実践講義 行政法 第7・8・9回 | リーダーズ式 合格コーチ 2026

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「アタマ」と「こころ」を元気にする経営を科学する!リーダーズ総合事務所・リーダーズ総合研究所代表(中小企業診断士・社会保険労務士・行政書士・産業カウンセラー・キャリアカウンセラー・メンタルヘルスマネジメント検定Ⅰ種・FP)コンセプトは人と人の「つながり」



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1 フォロー講義


実践講義第7・8・9回目は、行政行為の瑕疵論、附款、行政裁量、行政上の義務

履行確保の手段を中心に講義を進めていきました。


講義中にも、お話した宝塚市パチンコ条例事件(最判平14.7.9)は、とても興味

深い判例ですので、「事案」と「顛末」を少し詳細にコメントしておきます。


① 事案


宝塚市は、パチンコ店の建設計画に対する地域住民の反対運動を契機に、昭和

58年に、本件条例を制定。


本件条例には、パチンコ店を建設する者は、①市長の同意を要し(3条)、②市内

では商業地域以外は、市長は同意をしないとし(4条)、③同意なく建築を進めよう

とする業者に対しては、建設等の中止などの措置を命ずる制度(8条)が置かれて

いた。


パチンコ業者Ⅹは、市長の同意なく建設工事の続行したため、宝塚市は、Ⅹに対

して、条例8条に基づいて、建築工事の中止命令を発したが、本件条例には、業者

が中止命令に応じないとき、刑事罰を含めてこれに対する制裁措置は何ら規定さ

れていなかった。


そこで、宝塚市は、Ⅹに対して、建築工事の続行禁止を求める仮処分を申し立て、

申立てを認容する決定を得たのち、建築工事の続行禁止を求める民事訴訟(司法

的執行)を提起


神戸地裁(第1審)・大阪高裁(第2審)は、本件条例は、風営法・都市計画法・建築

基準法が許容しない規制を定めていると理由で、本件条例を無効とし、宝塚市の請

求を「棄却」


これに対して、最高裁は、国又は地方公共団体が専ら行政権の主体として国民に

対して行政上の義務の履行を求める訴訟は、「法律上の争訟」に当たらないとして、

訴えを「却下」


本件事案には、


① 行政上の義務の民事執行(司法的救済)の可否

② 法律と条例との関係(上乗せ条例・横出し条例)

③ 法律上の争訟(司法権)の意義


という、憲法と行政法とに関連する点が問題となってきますので、皆さんになりに、

今までの学習の復習も兼ねてよくフォローしておいてください。


ちなみに、平成18年度の記述式は、「却下」と「棄却」の違いについて、しっかりと

理解しているかを問う問題が出題されています。


② 顛末


講義中、神戸地裁が、宝塚市によるパチンコ店の建設工事禁止の仮処分で、営業

ができず損失を受けたとする業者Ⅹの訴えを受けて、同市に対して、3億2500万

円の支払いを命じたという顛末をお話しました。


この点については、2007年2月、最高裁は、宝塚市の上告を棄却したため、同市

に3億4800万円の支払いを命じた大阪高裁判決が確定し、同市は利子分を合わ

せて約4億8700万円を支払うことに。


宝塚市が、約4億8700万円も支払わなければならなかったのも、そもそも、本件

条例に、義務違反に対する措置が何ら規定されていなかったことが原因です。


では、今後は、どのような条例を制定すればよいでしょうか?


講義中にご紹介した、阿部泰隆教授著「続・政策法学講座 やわらか頭の法戦略」

の中に、詳しく書かれていますので、興味のある方は、是非、一読を!





阿部泰隆教授の本は、どの本も実践的でとても面白いですので、勉強の息

抜きにでも、一読してみてください!



2 復習のポイント


① 行政行為の瑕疵論


まずは、パワーポイント036で、瑕疵ある行政行為の全体構造を、行政不服審査

法・行政事件訴訟法とリンクさせながら、しっかりと把握してみてください。


問題63、問題81のように、行政法の問題には、絶対に落としてはいけない超基本

的な問題が結構出題されています。


基本的な問題は、細かい知識ではなく、全体構造(ツリー構造)を理解していれば、

簡単に解けてしまう問題が多いです。


受講生の皆さんは、他の科目と同様に、「森から木、木から枝、枝から葉へ」という

視点を忘れないようにしてみてください。


次に、取り消し得る行政行為と無効な行政行為について、①区別の基準、②区別

の実益の点から、知識を整理しておいてください。


特に、行政行為が無効な場合の処理については、前回ОHCで説明した点とリンク

させながら、知識を整理してみてください。


② 行政裁量


まずは、パワーポイント040で、行政裁量の全体構造を、行政事件訴訟法30条と

リンクさせながら、把握しておいてください。


次に、「行政法」p115以下で、どういう場合に裁量権の逸脱・濫用となるのかを、各

項目と判例を中心にざっくりと理解しておいてください。


行政裁量については、本試験は未出題のテーマですので、用語を中心に知識を整

理しておけば十分ではないかと思います。


③ 行政上の義務履行確保の手段


まずは、パワーポイント044、カード036・037・038で、行政上の強制手段につい

て全体構造を、各レベルの相違点を中心に知識を整理しておいてください。


本試験では、「行政上の強制執行」と「即時強制」との相違点を問う問題がよく出題

されていますので、「出題のツボ」として押さえておいてください。


次に、「行政法」p169以下で、小項目の4つの手段について、ポイント中心に読み

込みを行ってみてください。


講義中にもお話したように、昨年の本試験の問題は、「行政法」がネタ本(?)では

ないかという問題が数多く出題されています。


特に、行政法総論と行政事件訴訟法については、過去問よりも、「行政法」を何度

も熟読して、ポイントを掴んでいく学習をお薦めします。


最後に、その他の義務履行の手段について、どのような手段があるのかを、もう一

度過去問を参照に知識を整理しておいてください。


司法的執行については、宝塚市パチンコ条例事件(最判平14.7.9)が重要です

ので、もう一度、判旨をよく読んでおいてください。



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