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前回の講義で少しお話したように、行政書士試験の憲法問題は、繰り返し出題され
るテーマは、本当に繰り返し出題されています。
例えば、次のようなテーマです。
まずは、平成16年度の問題です。
問題1 表現の自由に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例の趣旨に照らして、
妥当なものはどれか。
1 取材の自由は、表現の自由を規定した憲法第21条の保護のもとにある。
2 報道の自由は、憲法第21条の精神に照らし、十分尊重に値する。
3 法廷での筆記行為の自由は、憲法第21条の精神に照らして尊重に値し、故なく
妨げられてはならない。
次に、平成18年度の問題です。
問題2 次の文章は、表現と行為の関係に言及した、ある最高裁判所判決の一節
である。これを読み、同様に純然たる意見表明ではない各種の行為に対して、判例
が採っている考え方として誤っているものは、次の1~5のうちどれか。
憲法21条の保障する表現の自由は、民主主義国家の政治的基盤をなし、国民の基
本的人権のうちでもとりわけ重要なものであり、法律によつてもみだりに制限するこ
とができないものである。そして、およそ政治的行為は、行動としての面をもつほか
に、政治的意見の表明としての面をも有するものであるから、その限りにおいて、憲
法21条による保障を受けるものであることも、明らかである。
3 一般人の筆記行為の自由について、それが、さまざまな意見、知識、情報に接し、
これを摂取することを補助するものとしてなされる限り、憲法21条の規定の精神に照
らして十分尊重に値するが、表現の自由そのものとは異なるため、その制限や禁止
に対し、表現の自由の場合と同等の厳格な基準は要求されない。
5 報道機関の報道が正しい内容をもつためには、報道のための取材行為も、憲法
21条の規定の精神に照らし、十分尊重に値するから、報道の公共性や取材の自由
への配慮から、司法記者クラブ所属の報道機関の記者に対してのみ法廷において
メモを取ることを許可することも、合理性を欠く措置とはいえない。
最後に、昨年度(平成25年度)の問題です。
問題3 次の1~5は、法廷内における傍聴人のメモ採取を禁止することが憲法に
違反しないかが争われた事件の最高裁判所判決に関する文章である。判決の趣旨
と異なるものはどれか。
1 報道機関の取材の自由は憲法21条1項の規定の保障の下にあることはいうまで
もないが、この自由は他の国民一般にも平等に保障されるものであり、司法記者クラ
ブ所属の報道機関の記者に対してのみ法廷内でのメモ採取を許可することが許され
るかは、それが表現の自由に関わることに鑑みても、法の下の平等との関係で慎重
な審査を必要とする。
4 さまざまな意見、知識、情報に接し、これを摂取することを補助するものとしてな
される限り、筆記行為の自由は、憲法21条1項の規定の精神に照らして尊重される
べきであるが、これは憲法21条1項の規定によって直接保障される表現の自由その
ものとは異なるから、その制限又は禁止には、表現の自由に制約を加える場合に一
般に必要とされる厳格な基準が要求されるものではない。
昨年度の問題は、このテーマに関する出題の「ツボ」がきちんを掴めていれば、おそ
らく、秒殺問題であったと思います。
全体の正答率は、かなり低かったですが・・・
では、この3問に共通する出題の「ツボ」は何でしょうか?
≪出題のツボ≫
①どのようなテーマから
②どのような問題が
③どのような「視点」から出題されているのか?
この3問をただ1問1問、何回も解いていくのではなく、この3問に共通する視点
(出題の[ツボ])を探していく、それがまさに、知識の抽象化であり、山田式!が
講義の中でお話していることです。
資格試験の勉強で大切なことは、
ただテキストを何回も読んだり、ただ過去問・問題集の問題を何回も解くことで
はなく、試験委員の作問した過去問から、試験委員のキキタイコト(出題のツボ)
を発見していくことです。
自分の勉強していることと、試験委員のキキタイコトがズレていると、なかなか試
験には、合格することができませんから・・・
問題作成者との「対話」
まあ、無闇に頑張らない、ものぐさ勉強法ですが(笑)・・・
すいません!ものぐさな性格で・・・
詳細については、次回、三段階審査のフレームワークを説明をする中でお話して
いきます。
ヒントは、憲法学読本のp89とp81に書いてあります。
こういう試験委員のキキタイコト(出題のツボ)が、きちんと書かれているため、講
座のテキストとして、「憲法学読本」を使っているわけですが・・・
三段階審査の「視点」を知れば、最近の憲法の問題で共通して聞かれていること
が見えてくるはずです。
何ごとも、こういう、一定の「視点」や「切り口」に基づいて、やるべきことをやって
いく方が、上手くいく可能性が高くなるのではないかと思います。
ビジネスの世界でも同じです。
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