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1 フォロー講義
講義の中でもお話しましたが、行政法は、択一式・多肢選択式・記述式を通じて、
定義に関する問題が、数多く出題されています。
例えば、平成24年度の多肢選択式は、
通達の定義(問題42空欄ア)に関する問題と、作用法的行政機関概念と事務配
分的行政機関概念の比較(問題43)の問題が出題されています。
また、平成24年度の記述式は、形式的当事者訴訟の定義、平成23年度は、即
時強制の定義、平成22年度は、事情判決の定義に関する問題が出題されてい
ます。
このように、行政法は、 他の科目に比べて定義を問う問題が多いので、行政法
で高得点が取るためには、きちんと定義を「アタマ」の中に定着化(記憶)させる
ことが大前提となります。
択一式とは異なり、40字で書かせる記述式の問題では、最終的には、きちんと
定義が書けることが求められています。
受験回数が多くなっている方ほど、定義という最も基本的なことを記憶せずに、
只管、問題ばかりを一生懸命解いている人が多いようです。
心当たりのある方は、要注意です!
受講生の皆さんは、 プログレカード(基礎)や櫻井・橋本「行政法」で、行政法の
重要な制度の定義について、記憶の作業を、なるべく早めに行ってみてください。
もっとも、定義を、一言一句正確に記憶することは無理ですので、必ず、いくつ
かのキーワードに分解しながら、自分なりに記憶の工夫をしてみてください。
定義のキーワード化☆
このあたりが、行政法で高得点を取っていくための、勉強法の「ツボ」ではない
かと思います。
2 復習のポイント
① 行政上の義務履行確保(2)
まずは、パワーポイント039、カード061で、直接強制と即時強制の相違点につ
いて、条例による創設の可否の視点から、知識を整理しておいてください。
即時強制は、平成23年度の記述式で出題されています。
次に、櫻井・橋本「行政法」p189以下で、その他の義務履行確保の手段につい
て、過去問の問い方を参照しながら知識を整理しておいてください。
行政法は、知識優位型の科目の典型ですから、最後は知っているか知らない
か、読んだことがあるか読んだことがないかの世界になってしまいます。
その意味でも、行政法は、櫻井・橋本「行政法」を出題予想のツールとして使い
ながら、出題の「ツボ」を掴んでいく学習をお薦めします。
② 行政上の義務履行確保(3)
まずは、カード063で、行政罰の全体構造について理解した上で、行政刑罰と
秩序罰の相違点をざっくりと整理してみてください。
次に、パワーポイント069、カード064・065で、司法的執行について、もう一度、
2つの判例をよく読んでおいてください。
講義中にもお話した宝塚市パチンコ条例事件(最判平14.7.9)は、とても興
味深い判例ですので、「事案」と「顛末」を少し詳細にコメントしておきます。
憲法学読本の宍戸先生曰く、この判例は、3バカ判例の1つと云われている
そうです。
(1) 事案
宝塚市は、パチンコ店の建設計画に対する地域住民の反対運動を契機に、昭
和58年に、本件条例を制定。
本件条例には、パチンコ店を建設する者は、①市長の同意を要し(3条)、②市
内では商業地域以外は、市長は同意をしないとし(4条)、③同意なく建築を進
めようとする業者に対しては、建設等の中止などの措置を命ずる制度(8条)が
置かれていた。
パチンコ業者Ⅹは、市長の同意なく建設工事の続行したため、宝塚市は、Ⅹに
対して、条例8条に基づいて、建築工事の中止命令を発したが、本件条例には、
業者が中止命令に応じないとき、刑事罰を含めてこれに対する制裁措置は何
ら規定されていなかった。
そこで、宝塚市は、Ⅹに対して、建築工事の続行禁止を求める仮処分を申し立
て、申立てを認容する決定を得たのち、建築工事の続行禁止を求める民事訴
訟(司法的執行)を提起
神戸地裁(第1審)・大阪高裁(第2審)は、本件条例は、風営法・都市計画法・
建築基準法が許容しない規制を定めていると理由で、本件条例を無効とし、
宝塚市の請求を「棄却」
これに対して、最高裁は、国又は地方公共団体が専ら行政権の主体として国
民に対して行政上の義務の履行を求める訴訟は、「法律上の争訟」に当たらな
いとして、訴えを「却下」 本件事案には、
①行政上の義務の民事執行(司法的救済)の可否
②法律と条例との関係(上乗せ条例・横出し条例)
③法律上の争訟(司法権)の意義 という、
憲法と行政法とに関連する点が問題となってきますので、皆さんになりに、今
までの学習の復習も兼ねてよくフォローしておいてください。
(2) 顛末
神戸地裁が、宝塚市によるパチンコ店の建設工事禁止の仮処分で、営業がで
きず損失を受けたとする業者Ⅹの訴えを受けて、同市に対して、3億2500万円
の支払いを命令。
この点については、2007年2月、最高裁は、宝塚市の上告を棄却したため、同
市に3億4800万円の支払いを命じた大阪高裁判決が確定し、同市は利子分を
合わせて約4億8700万円を支払うことに。
宝塚市が、約4億8700万円も支払わなければならなかったのも、そもそも、本
件条例に、義務違反に対する措置が何ら規定されていなかったことが原因です。
では、今後は、どのような条例を制定すればよいでしょうか?
この点について、問題化したものが、実は、平成22年度(他資格セレクト過去
問問題36)の過去問です。
③ 行政契約
まずは、櫻井・橋本「行政法」p130で、法律による行政の原理から、行政契約と
いう作用を理解してみてください。
昨年、 侵害留保理論から、行政契約については法律の根拠が必要であるとい
う選択肢を正解にされた方は、もう一度、法律による行政の原理を、きちんと理
解しておいてください。
行政契約については、
昨年の講義の中で、公害防止協定に関する最新判例が出ているので、要注意
テーマであるとお話していましたが、その予想通りに出題されました。
行政法は、
試験委員が最新判例に刺激を受けて、問題を作ってくる科目ですので、最新判
例が出ているテーマは要注意です。
そのために、櫻井・橋本「行政法」を、ツールとして使っているといっても過言で
はありません。
次に、OHCで整理した水道法シリーズについて、カード047の裏にメモを入れた
上で、水道法に関連する2つの判例をもう一度読んでおいてください。
本試験では、水道法シリーズについてはよく問われていますので、土地収用法
シリーズとともに、要注意です。
最後に、櫻井・橋本「行政法」p139のコラム、パワーポイント107で、行政契約の
争い方について、訴訟類型を意識しながら知識を整理しておいてください。
やはり、パワーポイント107やパワーポイント054のような訴訟類型の基本パター
ンが、「アタマ」の中に入っていない受験生が多いのではないかと思います。
受講生の皆さんは、
パワーポイント107は、行政事件訴訟法で頻出している訴訟類型の基本パター
ンですから、なるべく早く「アタマ」の中に入れてみてください。
ちなみに、昨年の山田式!の受講生で、パワーポイント054の形式的当事者訴
訟を、記述式の問題で書けなかった方はいないかとは思いますが・・・
行政法は、なるべく早い段階で記憶すべきところを、きちんと記憶しておくことが
大切ではないかと思います。
大人になると、こういう記憶の作業をおろそかにしがちですが・・・
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