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1 フォロー講義
行政法は、知識優位型の典型科目ですから、問題を沢山解いて知識を拡散する
のではなく、知識を集約・整理していくことが大切です。
問題は、どのように知識を集約・整理していくかです。
資格試験の勉強の場合、当然のごとく、本試験で問題を解けること、かつ、合格
点を取ることが「目的」となります。
したがって、この「目的」から離れた知識をいくらインプットしても、「目的」を達成
することはできません。
講義の中で、行政書士試験の「過去問」や他資格試験の「過去問」を検討しなが
ら、「出題のツボ」をお話ししているのは、まさに、このためです。
アウトプット→「出題のツボ」の発見→インプット
基本書に書かれていることでも、本試験で出題されないような知識は、インプット
する必要はありませんし、逆に、基本書にあまり書かれていないことでも、本試
験で出題が予想される知識は、インプットしておく必要があります。
このように、集約・整理しておくべき知識の見極め(メリハリ付け)をするのに最適
なツールが過去問なのです。
もっとも、最近の行政書士試験は、過去問では出題されていないようなテーマも
数多く出題されていますから、分析の対象を他資格試験にまで広げる必要があ
ります。
行政書士試験も他資格試験も、大学教授が中心となって問題を作問しています
から、基本的には、「出題のツボ」は同じです。
本試験「分析」+他資格試験「分析」
実践講義では、どのような「テーマ」から、どのような「内容」の問題が、どのよう
な「視点」から出題されるのかについて、「出題のツボ」としてお話ししています。
本試験では、過去問と全く同じ問い方をする問題は、ほぼ出題されませんので、
過去問を、一問一答的に覚えてしまっても、あまり意味はありません。
(時間のない社会人の方にとってみれば、過去問を何十回も解いて問題・解説を
記憶するような学習は時間的にも無理なはずです。)
過去問は、本試験では、どのような「テーマ」から、どのような「内容」の問題が、
どのような「視点」から出題されるのかについて分析するためのツールです。
このあたりは、大学受験の際に使用する、いわゆる「赤本」(過去問集)と同じ位
置づけだと思います。
大学受験では、いくら「赤本」(過去問集)を繰り返し解いても、合格できるもので
はありませんから・・・
目的と手段
そのうえで、本試験に出題される知識を、事前にカード等にまとめて整理しておけ
ば、もう、分析ツールである過去問を解く必要はありません。
あとは、直前期に、何回もカード等を見直せばいい訳です。
プログレカードは、本試験に出題される知識を集約・整理したものですから、受講
生の皆さんは、他の科目と同様に、知識の集約化のツールとして上手に活用して
みてください。
アウトプット→「出題のツボ」の発見→インプット(プログレカード)
昨年度の合格者のプログレカードを見ればわかるように、やはり、合格者は、「出
題のツボ」に沿って、知識を上手に集約化できています。
知識の集約化
なお、どのような「テーマ」から、どのような「内容」の問題が、どのような「視点」か
ら出題されるのかについては、「うかる!行政書士最短合格のツボ」が市販されて
います。
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また、本試験に出題される知識を、事前にカード等に集約・整理したものとして、
「うかる!行政書士必修項目100」が市販されています。
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独学で学習されている方は、この2冊を有効に活用して、是非、「出題のツボ」を
掴んでみてください!
