次回は、錯誤のまとめとして、静的安全と動的安全の「視点」について、歴史の流
れに位置づけながら見ていきます。
~お知らせ~
最近の民法の記述式の問題は、
日頃はほとんど学習しないようなマイナー条文から、つまり、こんな条文、記述式
では出題されないだろう!という条文から、2問中1問が出題されています。
案の定、受験生の皆さんは、ほとんど出来ていませんが・・・
現在、youtubr動画で、民法マイナー条文☆記述式シリーズを収録しておりますの
で、順次アップしていく予定です。
民法マイナー条文☆記述式シリーズ
↓こちらから
マイナー条文記述式対策は、是非、このyoutube動画も参考にしてみてください!
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