はじめに
今年はモビリティショー(JMS)の年。
前回、JMS2023の総括を記事にしているので、今のうちにここで振り返ってみて、自分で自分の記事にコメントしてみます。
今回の記事は
「過去記事の再掲」
「手前味噌」
「自画自賛」で出来ています。
そういうのはいらない、と言う方は閲覧ご遠慮ください。さらに言うと長文の上に引用とコメントが混在して、、、とっても読みにくいです。ゴメンナサイ…
それでは以下。
前置き1
ジャパンモビリティショー。
前回は2023年に開催し、今年は「モビリティショー」となって2回目の開催になります。
既に明らかになっている範囲では、おおむね前回の開催をベースにしているようです。
ロゴも全く変わっていないし。
こちらは2023年版
Tokyo Future Tourも「Tokyo Future Tour 2」として継続される模様。
子供向けの「キッザニア」も健在です。
実際、来場者数は111万人以上と「成功」と言ってよい結果だったので、あえて2回目にして大きく変える必要は無いですもんね。
今年の「障がい者手帳をお持ちの方の特別見学日」は2025年10月31日、申し込み方法などが公開されましたらまたこちらでも紹介していきたいと思います。
前置き2
さて。ここから前回の記事の振り返り。
手前みそになりますが、読み返してみるとなかなか良いことを書いている。(完全に自画自賛です)
色々なメディアで記事を見てきましたが、視点の客観性(公平性)と言い、バイアスをかけていない評価や提案と言い、、、
ねえ、評論家の皆さんもこのくらいのことを書いてくだいさいよと言っても怒られないんじゃないかってくらい。(完全に自画、、以下略)
以下、当時の記事を再掲しながら、1年半経過後の自己レビューをつけていきます。
見分けられるよう、
前回の引用は「斜体」、
今回のコメントは全て「ボールド」
で表記しています。注)写真は適宜追加しています
本文
Tokyo Future Tour
(この斜体が引用。以下同じ)
今回の新規展示の目玉は(一般的には)「Tokyo Future Tour」だったかと思いますが、正直イマイチでした。何がイマイチと思わせたか。
以下列挙します。かなり辛辣ですが、鳴り物入りで誂えた新エリアなのですから、その期待に応えてくれないと。
・最初に見せられるテーマ映像(ショートストーリー)が安っぽい。最近のCGアニメを見慣れた目には、そこらへんのデスクトップPCで学生が習作で造るレベルに映ります。
▶︎これは我ながら厳しい言い方ですね。CGはお金(機材)とマンパワー(能力×時間)ですから、初回はきっとコンセプトが固まるまでに時間がかかって実作業時間はきっとすごく少なかったんでしょう。
今回も同じようなコンセプトムービーが作られるでしょうから、完成度の向上に期待しましょう。
・唐突すぎる「ゴジラ-1.0」の乱入。それ自体で失笑してしまう上に、酷いことにゴジラがほとんど認識できない。登場時間も一瞬で、単に話題作りのために登場させただけ感が満載。
▶︎今年はゴジラは公開されないのですが、ハザード対応は共通のテーマかと考えます。どういうハザード(災害)をインサートするんでしょうね。邦画だと「TOKYO MER 南海ミッション」とか?!それともまたゴジラの焼き直しだったりして。(だったら嫌だな)
・没入感を持たせたいためのアイマックス(水平方向に拡張するための三面使用)なのだろうけど、自分視点としてはパースが合わないので没入できないし、途中でドローン視点に切り替わるのでさらに没入しきれないうちに終了する。
▶︎これはあまり変わらないだろうと思ってます。演出側の発想が貧弱とばかり言えません。来客側も単に大画面と言うだけで喜ぶ人がいる(多い)のが実態なので。もう少し視点誘導の工夫があると見やすくなるのですが。
・色合いやデザインが二次元アニメでしかもパステル調。リアルな未来観を伝えたいのなら、まるで本物と思わせるようなものでないと。
▶︎これもそういうものだと言われてしまえばそれまでかと。次回も同じ路線かどうかは不明ですけど。
先日終了した最新のガンダム(ジークアクス)のキャラデザインについていければ多分平気。