2 復習のポイント
① 行政行為(3)
まずは、パワーポイント042で、職権取消と争訟取消について、主体に着目しな
がら、全体での位置づけを確認しておいてください。
次に、カード035と問題15・16を使いながら、撤回と職権取消の共通点と相違点
について、知識を整理しておいてください。
行政法は、基本的には、知識優位型の科目ですが、問題15のように、あてはめ
を問う現場思考型の問題も出題されています。
最後に、カード037で、行政行為の附款について、カード020とリンクさせながら
知識を整理しておいてください。
条件と期限など、民法(総則)で学習してきた用語と同一の用語が結構出てきま
すので、よく理解できない方は、もう一度、民法の復習を行ってみてください。
② 行政上の義務履行確保(1)
まずは、パワーポイント050、カード038~041で、行政上の強制手段の全体構造
を、各レベルの相違点を中心に知識を整理しておいてください。
本試験では、「直接強制」と「即時強制」との相違点を問う問題がよく出題されて
いますので、「出題のツボ」として押さえておいてください。
行政法(総論)は、講学上の概念中心の科目ですので、細かい「葉」の部分から
学習すると、何をやっているのかわからなくなります。
受講生の皆さんは、行政法の復習をする際には、必ず、パワーポイントや目次
で全体構造を確認しながら、細部の復習を行ってみてください。
森から木、木から枝、枝から葉へ
次に、「行政法」p173以下で、小項目の4つの手段について、ポイント中心に読み
込みを行ってみてください。
行政代執行法については、手続きのプロセスを問う問題が過去問で出題されて
いますので、パワーポイント054を参考にもう一度条文を読んでおいてください。
最後に、パワーポイント025で、Q1・Q2に対する解答を理解しながら、直接強制
と即時強制の相違点について、知識を整理しておきましょう。
行政法は、知識優位型の科目ですから、最後は知っているか知らないか、読ん
だことがあるか読んだことがないかの世界です。
特に、行政法総論と行政事件訴訟法については、櫻井・橋本「行政法」を何度も
熟読して、ポイントを掴んでいく学習をお薦めします。
③ 行政上の義務履行確保(2)
まずは、カード041で、行政罰の全体構造について理解した上で、行政刑罰と秩
序罰の相違点をざっくりと整理してみてください。
次に、その他の義務履行の手段について、どのような手段があるのかを、もう一
度、過去問を参照に知識を整理しておいてください。
最後に、パワーポイント053、カード042・043で、司法的執行について、もう一度、
2つの判例をよく読んでおいてください。
講義中にも、お話した宝塚市パチンコ条例事件(最判平14.7.9)は、とても興
味深い判例ですので、「事案」と「顛末」を少し詳細にコメントしておきます。
(1) 事案
宝塚市は、パチンコ店の建設計画に対する地域住民の反対運動を契機に、昭
和58年に、本件条例を制定。
本件条例には、パチンコ店を建設する者は、①市長の同意を要し(3条)、②市
内では商業地域以外は、市長は同意をしないとし(4条)、③同意なく建築を進
めようとする業者に対しては、建設等の中止などの措置を命ずる制度(8条)が
置かれていた。
パチンコ業者Ⅹは、市長の同意なく建設工事の続行したため、宝塚市は、Ⅹに
対して、条例8条に基づいて、建築工事の中止命令を発したが、本件条例には、
業者が中止命令に応じないとき、刑事罰を含めてこれに対する制裁措置は何ら
規定されていなかった。
そこで、宝塚市は、Ⅹに対して、建築工事の続行禁止を求める仮処分を申し立
て、申立てを認容する決定を得たのち、建築工事の続行禁止を求める民事訴訟
(司法的執行)を提起
神戸地裁(第1審)・大阪高裁(第2審)は、本件条例は、風営法・都市計画法・
建築基準法が許容しない規制を定めていると理由で、本件条例を無効とし、
宝塚市の請求を「棄却」
これに対して、最高裁は、国又は地方公共団体が専ら行政権の主体として国民
に対して行政上の義務の履行を求める訴訟は、「法律上の争訟」に当たらないと
して、訴えを「却下」
本件事案には、
① 行政上の義務の民事執行(司法的救済)の可否
② 法律と条例との関係(上乗せ条例・横出し条例)
③ 法律上の争訟(司法権)の意義 という、
憲法と行政法とに関連する点が問題となってきますので、皆さんになりに、今ま
での学習の復習も兼ねてよくフォローしておいてください。
ちなみに、平成18年度の記述式は、「却下」と「棄却」の違いについて、しっかりと
理解しているかを問う問題が出題されています。
(2) 顛末
神戸地裁が、宝塚市によるパチンコ店の建設工事禁止の仮処分で、営業ができ
ず損失を受けたとする業者Ⅹの訴えを受けて、同市に対して、3億2500万円の支
払いを命令。
この点については、2007年2月、最高裁は、宝塚市の上告を棄却したため、同市
に3億4800万円の支払いを命じた大阪高裁判決が確定し、同市は利子分を合わ
せて約4億8700万円を支払うことに。
宝塚市が、約4億8700万円も支払わなければならなかったのも、そもそも、本件
条例に、義務違反に対する措置が何ら規定されていなかったことが原因です。
では、今後は、どのような条例を制定すればよいでしょうか?
阿部泰隆教授著「続・政策法学講座やわらか頭の法戦略」の中に、詳しく書かれ
ていますので、興味のある方は、是非、一読を!
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