※余談ですが「ジー・クアクス」です。「ジーク・アクス」と読むと「ロール・スロイス」と同じだと言われてしまいそうです。(このブログに来られている方なら、ガンダムはわからなくてもRRの間違いはおわかりですよね)
・音響がプア。ただステレオ音源(疑似サラウンド程度)を垂れ流してるだけで、最近のアトラクションでは当然の、上下方向も含めた3D音響になっていない。
▶︎これも酷い言われよう(我ながら)。リスニングポイントがバラバラで立ち見なのだから、正確な3D音響は不可能に近いので、ここまで言う必要は無いですね(我ながら)。
入場者に3Dヘッドホンを配れば解決しそうですが、それだけでも現実的ではないのに加え、
座席に座るわけではないから見る方向の自由度が高いので一人一人ヘッドトラッキングをして、向いてる方向に合わせて流す音源を全てカスタマイズしないといけないのでさらにハードルは上がる一方。。
疑似的なものに割り切れば、音源(スピーカー)を天井含めて立体的に配置すれば「なんちゃって3D」は実現可能ですが、それだとまた「中途半端」な気もするし。
そうなると結局元のまま「音の迫力で押し切る」が現実的かなあ。ぜひ知恵を使ってバージョンアップしてほしいところ。
レイアウト
どうやってメーカーの並べ方を決めているのか、これは毎回の疑問です。
入口から近いエリアにトラックメーカーを固めたのだけは良くわかりました。奥にしたら誰も行かないからですね。公式にも聞いた気がします。
ただそれ以外になると、なぜトヨタとレクサスが別々なのかとか、3社しかない輸入車メーカーを分散させる意味が本当にあったのかとか・・・
そのあたりは昔の、狭い通路にギッシリ観客が詰めかけ、コンパニオンを撮影するカメコが通路に溢れていた時代の発想ではないかと思います。
人気のあるブースを分散させるやり方は、確かにそういう時代には有効だったかもしれません。
しかし、例えば博物館の展示を考えたとき、時代も種類も異なるものをバラバラに展示しますか?しないですよね?
このショーだって、本来であれば開催側が伝えたいことをきちんと伝えられるように考えて配置がされるべきだと思うのです。
今までは物理的な制約でやりたくてもできなかった、それは仕方ない。でも時代が変わって配置しなくてはいけないメーカーが減った。お客も減ってる。
その結果としてブース間がとても広く、通路は昔の倍くらい取れてました。各社ブース内も(本当の意図は不明ながら)何も置かれていない空間がたくさんあって、とても回りやすかった。
客の人口密度が減った?やった、これで本来やりたかったことがやれるようになった!と逆転の発想をした人はいないのでしょうか?
今までの優先順位である「混乱無く来場者をさばく」から、もっと意識を上げて「来場者が効率よく回れる」「開催者の意図をわかりやすく伝える」ためのレイアウトがあったはずです。
▶︎ここの文章にも「せっかくだからもっと良くしようよ」という主張が込められています。決してディスっているわけではないですよ。
この後に書いていますが、前回は全体として「笑顔の提供」(イメージや雰囲気の提供)から「情報の提供」にシフトしているように思えたくらいなので、そうであればメーカーを人気ごとにバラバラに置くのではなく、ショー全体として伝えたいことを伝わりやすいように配置することのほうがより重要になってきているのではないでしょうか。
このあたりもぜひ!今年は期待しているところです。
説明員
コンパニオン(笑顔の提供)から技術説明員(情報の提供)にシフトしたのかな、と思うほど、各社ブースでは技術説明員の姿が目立ちました。地味な印象にも寄与してましたが・・・
▶︎笑顔の提供→情報の提供 のシフトを一言で表現したのはよかったですね。今年もバランスは技術寄り(コンパニオンのお姉さん少なめ)になるのでしょうか。まあそれはそれで面白かったので良いのですが。
それに隠れキャラ的に(爆)、コンパニオン/モデルと見間違うかのような技術説明員の方(男女とも)もおられてですね、それもまた一興なのですよ。
特に印象に残っているのはFT-Seの説明をしてくれた方。(「別記事で」とトヨタの記事で書いたのはこれです)
(中略)
実際の会話の一部はこんな感じ。(話は盛ってません。むしろ忖度して省いてます)
冗長ですが楽しそうな雰囲気が伝われば幸いです。
「FT-Se、サイドのドアと後輪の間にある”切り欠き”って、可動してエアブレーキになるとかあります?」
「いや、それも考えたんですけど、法規で車幅が変わっちゃうのがダメなので」
「これってスズキさんのスイフトみたいに平置きされたコンセプトカーって訳じゃないから、市販前提・最優先じゃないんでしょ。だったら法規に縛られる必要無いですよね?」
「言われてみればその通りですね!普段まず法規を守ることから仕事しているので」
「それはコンプライアンス的には100%正しいんですが、せっかくコンセプトカーを手掛けるのだから理想を優先しても良いのでは?」
「おっしゃる通りですね。視野が狭かったようです。でも部下も私も目の前のことで手一杯で、ついこういう思考になっちゃうんですよね」
「いやいや、今のモリゾーさんが開発現場を直接見てくれてるうちが、理想を掲げて好きなことをやるチャンスなのでは?と、部外者的には思いますけど?」
「うわ、、失礼ながら同業者ですか?・・・違いますか。よく事情ご存じですね。おっしゃる通りなので、いつまで今の感じで出来るのかなんて話したりしてるんですよ」
「だったらさっきのエアブレーキだって、『今の法規には合わないが安全に寄与する技術として世に問いたい』って実装しちゃえば良かったじゃないですか。クルマが停まるためにはタイヤと路面の摩擦、ディスクとパッドの摩擦だけで今は制動してるけど、それに上乗せするのは空気の摩擦(抵抗)だとか言って」
「ほんと、言われてみればその通りですね。デザイン側から実は色々提案を受けることもあるんですけど、法規がネックになることが殆どなんですよ」
「法規って、しょせん過去の技術を基にして作られてるじゃないですか。だから時代が変われば変わっていいと思うんですよね。自動車のエアブレーキとか、微妙な制御ができなかった時代にはむしろ危険だったと思うんですけど、三菱さんの昔の、80-90年代前半とかのコンセプトカーとか凄かったんですよ。HSRでググってみてください。HSR-Ⅱなんて車体の前後左右に可動フラップだらけですよ。派手にバタンバタン動くもんだから、当時はなんかネタみたいな感じで現実味は少なかったです。コーナー回る時にイン側だけフラップが持ち上がってエアブレーキかけるとか、今ならトルクベクタリングで同じことが出来ちゃってます、とか。でも気流のアクティブ制御とかは、今ならリアルタイムにフィードバック制御が可能なんだから、出来ることは飛躍的に増えてますよね」
「電気自動車なら四輪独立制御も普通にできるし、演算するためのCPUもセンサも、ADASもあって従来車よりケタ違いに高性能になってるから、それらの資産を流用すれば追加コストも抑えられそうですよね、、、これアリかもな」
「そうですよ。そうした変化を具体的なベネフィット(利益)として私たちに示すのが、コンセプトカーの役目でもありますよね?特にこのケースは安全をキーにできるから、規制緩和もしやすいはず」
「いやあ、お話しできてよかった。さっそく社内で話をしてみます」
「こちらこそ、楽しい時間をありがとうございました」
▶︎このように、過去これだけ深みのある会話ってモーターショーでしたことあったかな、と思えるくらいに各ブースで技術的(と書いてクルマオタクと読む)な会話を楽しむことができました。
トヨタブースのこの会話が一番印象に残りましたが、マツダしかり、三菱・日産・ダイハツ・スズキ・ホンダ、、、どこのブースにも深い知識と見識を持った説明員の方たちがいて、門外漢のこちらの勝手な意見を真摯に受け止めてくれた上で、きちんと意見を返していただけたのは本当に嬉しいものでした。その後トヨタでエアブレーキの本格検討を始めたという話は寡聞にして存じあげないけれども、社内でどういう話になったのだろうかが気になります。万一にも今年のコンセプトカーで(提案通りの)エアブレーキを活用した展示があったら文字通り有頂天になってしまいそう。
残念ながら輸入車ブースは(そもそも数も少ないけれど)、技術的に芳醇な話が出来たかというとその点ちょっと食い足りない感じがした(かと言ってビジュアルで圧倒したかと言うとそうでもなく)ので、今年はそちらにも注目していきたいところです。
なお前回の記事全文はこちら